幻塾庵 てんでんこ

大磯の山陰にひっそり佇むてんでんこじむしょ。 てんでんこじむしょのささやかな文学活動を、幻塾庵てんでんこが担っています。
 
2017/03/13 13:53:11|雑記
春風のギフト

6年目の3・11に刊行された大著「東日本大震災後文学論」(限界研編 南雲堂)が届けられた。

編著者の一人、藤田直哉氏は、第一章の「同時代としての震災後」を、彼の師である文芸批評家、井口時男氏による、性急に震災後文学などと語るべきではないとする見解に対する反論から始めている。

井口時男氏、藤田直哉氏、ともに当庵ゆかりの文学者ということも手伝い、庵主の興味関心を大いにかきたてたらしい。

ちなみに当庵に寄せられた、師(井口時男氏)の弟子(藤田直哉氏)に対する評価(?)は、「前のめりにつんのめりながら走るのが藤田直哉。つんのめりながらも論旨の明晰さは保っている……けっこうなこと」だそうである。







2017/03/09 12:34:44|雑記
造本アートのギフト、続々


造本アーティストの高林昭太さんから、
またも春風めいたギフトが届けられた。
新刊行の中公文庫三冊

いずれも、「批評の復権」のためのタイムリーな本ばかり、と庵主。

高林さん、ありがとうございます。







2017/03/02 12:28:12|雑記
田中和生さんの新著


やはり春風にのって、当庵ゆかりの文芸批評家、田中和生さんの新著
『震災後の日本で戦争を引きうける――吉本隆明『共同幻想論』を読み直す』
(現代書館 2017年2月)が届いた。

〈今も続く「都合の悪い同胞は切り捨てる」ことで生き延びていく日々の暮らし。そんな「共同幻想」のねじれを終わらせてこそ始まる「震災後日本」の姿を問う〉
というテーマに、Fukusima出身で、近代百年余り「排除」されつづけた會津人の末えいである庵主はことの他引きつけられたようだ。







2017/02/28 12:19:03|雑記
手作りポエジー


春風にのってモライモノが届く。
少し前に届けられた井坂洋子さんの新詩集
『七月のひと房』(栗売社 2017年1月)

そして昨年の晩秋より、矢継ぎ早に発行された非売の詩誌
「森羅」(粕谷栄市・池井昌樹)1、2、3
粕谷栄市は庵主の「青春の詩人」。
「現代詩手帖」(2017年3月号)にオマージュを寄稿した由。

いずれも、庵主の畏敬する詩人の作品を手作りしたもの。

庵主は最近耳にすることの多いロコモティヴ・シンドロームとは
少し違うものの、音がよく似た《オコモティヴ》の暮らし……
眼が弱くなってはいるが、好きな人の作品ならと、
意欲的に、声に出してよんでいる。







2017/02/21 13:12:04|雑記
ポエジーのいろいろ


届いたばかりのギフト本
『辻原登の「カラマーゾフ」新論』をよく見たら、
装幀が『わらしべ集』と同じ高林昭太氏だった! と庵主のカンゲキが爆発。

何事についても、〈一致〉の現象をことのほか注視しつづける
いわばコレクターである庵主は、そのためのノートもつけているらしい。

詩的なもの、と発音すると田舎者の訛りの悲しさで
「ステキなもの」となってしまう庵主にとって、
詩的で素敵なものは、必ずしも詩作品ばかりでない。
たとえば、当ブログの猫床六尺の佐藤亨氏のそれのように、
写真の形をとったものなどその典型だが、
高林昭太さんの造本アートもまた、装幀という形のポエジーの化身だと。