フランス厨房 ル パスポート

 
2023/01/14 10:35:09|その他
待望の雨!‥湘南フレンチ奮闘記・・
やっと雨が降りましたね、私にとっては待ちに待った雨です
雨が降って喜ぶのは私と農家か消防署・・位でしょうか?
 
この雨、雪だったらもっと嬉しかったのです、雪ですとジワジワ時間をかけて解けますので水分が長時間供給されるからですが、交通障害などが出ますので、雨
でも良し!という感じです
 
と言うのは、山に狩猟に出かけて思も、地面がぱさぱさで乾燥しきっているのです
気の早い雑木は一部で芽が膨らんできました
春はまだ遠いのですが、自然の木々はもう芽出しの準備をしているのです
 
山菜でお馴染みの「フキノトウ」もまだ地面の下で固いままです
もう少し日差しが強くなり、雨が地面に湿り気を与えれば、ぷっくりと膨らんできます
 
山のシイタケも年が明け、倒木の樹皮を破り顔を出したのですが、このカラカラの陽気では膨らみ切れずに、雪や雨の水気をまっている状態です
 
今日の気温は冬にしては高め!これに雨の水分が倒木の芯まで浸透すれば、多少の寒さであってもシイタケは成長します
 
後は、採取状態まで成長したシイタケを、他人よりも早く採るという競争ですが、これが難しい・・・
 
場合によっては相手が早朝に登るのであれば、前夜に八墓村スタイルで向かうしかありませんが、斜面を登りますので滑落が心配です
体が若人のように柔らかくなく、足を踏み外すことがしばしばあるからですが、食材確保のためなら行きます・・
 







2023/01/13 11:44:12|その他
大羽イワシが‥湘南フレンチ奮闘記・・
漁も猟も一夜にして変わってしまう、例年のように何時ものように・・・などということはない
今日の小田原魚市場では、大羽イワシがトン単位で入荷した
たしか去年も今頃の時期に獲れたが、わずか二日ほどで姿を消してしまった
今回も幾日採れるかわからないが、とにかく脂がのり丸々と太っていた
 
イワシは大きさで三段階に名前が変わる
小さい15p位のものはヒラゴと呼ぶが、脂の乗りはなくても新鮮であれば美味しい
20pを超えればチュウバイワシ、それ以上大きなものを大羽イワシと呼ぶ
 
中羽イワシ位になると、脂が乗り卵も抱いている
 
今回は丸々太った大羽イワシを手に入れた
三枚におろし小骨を抜いてから、軽く塩を打ち酢で絞める・・・
オードブルの握り寿司のネタになる
 
とにかく、美味しい・・・
 
 







2023/01/11 12:18:58|その他
珍味?ホウボウの浮袋‥湘南フレンチ奮闘記・・
今回はホウボウと言う魚
海底を這うように移動、水揚げされると「ボウボウ」と鳴き声?を出すというので、方々這いまわる・・ボウボウと音を出す・・と言うのが語源だと言われる魚です
 
身は白身で大変美味、刺身でも煮つけでもよくブイヤベースなどにも使われます
大きな300グラムを超え、丸々と太った物は超高値での取引です
 
私は主に握り寿司のネタに、又ブイヤベースに使いますが、中落の頭や骨からも美味しい出汁が出ますので、捨てることなく使い切ります
 
内臓は捨てますが、浮袋だけは珍味の材料です
魚の中には浮袋のない物もいますが、方々は写真のようにしっかりとした浮袋があります
 
一匹に一個しかありませんので、運の良いお客様にしかお出しできませんが、結構美味です
 
食べ方は簡単に済ませるならば塩焼きです、手に入った方は是非挑戦してみて下さい
 
珍味と言えば「ボラのへそ」もあります
ボラは魚類なので、へそは存在しませんが、ヘソと呼ばれる部位があります
 
胃から十二指腸に繋がる部分に、そろばん玉を大きくしたような塊があり、私は30年ほど前に、漁師さんから教わりました
 
これはカラスミなどを仕込むときに、大量のボラを買いますので、卵の副産物として利用します
 
食べ方は焼くか湯でこぼして、三杯酢で和える・・などが一般的です
 
店では?と言うと時間があればやりますが、大概時間に追われていて、そこまでは手がまわらず、断念しています・・・
 
 







2023/01/10 11:36:50|その他
天日干しでカラスミの仕上げ‥湘南フレンチ奮闘記・・
カラスミを干しあげるには、最高の日差し
秋の強い日差しではないが、この時期なので妥協しなければ・・・
 
写真のボラの卵は12月に買い付け、塩漬けにしておいたものを、塩抜きをして干し始めたもの
 
日差しはやや弱いが、空気は乾燥しているので、上手く行きそうだが何日で仕上がるのか?真冬に仕込んだことがないので不安もある
 
カラスミと聞くと台湾産が有名で、旅行ついでに買う方も多い
 
この「カラスミ」の由来だが、昔の唐の国の墨に似ているからと聞く
習字に使う墨のことだ
 
カラスミはボラの卵から仕込むのが一般的だが、鰆でも作れる
私は以前本カマスの卵を集め、仕込んだことがあるが結構おいしく仕上がった
今は販売禁止になった「アブラムツ」でもできるらしく、台湾では仕込むという話だ
 
とにかくカラスミは「日本三大珍味」と言われるだけあって、美味しいが高価なもので、なかなかメニューには組ずらいが、自分で仕込めば何とかなる
 
タマゴだけを取り出したものは、仕込みは簡単だが高いもの
だが、魚市場で魚ごと買い付ければ、はるかに安く仕込める
ただし、開腹しなければ状態が判らないので、博打ではあるが・・・
 
 
 
 
 







2023/01/09 11:47:57|その他
カラスミ用のボラが‥湘南フレンチ奮闘記・・

海の異変が続いている
魚種は毎年のように豊漁不漁がある、これはさして問題はなく、一気に増えることもあれば、全く獲れなくなることもある
 
今回はボラに付いて話したい
カラスミは一般的にボラの卵で作られる
 
タマゴを抱いたボラが取れるのは、以前・・と言っても30年前位では、秋口9月半ば頃からだった
 
いくら卵を抱いていても、未熟な小さなタマゴでは加工できないし、又熟しすぎて放卵時期の卵でも作れない
 
丁度良い卵を抱いたボラが価値がある
 
所が今回は1月の6日になって、丁度良いボラが獲れた
魚体も大きく全部で9尾!腹の中は目視できないが触った感触で確信が獲れたので、全部買い占めてみた
 
結果は全部加工可能な状態で、金額はそうとうなものだが、上手く仕込めれば数倍の価値が生まれる
 
写真は魚卵の血抜きが完了し、塩漬けの状態で長い時間寝かせ、熟成させる
 
この時期の魚は全体的に脂が乗っているので、当然このボラも脂がある
何時もなら魚体の方は価値がゼロなのだが、もったいないので燻製に仕込んでみた
 
今は外気が低いので、時間がかかるが燻煙器(自家製)にかけている
仕上がれば、オードブルとしてお出ししたい・・・
 
・・・今回の買い付けでカラスミ用のボラは秋口・・という既成観念が壊された、地球温暖化の影響も環境破壊の影響も考えられるので、今までの観念を捨て柔軟な発想に従って仕事をしなくては・・・と、良い勉強になりました