フランス厨房 ル パスポート

 
2023/04/01 11:51:13|その他
王様の紅茶‥湘南フレンチ奮闘記・・
今日から4月!山も春真っ盛りで日のさす時間帯は、もう初夏の装いです
木々もすっかり芽吹き始め、野性の茶の木も新芽が膨らんできました
 
そうなると、恒例の茶摘が始まります
茶畑とは違い、雑木林に点在する野生の茶木は樹高も芽吹き方も様々で、日のさす雑木林や陽だまりの場所は、すでに芽が伸びて開き始めています
 
この時期の小さな新芽を摘んで「王様の紅茶」を仕込みます
開いた茶葉よりも優しい香りと味が醸し出されますが、相手が通常の(摘み取り時期の)数分の一、とても小さく作業も時間がかかります
が、開いた葉の紅茶とは一味違う、優雅なお茶が出来ますので、必死に摘み集めます
 
その時期が、来週の週末あたりから始まりますので、今度の定休日は早朝から茶摘作業です
 
順調に行けば、4月半ばには「王様の紅茶」の新茶が楽しめます
ただ、この気温では吸血鬼の「ヤマビル」が、わたしの血を求めて活発に襲ってくるはず!チョイ気が引けます・・・
 
 







2023/03/29 12:39:32|その他
山支度‥湘南フレンチ奮闘記・・
明日は定休日、といっても休養日ではない
お約束の食材の採取日で、喜んでいるのは相棒のランボー(猟犬)だけだ
 
確かに店の中とは違い解放感もあり、あまり時間にも縛られない?ので、嬉しい面もある
 
だが一旦山に入ると「鵜の目鷹の目」で食材を探さなければならない
季節や天候によって、入るヤマも違うし装備も変わる
 
今の時期では、ワラビが終わりそうでフキが出始めた
野草茶のスミレも今が盛だし、その他の野草も多い
 
明日は天候もよさそうで気温も高そう、野生の茶の木も芽吹いているかもしれない
 
早速準備に取り掛かる
先ず靴はゴムの長靴、普段は皮の長靴だが、秦野市の山は吸血鬼の「ヤマビル」が多いので、対策が必要
飽和食塩水をスプレーポットに詰める
ヒルは塩水や酢に弱いので、取りつかれたらシュッと吹き掛けてやれば、ポロリと落ち死んでしまうからだが、革靴では水に弱く劣化してしまうので、ゴム長靴となる
 
後は ナイフ、これは必需品で必ず腰に刺してゆく
標高の低い山でも一人で入ると、何があるかわからない、命を守る必需品
大量の収穫用にネットの袋や、小物用のビニール袋などと、自分用の水1リットルなどを、軍隊用のベルトにつける
 
これで修了で後は明日の運と、自分の忍耐力だけだ・・・
 







2023/03/29 11:00:11|その他
大磯港のアカムツ‥湘南フレンチ奮闘
高級魚のアカムツ、別名ノドグロの方が名が通っている
このアカムツ、一昔前とは格段と知名度を上げ、今では超高級魚だ
 
同じ高級魚でも、黒ムツがある
私はどちらかと言えば、黒ムツの方が好みだが、一般的にはアカムツだろうか・・・
 
このアカムツでもランクがあり、輸入物の格安物から、底引き漁でとれた身がゆるんだもの、刺し網で獲れたもの・・など様々だが、大磯港の「六熊丸」のハエ縄漁で獲れたものが最高だ
まして捕獲後の管理が良く、身質も良いが発色も素晴らしいもの
 
だが、それだけに調理人からも高く評価されていて、値段も特別に高い
 
写真のアカムツは昨日小田原魚市場で競り落としたもので、今日のご予約のお客様のメイン料理となる
 
当初はクエをと考えていたが、この見事なアカムツを見てしまった以上、急きょ変更した
値段は
どちらも高級魚で、市場では優劣付けがたい物で、お味はまず間違いない物だ
切り身にして、皮目パリパリに焼き上げ、中はシットリと仕上げる
ソースは自慢のブイヤベース!材料もイセエビ・クエ・ホウボウ・鯛・・・などで、しっかりとコクがあり、さわやかな仕上げになっている
 
今晩のお客様の反応が目に浮かぶ・・・
 







2023/03/24 10:23:29|その他
野性のタラの芽‥湘南フレンチ奮闘記・・
山も春本番!木々の芽吹きも盛んになりました
木々の芽と言えば、タラの木も芽吹き始めましたが、山の南斜面だけで本格的には、後一週間くらいでしょうか
 
今朝河岸の帰りに里山の用水路によってきました
タラの芽は今が本番!といった感で、先人が採った後がありましたが、私も両の手一杯ほど採取して帰ってきました
 
調理法はやはり天ぷらが王道でしょう
ワラビなどと一緒に盛り付け、オードヴルとしてお出ししようか・・と考えています・・
ちなみに、タラの木には「棘あり」と「棘なし」とあり、今回は幹に棘がない種類でしたが、どちらが旨いか・不味い・・かは、微妙です
 







2023/03/18 13:09:11|その他
雨の日はチーズの仕込み‥湘南フレンチ奮闘記・・
うっとうしい雨が昨夜から続いていますが、こんな天気でも適した仕込みがあります
自家製のチーズを6種仕込んでいますが、設備は一般のレストらと変わりません
むしろスペースなどは劣る環境です
 
チーズのようなデリケートな仕込みで、一番神経を使うのが衛生問題です
牧場から仕入れた原乳も、安全のため加熱殺菌から始めますが、店内の空間も除菌しなくてはなりません
 
といって、大げさなことが出来るわけでもなく、空中のホコリを減らしてやればよいのです
 
普段、特に冬の乾燥期は大量の湯を沸かし、蒸気を室内に充満させホコリを沈下させます
これだけで大分効果がありますし、他の器具類は煮沸して減菌します
雨降りではホコリが湿気を帯び、漂う量が少ないので雨降りは「チーズ仕込み日」となります
 
写真は原乳を加熱殺菌後、冷却・乳酸菌の添加・ぎ乳酵素を働かせて豆腐状になった物、これから型に入れて熟成に入ります