今週の詩(うた)――詩の音読集より
おくりもの うめさと みゆき
ばあちゃんの名前は、太陽の「陽子」さん ぼくの給食ぶくろも ペンケースも みんな みんな ばあちゃんの手作り 入院した時、お見まいに行くと ばあちゃんは うれしそうにニッコリ笑った けれども、きゅうに しょんぼりして 「はあ なっても けるもの ねぐなってし まったおん」 ばあちゃんは そうつぶやいた 「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ」 ぼくは、あわてて そう言った
秋らしいすみきった青空の朝 ばあちゃんが 死んじゃった だけど、ばあちゃんは 気もちよさそうに すやすや ベッドで ねているだけに見えた 病室には 太陽の光がさしこんでいた ばあちゃんは もういない でも、ぼくの中には ばあちゃんに もらったものがいっぱい それは、ずーっと ずっと いつまでも
詩の音読集 風の ささやき (社)日本児童文学者協会・付設 少年詩・童謡・詩論研究会 |