生活史研究家の小泉和子さんは、昭和51年にお父様が作られた住宅を「昭和のくらし博物館」として展示しているそうです。 新聞の紹介記事の中の、小泉さんのお話が心に残りましたので、一部を紹介させていただきます。 「省力化はどんどん進みました。家電製品は多機能化し、衣服も食料品も工場が製造し、家事を代行する商品が次々と開発しました。それは女性たちの願いに応えるもので、歓迎され、家事が家庭の外に出て行った。規制緩和で巨大なスーパーが現れ、街のあちこちでコンビニが24時間営業しています。確かに便利になりました。でも流通が広域になり、パッケージにも輸送にも費用と資源を費やしている。大量生産と大量消費と大量廃棄が当たり前になり、人間の体内からマイクロプラスチックが検出されるようになってしまった」(略)「もう一つは、商店街の復活です。プラスチックの容器も使わず、生鮮食料品なら近郊の産品を扱うこともできる。買い物の際の会話もあって、人のつながりが生まれ、コミュニティーが育つ。今より不便かもしれません。でも、なんでも便利じゃなくて、少し不便でもやらなくちゃいけないことを、みんなで考えなきゃいけない。破滅するよりはいいじゃない」 |