フランス厨房 ル パスポート

 
2022/10/07 12:39:25|その他
冷たい雨が‥湘南フレンチ奮闘記・・
嫌な天気が続きますね、おまけに寒い!
昨日からの冷たい雨で、食材採取の予定が狂ってしまって、又時間に追われることになってしまった
 
海も多少は荒れたようで、定置網漁もそこそこに魚種も増え、迷いながらも寿司ネタにアカゼムロアジ・美味しいセミエビ・丸々太った本カマスと、来週のメインに使うクエ・・・などを仕入れてきた
これからは魚種も豊富で、しかも魚が美味しい時期
 
今までは、少ない魚種の中から選ぶ形で、売り手市場だったが、これからは好きなものを選ぶ、買い手市場になる
 
これは料理人には嬉しいことなのだが、どれに美味しい時期なので、魚種を選ぶのに迷うことになる
 
魚の方はしばらくは心配ないのだが、問題は山だ!
来週の定休日の木曜日には、富士山に登らなければならない
7合目まで這いあがり、コケモモの実を採取ししたいのだが、冠雪していないか?だ
 
まだ頼りはないが、たしか去年も10月半ば頃に、積もった記憶がある
初雪ならば、すぐに消えるが二度目の雪は積もりかねない
 
例年コケモモの採取は2日間、後時間があればキノコも採るが、地面が凍っているとキノコもコケモモもカチカチで、採取にも時間がかかるし、第一指先が冷たいし寒い!
 
昔は「土方殺すには刃物はいらぬ、雨の三日も降ればいい」と言ったものだが、私にも合う言葉だ・・・
 
 
 
 







2022/10/03 15:53:47|その他
山野の秋の花‥湘南フレンチ奮闘記・・
山を徘徊していると、季節の移り変わりがはっきりと判る
高地ではススキは満開で萩が色を添えている
 
先週入った静岡県の山で「ジイソブ」の花を見つけた
ジイソブとはツルニンジンの方言で、爺さんのソバカス・・という意味らしい
 
ホタルブクロのような小さな花が下を向いて開いていて、その花房の中に小さな斑点があり、それをソバカスに見立てたようだ
 
このツルニンジンは非常に貴重な植物で、昔はかなりあったらしいが、乱獲がたたり今は非常に貴重な薬草になってしまった
 
私も春の茶摘(野生の茶木)が終わると、この採取に切り替え静岡県や山梨県の山に分け入り、約3か月間はこれに費やしている
 
でも今の時期は写真のように花を持ち、種を形成している時期なので、採取は控えている
後はリンドウの花だが、最近は少なくなり群生地が見られなくなってしまった
リンドウは見た目も綺麗だが、薬効も素晴らしく採取したいのだが、これも自粛している(ただし、種類があり採取には注意が必要です)
 
 







2022/09/30 13:56:16|その他
山の木の実でエメラルドソース‥湘南フレンチ奮闘記・・
昨日はお約束の山です
場所は静岡県の富士山周辺の枯れ沢、幅80メートルほどの水のない砂と岩の沢です
 
それでも近年の雨は異常なほどの雨量で、瞬間的には濁流が発生するようで、水流が砂礫を削り、アメリカのグランドキャニオンのように、渓谷を造形しています
 
そこへ、サルナシの採取に出かけました
今回はランボー(猟犬で相棒)は留守番でした
実はそこに行く途中に、鹿やイノシシ除けの高圧電流の柵があり、以前2回ほど接触し、そこから先には歩かなくなってしまったからです
さすがに、イノシシ除けの高電圧にはびっくりしたようです・・・
 
サルナシはキウイフルーツの原種と言われるだけあり、形も身質もまさにキウイフルーツです
 
ただ外見は緑色で葉の色と同じ、サルナシの木を見つけても、緑の葉の中の実を探さなければなりません
 
サルナシの木は沢の両岸に生えた木に、絡んで成長しています
それを探すのですから、常に首を傾げ上ばかり見ています
首に古傷がある私にとっては、非常にきつい作業なのですが、山では何時も一人でこなさなければなりませんので、チョッピリキツイです
 
沢を遡上し、両岸の木に絡みついたサルナシを見つけると、木に登ったり高枝バサミで実の付いた小枝を切り落として、採取します
 
採取時期は一週間ほど遅く、枝についたまま熟成が始まっていました
熟成したサルナシは、キウイフルーツと同じで積み重ねると潰れてしまいます
ですから、持ち帰るには未熟果の方が耐えられるのです(山道を運びますので)
 
何ヶ所か周り、4リットルほど採取出来ました(6〜7時間かかりました)
店に帰ってから柔らかいものと固い物に分け、柔らかい物はすぐに加工しました
用途はデザートのソースや、魚介のマリネ用ソース用に、裏ごしにかけペーストにしました
味は結構甘いので、ソース用にはさらに味付けをします
小アジのマリネなどに添えると実に相性が良いです
私は「エメラルドソース」と呼んでいますが、手間暇かかるソースです・・・
 
 







2022/09/28 15:27:39|その他
金目鯛の値段‥湘南フレンチ奮闘記・・
金目鯛はお惣菜として、煮付けなどで普通に食べられていた魚だった・・・
と言う話は昔の事で今は高級魚
もちろん大衆向けのランクの魚もあるが、美味しい魚でブランド化した物は、値段の桁が違う
 
今回仕入れた金目は、伊豆稲取のブランド物で、一キロ以上の大物
確かに旨いサイズと太り方なのだが、値段の桁が違う
 
一匹の値段が福沢諭吉が一枚では足らないからだ
確かに美味しい魚だから高いのだが、さすがに包丁を持つ手が震えてくる
 
今冷蔵庫で熟成させているが、金曜日辺りからメニューに載せる予定
円安の影響や資源の枯渇もあり、今後高級魚はますます値が上がりそうな気配がする・・・
 
 







2022/09/25 10:38:19|その他
紅葉‥湘南フレンチ奮闘記・・
まだまだ残暑が続いていますが、山の上では紅葉が始まっています
先日登った山は、丹沢山系の低い所ですが、一部木の葉が色付き始めました
黄色などに混じり、モミジの葉も黄色や青・赤い物も混じり始めました
 
これを見ると秋!だと実感できます
私の狩猟・採取生活も忙しくなりました
 
まずキノコ狩りが待ったなしに切羽詰まった状態ですが、完熟サルナシの実も、
確実に採らなければなりません
 
来月になれば、落葉樹のガマズミの実が完熟しますので、これも採取しなければなりませんし、月半ばには雨が降ろうとやりが降ろうと、富士山のコケモモの採取が待っています
 
毎年、余裕をもって季節を追いかけるように、初めているのですが、いつしか追いかけられる始末です
 
で、今回採取してきたモミジの葉は、デザートの皿を飾ります
ちなみに、今のデザートは「ワインジェリー」です
さわやかなワインジェリーに、小豆発酵アンを乗せ、完熟のサルナシの実とブドウを乗せ、野性化したミントを飾った物です(砂糖は使っていませんが、発酵小豆で甘いです)