フランス厨房　ル　パスポート

暑い！今年も暑い夏がやってきましたね、しかも「空梅雨」雨だ極端に少ない年でした
川の水も極端に減り、山も水気がなくパサパサの土です
 
当然野草も元気がなく、それでなくとも真夏は種類が少ない時期、困ってしまいます
写真は「スベリヒユ」という野草です
こいつは結構乾燥や日照りに強く、生えてはいますが、やはりミズミズしさは掛けます
 
このスベリヒユは、ここら辺では食べる食文化はありませんので、雑草扱いですが日本でも島では食べますし、外国のギリシャなどでは食用になっています・・・
 

暑いですね、この陽気では火を使う仕込みは嫌なのですが、そうもいかず今回はオーブンでの仕込みです
夏野菜の代表格に茄子があります
茄子は品種も多く世界では数千種あると聞きますが、日本にも６００種ほどあります
今回は極普通にみられる茄子ですが、近隣の農家の方が5キロ届けてくれました
 
私的には真夏の茄子は、デザートに加工し秋ナスをオードブルに加工します
ですが、時期的に中途半端なので、オードブルにしました
 
茄子は皮をむき、均一にスライス
オーブンを中火にし、茄子を焼き乾かします
 
それをマリネ液に漬け込み、一晩寝かせれば完成・・・簡単に仕込めます
味付けはオイルとマスタード・塩・砂糖・唐辛子・ニンニク・白ワインと自家製のアンチョビー・・・これだけで長期保存のきくオードヴルが完成します
 
簡単でしょう？今回は小さく盛り付け、アミューズ・・一口のオードヴルにします、和食でいう突き出し的なものです
 

アカゼ・・・正式にはアカゼムロアジと呼びます
この魚、ムロアジの仲間ですが体に金色の帯が走り、とてもきれいな魚です
 
一般的に魚にはそれぞれの美味しい時期、旬がありますがアカゼはほぼ一年中脂が乗り、美味しい時期が続く魚です
 
今小田原魚市場に水揚げされています
写真の魚は、二宮の定置網で獲れた魚で、漁師の昔からの〆方「首折」で処理されたものです
 
非常に美味しい魚ですが、やはりムロアジ系で身質が柔らかく、日持ちがしません
それでも、市場で見つけると手に入れてきます
 
今回もオードブルの鮨ネタとして使います
真夏でも、旬の魚やおいしい魚は手に入ります
ご予約でご来店ください・・・
 

赤甘鯛・・・超高級魚として知られています
実は小田原漁港にも地物が揚がるのです
 
主に刺し網漁で掛かることが多いのですが、今回は二宮の定置網に入ったのです
しかも一見真鯛？かと、見間違える位の縦幅のある魚体です
 
当の定置網の漁師も、思わず目を疑ったそうですが、大物１．４キロと１．６キロ物
しかも肉厚で尾身の方も幅があり肉厚なのです
 
それを見てしまった以上、何としても買わなくては・・・と言ってもライバルは沢山おります
それを手に入れるには、セリで勝つしかありません
まともに張り合えば、セリ値は青天井・・・どこまでも制限なく上がりますので、ここは話し合いで、有る程度の道を付けてからの競り合いとなりました
 
魚を取り囲む買い受人は（私も含め）十数人、少なく感じるかもしれませんが、一般の魚と違い欲しがる人が限られるので、少数の競りあいとなるのです
 
通常の甘鯛の上物の相場の、その上の値を付けての開始です
一桁上の提示ですから、後を追うものはおらず落札、しかも大きい方の1．6キロを買いました
 
ただ一抹の不安もありました
腹が大きく膨らんでいるからですが、私は脂が乗り腹の中に脂の塊（私たちはラードと呼びます）があると踏んで、大きい方を選びました
 
私の読みは当たり、腹の中はラードでした
これはメイン料理に使います
表面をカリカリにポワレして、濃厚で酸味のあるトマトソースです
 
ご予約でご来店ください・・お待ちしております
 

暑い！ですね、アイボーのランボー（猟犬）もへばっています
夏魚と言えば、スズキが旬です
スズキと言っても「丸」の方で、平スズキの旬は秋から冬なので、入れ替わっています
 
今日は小田原魚市場に2匹揚がりました
野締めや地方から送られてくる物は別、あくまでも地魚の活魚です
 
私が選んだ方は、魚体の鱗が少々剥がれ、見た目は今一でしたが丸々と太っていました
もう一匹の方は魚体は綺麗でしたが、やや細身なので前者の方に的を絞り、強気に値を上げセリ落としました
 
読みが当たり身質も最高！これはブイヤベースにします
 
今日のメイン料理は、スズキとハモ、舌平目のムース詰めと天然ウナギです
肉は黒毛和牛のステーキにイノシシのシチュー・・どれを選んでも抜群の旨さです・・・