フランス厨房 ル パスポート

 
2023/01/29 16:18:13|その他
フキノトウのパン‥湘南フレンチ奮闘記・・

早春?と呼ぶにはまだ早い気がしますが、山では木々の芽が膨らんできました
山菜のフキノトウも、ボチボチ顔を出す時期が来ました
 
この時期のフキノトウは、地もぐり・・と呼んでいますが、まだ地表にはでていません
斜面の霜柱や枯葉に覆われた場所で、去年のフキの枯葉を頼りに探します
 
ナイフで地表を撫でまわすようにして、枯葉の痕跡を探し小さな蕾を切り取ります
小さなフキノトウはアクが強く、そのままでは使えませんので、水に放しあく抜きを行ってからの調理です
 
今回はサッと湯でこぼしてから刻み、パン生地に練り込みました
このパンの出番は、コースの始りのオードブルからです
この位置ずけのパンは、遊び心のパンで季節ごとに変わりますが、この後は魚はさかな用のパン、肉は肉用・チーズにはチーズ用のパンを添えます
 
余談ですが、このパンは「ルバン種」と言って、小麦に水を加えて発酵させた種で、使えるまで活性化させるのに、日数が必要です
 
失敗するとパンが欠品となってしまうため、必ず種を残します
活性化した種であれば、最初から作るよりも短い時間で増やせるからです
 
仕込みの時間が制約される中での事ですので、保険として毎回少量の種を残して作業しています・・・
 







2023/01/24 11:57:32|その他
まぼろしの「赤座エビ」・・・湘南フレンチ奮闘記・・
相模湾は魚の宝庫!と言われた時期があったが、今はその面影もない・・
日本に生息する魚介の80パーセントがいると言われ、事実甘エビやボタンエビまで獲れる
 
今回は赤座エビ、深海に生息する高級魚で、セリ値はイセエビをはるかに超える、超高級エビだ
 
39年前からのお客様はご存じだろうが、以前はこのエビで一世を風靡し、業界に名前が出たいきさつがある
 
当時の自然食ブームもあり、このエビ料理と自家製のチーズとパン、そしてジビエで平塚の片隅でも、他県からの来客で賑わった
 
それが海の荒廃や、漁師の他界などが重なり、独占的に入荷していた赤座が止まってしまい、集客に苦労したものだ
 
今回は、小田原の国府津の刺し網に掛かったエビが、セリに掛かった
国府津の海は、沖に出ると急に深くなり深海の魚が潮流に乗り、浮き上がって刺し網に入るという
 
では、このエビの値段は?と言うと、セリ値で1キロ当たり13000円で私が落札した
イセエビなどと比べても段違いだが、これでも競争相手が少なかったから落札できたのであって、20000円位までは覚悟して臨んでいた
 
この値段はあくまでも競り落とした値段で、これに税金と手数料が加算される
とてもメニューには組み込めないので、早い者勝ちで仕入れ原価で提供する予定です・・・(お味は上品な甘さがあり、イセエビが王様なら赤座は女王様)
 







2023/01/23 11:40:26|その他
アワビは絶滅危惧種?‥湘南フレンチ奮闘記・・
アワビには数種類あり、私は黒アワビを買い付けている
黒の方が身質が密で味わいも深く、セリでも高値が付いている
 
所がこのアワビ漁獲量が激減している
主な要因は海が瘦せてきているからだという
アワビの主食は「カジメ」という海藻だが、海も温暖化が進み汚染も進んできている
 
そのため主食の海藻が育たず、激減してしまったようだ
 
以前にも「磯枯れ」といって、海藻が枯れたなくなり、再生させるために海に石を投入し、海藻を育てる試みが行われたが、成果は芳しくなかったようだ
 
そのため、従来の保護のための禁漁期間のほかに、間をあけ禁漁を設けているが、それだけでは追いつかないようだ
 
当然セリ値は上がる一方で、まして実が厚く元気が良い・・となれば、さらに値が上がってしまう
 
来月2月からは産卵期のため禁漁になるが、禁漁明けのアワビは身が痩せていて、とても食べられたものではない
 
なので、今月いっぱいの扱いになりますので、ご予約をお願いします・・写真はアワビのステーキ、肝のソース
 







2023/01/22 10:56:00|その他
真鯛‥湘南フレンチ奮闘記・・
この時期相模湾の魚は「冬枯れ」の状況が続いている
魚種も少ないが、全体の水揚げが極端に少ない
 
当然セリ値は上がる、ない物ねだり・・という現象だ
少ない漁獲量でも、素晴らしい物もある
 
丸々と太ったホウボウ・・当然ながら値段は並魚の2〜3倍はするが、実に美味しい!
 
今回真鯛、型も良く太りも良い
が、残念なことに活魚ではなく生き締め状態での出荷だった
 
そのため、生では使いたくないが、焼き物では最高に良い状態だと判断し、
思わず高値で競り落としてしまった
 
読みに外れはなく、最高の身質でした
皮目はパリッと焼き上げて使います
ソースは魚の旨味をギュッと濃縮した、軽いクリーム系で付け合わせは秦野市の青梗菜、美味しいです・・
 







2023/01/20 13:58:00|その他
マグロのスープ‥湘南フレンチ奮闘記・・
早い物で1月の20日!もうすぐ2月ですね
先週に下見をした野生のシイタケですが、残念ながら一日遅れでライバルに採られてしまいました
 
もしも私の方が早ければ、かなりの収量があり早春のスープ!と決めたかったのですが、負けました
 
それでも私はプロ(自称)手ぶらでは帰ってきません、両手に軽く一杯は収穫しました
 
で、今回は「マグロとジャガイモ」のスープです
マグロは刺身で食べるような上等なものではなく、筋がキツイ尾身の部位です
 
その方が旨味が出るからです
固い筋も火が通れば、トロケテしまいますし筋から旨味が出ます
 
シンプルに仕上げましたが、マグロとジャガイモがお互いの味を引き立たせています・・・