8月28日、「ミツバチの羽音と地球の回転」を見に平塚市中央公民館まで出かけて来ました。会場の入口は列が出来ていてチケットが無く入場できない人が続出しました。700人はいる会場はほぼ満席で原発事故での関心の深さを感じさせられました。
映画は山口県の島に持ち上がった原発建設計画を巡る、28年来におよぶ住民の反対運動を追ったドキュメンタリー映画ですが3.11震災が引き起こした福島原発事故、放射能の問題から題材がタイムリーなものとなり大勢の人が集まりました。
映画が終わったあと鎌仲ひとみ監督の講演(15時30分〜16時46分)があり、鎌仲さんは監督というより「鎌仲さんと呼びたくなるような」気さくな普通のおばさんという感じでサイン会でも参加者と気楽に会話されていました。
以下は鎌仲ひとみ監督講演の概要です(私の速記録、印象録ですので事実誤認がありましたら指摘して下さい。訂正します。)
3.11が起こって自分のスタッフに「東京にいるなら外に出てはいけない。」と指示をした。 3月11日から23日までが放射能が一番高く飛んで来た時期で事故前の100万倍に達した。福島原発で出た放射能は広島原爆の168個分で東京も例外ではなく風や、雨に乗って半減期30年の放射線セシウムが東京に降り注いでいる。
6カ所村再処理工場で東電、原子力保安院、経産省は避難訓練をやっているが放射線が出たという訓練をやっていない。普段からやっていない事は出来ない。
今、福島で情報戦争が起こっている。政府は長崎大山下教授(注)を福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーに送り込み放射能は低レベルで安全だと言わせた。時には、講演会場で疑問を投げかける質問者を物理的に押さえつけ排除するなど措置も取った。
「危なくない。」という意見と「内部被爆は小さくても危ない。」という二つの意見に分断され地域が憎しみ合う関係になっている。分担は推進派が得するだけである。東電や政府は過小評価し真実を伝えていない。福島の子供達に安定ヨウ素剤を飲ませるべきであった。
マスコミは本質的に事故直後も今も変わっていない。「原発を進める、原発が安全。」という土台があり東電の広報費300億円、接待費30億円を受けているので東電に矛先を向ける事が出来ない。良い例が山本太郎さんであり、また東電本社前では毎日、抗議のデモや集会があるがマスコミやNHKは一切、報道をしていない。 反原発デモに16,000人が集まっても、ほとんどのメディアが報道しない。
電力会社は、大手メディアにとっての最大のスポンサーだからだ。社長は退職金5億円、天下り役員になってさらに7千万円を貰う。社員のボーナスも8カ月(?)である。東電は広報費やこれらに多額の費用を使っても福島にはまだ補償もしていない。東電は○○○億円だけ払えばあとは国がやるので補償しなくてもいいと思っている。
福島原発は全然、終息に向かっていない。終息の方法も見つかっていない。チェルノブイリ事故の時は6千万人の人が物を5千トン、放り込んだ。
福島原発は1〜3号機が水蒸気爆発を起こし4号機でも小規模な爆発を起こしているが、格納容器の燃料棒が溶け落ちその容器も溶け、容器ごと地面の中に潜りこみ拡大し地下水を汚染し太平洋を汚染している。
1号機と2号機の間は10ミリシーベルト(7ミリシーベルトで即死する)もあり作業に手がつけられない。広島原爆の168個分という福島原発放射能は大気汚染だけの話で地下水や海の汚染は含まれない。彼らに引き起こされた事故によって国土の4割が汚染された。我々は絶望せず残りの6割を守らなければならない。
核弾道でプラトニウムがたくさん排出されるアメリカでは日本が何故、プラトニウムを抽出しようとするのかわからないと言っている。プラトニウムは冷却にナトリウムを使っていてナトリウムは空気に触れると爆発する。事故が起きたらおしまいである。日本のもんじゅは事故後、運転されないままである。
広島原爆はウラン5キロであったが福島は30トン、広島で死の灰や黒い雨が降ったが被爆直後に現地に行ったり爆心地から離れていた人は認定されず広島の被爆者33万人うち0.8%の人しか医療保障が受けられていない。
被爆は外からと内部被爆があるが(成長途中の子供に影響を与え大きなリスクがある)正確に測る技術はなくα線はわからない。被曝という病気はなく誰にでも出る病気として出て来て被曝者は最終的には癌になる。
私達に出来る事は「福島の事を伝えて行く事。」「各自治体で脱原発宣言をする事。」、世界は自然エネルギーに舵をきっている「マスコミに伝えるべき情報を伝えさせる事。」そのために東電やマスコミに1か月に1回でもいいから電話をする事です。
講演のあと鎌仲さんは事前に書かれた質問用紙にそって参加者の疑問に答えてくれました。殆どの人が熱心に最後まで聞いていました。御用学者、推進派の人の話が多いテレビ放映と違って真実に迫るとてもいい話でした。
(注) 山下教授についてはネットで検索すると「山下教授を信じて安心して、以前より低くなったからと、数値の高いとこで遊ばせる親子とか・・」、「罪深い御用学者山下教授・・」とか「福島原発のリスクを軽視している。」とか沢山出て来ます。