フランス厨房 ル パスポート

 
2023/04/21 12:29:22|その他
手作りの味‥湘南フレンチ奮闘記・・
何にでも挑戦し、作る!が私の持ち味だが、機械化を極力避け手間暇惜しまず・・と、言葉で表すのは簡単だが、老体に鞭を打ちここまで何とかやってきた
 
今の時期は野生の茶木から新芽を採取し、紅茶と釜炒り茶を一年分仕込んでいる
先日パンが底を付き焼いたが、生憎とパン捏ねのミキサーが壊れたままなので、手ごねでやることに
 
パンだけなら何ら問題ないのだが、店の営業は別なので、体力の分散に不安がある
 
パン焼きの前日は河岸の仕入れがあり、朝3時20分に起きている
その日は暇だったので、20時に閉店してパン用の水を汲みに行き、自宅に帰ったのが12時・・・1時半に起きて店に行き、2時には生地をこね始める・・・と言った時間配分で作業を開始して10時半には終了と言った工程だ
 
釜が小さいので、生地の量も小さく数回に分けて捏ね上げる
実際に手で生地をさわり捏ねてゆくと、温度固さなどが直に手のひらに伝わってくる
最初はバラバラだった生地もやがて一つにまとまってきて、弾力を帯びてくる
 
それを湯煎にかけ発酵させると、プックラと膨らみ手を触れると、暖かく赤ちゃんの肌のように弾力がでる
 
それを分割・成形して焼成すると完成するのだが、ミキサーではなく手ごねだと、何時もよりも愛しいパンに焼き上がる気がする
これが手作りの温かさ・・なのでは思う・・
 







2023/04/12 11:35:47|その他
王様の紅茶完成‥湘南フレンチ奮闘記・・
山で採取した野生の茶葉で紅茶が完成した
ヤマビルに襲われながらの採取が一日、揉みこみを経て発酵(茶色)そして完成(黒くなる)
手間暇惜しまずやらなければ出来ない仕事ですが、このお茶に関しては拷問に近い作業が約一か月続く

今日完成した紅茶は、葉が開く前の新芽だけを摘み仕込んだものだが、このほかに葉が開いた物で仕込む紅茶と、釜炒り茶がある

総量は10キロ位になるだろうか
それを山野に点在する野生の茶木から摘み取るのだから、間違いなく拷問的な作業になる

しかも茶木はドンドン成長して、最適な時期はわずか・・・となれば、雨が降ろうとやりが降ろうと作業しなければならない

その作業中に珍客が現れることがある
狸が飛び出すのだ
ガサゴソ移動する私の気配に、数メートル先まで我慢していても、辛抱できずに飛び出すが十メートル位離れると、止まって振り向く
その習性があるために、道路ではひかれてしまう

あと怖いのは蛇だ!
ヘビは私の天敵でどうにも好きになれない
この時期は気温が低めで、爬虫類の彼らの動きは鈍いが、見つけただけで飛び上がり、荷物も放り投げて逃げ去る

この蛇嫌いは父親譲りかもしれないが、とにかく嫌いだ

山の蛇は三種類、青大将・マムシ・ヤマカガシだが、ご存じようにアオダイショウは無毒で非常におとなしい
だが、マムシは鎌首をあげて威嚇しているときは、 要注意で噛まれることもあるが、命の危険はさほどないようだ

最後のヤマカガシは、絶対にちかずかない
毒が非常に強く、マムシはハブの(南の方にいる毒蛇)3倍、ヤマカガシは10倍毒が強いという
わたしの子供のころは、ヤマカガシに毒があるトは知らず、捕まえてオモチャとして遊んでいたもので、学校の女子の机の中に入れて女子が怖がるのを、楽しんだものだった(もちろん怒られましたが)

そんな作業が明日も待っている
定休日なので朝暗いうちに家を出て、明るくなれば作業開始だが、朝露で長靴がぬれると、靴に吹きかけた塩分が流れ、ヤマビルの襲撃もある・・・
長い一日になりそうだ・・・

 







2023/04/11 11:21:18|その他
紅茶の初仕込み‥湘南フレンチ奮闘記・・

今日は初夏の陽気だとか、早朝から気温は上がりっぱなしです
今朝は腰痛のため魚市場は休みましたが、仕事が溜まっており寝てもいられず、日の出とともに起きて里山に行ってきました
 
お目当てはウナギ釣りの餌、ミミズ探しです
ウナギ釣りは3月の入ってから始め、多少の釣果はありますが、まだまだ予約分には追いつきません
 
店に入ってからは、先週里山の雑木林から採取した、お茶の木の新芽の加工です
この新芽はまだ出始めの、葉が開く前の新芽です
ごく細い小さな新芽ですので、一日頑張って採取しても極わずかな量しか集まりませんが、これが貴重な「王様の紅茶」になります
 
自家製の紅茶を仕込みは、たいして難しくはありません
まず茶葉の採取ですが、栽培物は農薬をかなり使い、効率よく採取するために、茶の木を選定して枝先を密に揃えて、機械で刈り込みやすくしてあります
 
一方野生の茶木は、普通の雑木のように気ままに枝を伸ばして、樹高も高くなります
 
お茶に使える葉は、先端から芽吹く新芽だけですので、採取するには枝を手繰り枝先の芽だけを摘み取る作業です
 
これが終われば、作業は半分終わりです
あとはこの茶葉を新聞紙の上に広げ、葉の水分を抜きます
 
ピンと張りつめた芽は、水分が抜けると柔らかくなります
それを両の手の間に挟んだり、まな板の上に広げてこすり上げ、楊枝のような細さまで揉み込みます
 
これが終われば、作業は終わったも同然で、後は発酵です
これも簡単でビニール袋に入れて、暖かい所に放置すれば勝手に醗酵して、茶色くなりますので、頃合いを見て乾燥させれば、見慣れた黒い紅茶に仕上がります
 
簡単でしょう?この細い新芽で仕込んだ紅茶は「王様の紅茶」と呼んでいますが、繊細な香と味で人気があります・・
 







2023/04/09 13:05:14|その他
自家製バター‥湘南フレンチ奮闘記・・
今朝は冷えましたね
冷えるはずです、昨夜山に水を汲みに行ったのですが、峠を越えると道のわきに雪が
 
下界の桜は散り、山の中腹から満開の状態での雪、まさに「花冷え」ですね
今朝の一番の仕込みはバター
 
以前は、原乳を購入して冷蔵庫で一晩静置、翌朝表面に分離した生クリームを集め、攪拌してバターを作っていましたが
残った脱脂乳を持て余してしまい、今は北海道の生クリームから作っています
 
簡単に出来ますが、日持ちがしません
夏ですと3日もすれば発酵を始め、使えなくなってしまいますが、美味しいので止められず、継続しています
 
が、美味しいのも問題で、おもにパンに添えるのですが、パンの旨さをボカシてしまいます
 
添えなければ、バターは?と要求されるし、困ったものです・・・
 
 







2023/04/05 11:58:41|その他
ランボー苦難の季節到来‥湘南フレンチ奮闘記・・
朝晩は冷えますが、日中日が出ると初夏のような日差し、山歩きも腕まくりです
明日は定休日でランボーとお約束の、山での食材採取日、どうやら天気は持ちそうですが、日差しがあればかなり暑いだろうと思われます
 
私は上着を脱いでしのげますが、可哀そうなのは相棒のランボー(猟犬)
一年中毛皮を着、おまけに色が真っ黒!いくら夏毛に着替えても熱いはず
 
真夏の薬草採りのときなど、20キロ位歩くと私よりランボーがへばってしまいます
帰り道日が沈むころにはすっかりばてて、自力で歩けなくなります
わたしも獲物や道具を抱えており、26キロのランボーを抱えられません
 
仕方なく、音痴ではありますが歌を歌い、励ましながら車まで戻ります
犬なのに歩けなくなるの?と、思われるでしょうが、早朝の山では鹿やイノシシの臭いが強く残っていて、それを追いかけて走り回っていますので、昼頃には疲れ切ってしまうのです(冬はさほど消耗しません)
 
いくらランボーを励ますためとはいえ、音痴な声を出したくはないのですが、夕暮れの山には人っ子一人いません、出るとすれば幽霊位でしょう(まだ会ってはいません)
 
で、明日は野生の茶の木から、新芽の摘み取り作業です
まだ時期が早いので、葉が広がる前の段階ですが、これで紅茶や釜炒り茶を仕込むと、まろやかなお茶に仕上がります
 
ですが、野性の茶木から新芽の極小さなものだけを採取するのは、根気と辛抱だけの作業になります
おまけに、この気温では吸血鬼の「ヤマビル」が襲ってきます
 
飽和食塩水で防御しながらの作業は6時間が限度、それでも鞭打って作業を続けなくてはならないので、これは拷問に近い作業です
何とか一か月で終了させ、次の作業に移ります・・・
 
ランボー・・・もう私と同じ爺になりました