フランス厨房 ル パスポート

 
2022/09/06 11:43:15|その他
夏から秋の魚「メイチダイ」・・・湘南フレンチ奮闘記・・
今日も朝から厳しい残暑、早朝の魚市場でもムシムシちょっと動いても汗がしたたり落ちる
あと一か月もすれば秋風が吹くのでしょうが、老体には厳しいですね
 
さて小田原魚市場の魚ですが、今年の夏は何時もの夏枯れ、その中でも魚は獲れた方かな?
例年だと真夏に水カマスが大量に獲れ、シイラやゴッソリと呼ばれるイサキの稚魚が沢山揚がるのだが、それも少なかった
 
ここにきて夏の終わりから秋に向かって美味しい魚「メイチダイ」が揚がりはじめ、値段も落ち着きを見せ始めた
 
今日一尾仕入れて捌いてみたが、腹の中にラードがびっしりと詰まっていた
ラードと言っても、豚の脂ではなく魚が腹にため込んだ脂の事で、私たちは白く固まった脂塊をラードと呼んでいる
 
当然身質も脂が乗っているわけで、実に美味しい
ただし、魚は野締めではなく、活魚で仕入れ血抜き後に神経を抜き、適温で持ち帰った物の事だが・・・
この魚、やはりオードブルの握りずしに使う予定、とにかく美味しい高級魚で、水揚げは、しばらくは続きそうな様子だ
 
 







2022/09/04 11:14:16|その他
カヤの実酒‥湘南フレンチ奮闘記・・
前回の続編です
山に行き、お目当ての物が無ければ諦めて帰る?そんな時間の無駄は出来ません
無ければこの時期この方面で何か採取できないか?と、記憶の引き出しを開け行動します
 
そうしなければ、メニューが埋まらないからです
で、富士樹海方面で石梨を採取しての帰り道、時計を見ながら次なる獲物は、カヤの実
 
カヤとはモミの木のような葉を付けた常緑樹で、山野に自生しています
実は親指の爪位の球状、当たり年には鈴なりに実ります
 
昔はこの実の渋で、漁網などの強化をしていたと聞きます
味はというと、はっきりいって不味いです
第一渋みとヤニ臭さが強烈なのです
 
でも、果実酒に仕込むと、洋酒の「ジン」とよく似た風味になります
果実酒の材料は一般的に、生食できないような食材の方が、仕上がりが美味しくなる傾向にあります
 
梅酒の実が青いのもいい例ですし、他の果実酒も完熟果に未熟果を2割ほど加えると、味が深くなるのと同じ理屈です
 
で、そのカヤの実を採りに出かけたのですが、なんと林道が交通止め!
理由は東名高速道路のトンネル工事のためとか・・
 
目的地は限界集落に続く林道、しかも一車線の細道、歩けば片道30分では着かず、迂回路も怪しい案内図では、この日は断念し次回に回すことにしました
 
もう9月です、10月の後半は富士山に登りキノコとコケモモを採らなくてはならないし、まだ他の木の実の採取も残っているので、時間配分が難しい・・・
 







2022/09/03 13:58:18|その他
和梨の原種「石梨」・・・湘南フレンチ奮闘記・・
昨日の続きの話ですが、石梨を採取してきました
イシナシとは、和梨の原種で山梨県に多い木です
名前は石梨ですが、果実はそれほど固くはないです
梨の中心部の芯が固いですが、その固い部分が全体の果肉です
それを長い年月をかけ、品種改良され今の梨になったようです
 
このピンポン玉位の実、梨と言われるだけあって、割ると果肉から甘い梨の香りが漂い、果汁からは梨独特の甘みが感じられますが、とても生食には向きません
 
でも、果実酒にするととても美味しいい酒が出来上がります
ここ平塚市の近くでは、大山の神社の参道に一本見かけましたが、さすがにそこからは採取出来ずに、あちこち探しまわったあげく富士山の樹海脇で見つけました
 
見つかるまで約3年かかりましたが、それからは2年に一度のペースで採取しています
でも自然の樹木ですので、実付きにバラツキがあり毎回採れる訳ではありません
 
平塚を早朝出発し、2時間半かけて向かっても全く採れない!という事もざらにあります
 
それでも石梨の酒は魅力があり、今年も採取してきました・・・
 







2022/09/02 12:51:00|その他
野草茶「カワラケツメイ」・・・湘南フレンチ奮闘記・・
昨日は生憎の雨空でしたが、山に食材の採取に出かけました
今の時期はキノコが中心ですが、木の実や野草も採取します
 
相棒のランボー(猟犬)と雨中行進です
最初はキノコの下見に静岡県の某所に出かけたのですが、林道の入り口に進入禁止の看板が!これでは入れません
 
一般的に他人の山であっても、キノコを採取するくらいは断らなくても問題はないのですが、進入禁止などと掲示された場合は、どんな屁理屈を言っても入ることは違反です
 
静岡まで行ってダメです!帰ります!では時間の無駄になりますので、急きょ採取物の変更です
 
この時期富士山周辺で、雨が降っていても採れるものは?考えた挙句に候補に挙がった物は三つ
 
一つは「石梨」次に「カヤの実」、三つめは「カワラケツメイ」
時計を見るとまだ9時、ランボーを車に乗せ目的地へ
 
そこは雑木林に隣接している草原、その雑草の中に目的の一つカワラケツメイが自生している
 
以前・・と言っても15年ほど前なら、草原のあちこちに自生していたのだが、開発の波にのまれ草原自体が激減してしまった
 
おそらく、この近辺では最後の群生地かもしれない
そのカワラケツメイは、カヤや雑草の中でも負けずに成長する、たくましい植物だ
マメ科の特徴をよく表していて、キヌサヤのような形状の小さな身を付ける
効能は色々あるが、私は眼精疲労の改善という所に着目し、お茶に仕立てている
 
とりあえず、90p位に成長したものを一握り刈取り、次の目的地に・・・
 







2022/08/31 11:34:29|その他
トロサバの燻製‥湘南フレンチ奮闘記・・

今回はサバの燻製を仕込みました
例年ですと7月末頃の脂の乗った「ゴマサバ」で仕込みます
サバには二種類あり、マサバ・・平サバとも呼ばれる種類と、ゴマサバ・・丸サバと呼ばれるサバです
 
本来ならば、ゴマサバが7月頃から脂が乗りはじめ、マサバは10月頃に脂が乗ります
産卵時期の違いから来るのでしょうね
 
今回はマサバ中心ですが、混じっているようですが、とにかく脂が乗り捌くと身質がピンク色です
 
これだけ脂が乗っていると、塩が入りにくく塩漬時間も長くかかります
通常が二時間かけますが、さらに30分追加で丁度良い塩梅でした
 
この燻製はオードブルになります、野菜のマリネと盛り付けますから、サッパリと美味しく召し上がれます
 
当分ありますが、次回はマサバの脂が乗る10月頃かと思います・・お見逃しなく・・