20歳になりますと、学生さんでも公的年金に加入しなければなりません(20歳の誕生日の前日が属する月から)。 通常学生さんの場合は国民年金(第1号被保険者)に加入することとなり、保険料は21年度は 14,660円を毎月々納付する必要があります。 といってもアルバイト程度で所得の少ない学生さんがほとんどですから、そうした学生さんの為に 平成12年4月からスタートしたのが、保険料納付を猶予してくれる「学生納付特例制度」です。
【制度概要】
<対象者> 下記(1)と(2)を満たす方 (1)学校教育法に規定の大学(大学院)・短期大学・高等学校・高等専門学校・専修学校、厚生労 働省令で定める各種学校(修業年限1年以上、私立は知事の認可を受けた学校)・海外大学の 日本分校、その他教育施設に在学中の方(含む、夜間・定時制課程・通信課程)
(2)所得基準(申請者本人のみ) 118万円+(扶養親族等の数×38万円)+社会保険料控除等 以下の方
<手続> (1)申請場所 a)在学する大学等(在学する大学が学生納付特例事務法人の指定を受けている必要があります) b)住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口(郵送でも受け付けてくれます)
(2)申請時期〜卒業する人、留年する人、夜間・定時制、通信制など学生さんはさまざまにつき、単 純に年齢や在学年数だけでその年度が学生であるかどうか社会保険庁は判断できないため、該 当する人は毎年度申請が必要です。 a)年度途中の申請〜申請月の前月から、その年度の末日(3月31日)までの期間、既に納付され たものや前納されたものを除き、特例の対象となります。 b)新年度分(21年度分)は別途申請が必要です。
(3)手続きに必要なもの a)年金手帳または基礎年金通知書(初めて国民年金の資格取得するひとは不要) b)在学証明書または学生証など学生であることを証明できるもの c)前年の所得状況を明らかにできるもの(課税証明書・源泉徴収票・確定申告書など) d)退職(失業)した方が申請を行うときは、退職(失業)したことを確認できる書類(雇用保険受給者 証、雇用保険被保険者離職票等の写しなど)
<効果> (1)老齢基礎年金を受け取るためには原則保険料の納付済期間等が25年以上必要ですが、この 特例制度の承認を受けた期間は25年の中に含まれます。但し、老齢基礎年金の額の計算対象 期間には含まれませんので、将来満額の老齢基礎年金を受けるためには、10年間のうちに保険 料を追納する必要があります。
※保険料の追納制度〜本件「学生納付特例制度」のほか、保険料の全額免除や半額免除等の 承認を受けた人が、老齢基礎年金を受給する時に満額またはそれに少しでも近い額を受けら れるよう、後日全部または一部につき納付する事ができる制度です。追納できる期間は承認を 受けた日の属する月前10年以内の期間に限ります。 そして、免除月が属する年度の翌年度または翌々年度中に追納すれば加算額はなく、3年度 目以降に納付する場合は政令で定める額が加算されます。 因みに、単なる未納の場合は納付期限から2年以内の保険料しか納付できませんのでご注意 を!。
(2)障害や死亡といった不慮の事故が生じた場合、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給される可 能性があるわけですが、その際保険料納付要件が問われます。それは(a)事故発生月の前々月 までの1年間保険料の未納が無い、又は(b)事故発生月の前々月までに保険料を滞納した期間 が3分の1以上無い場合であり、この「学生納付特例」の承認を受けている期間は保険料納付済 期間と同様の扱いになりますので、万一の場合に安心です。
さて、今回はこんなところですが、保険料納付の基本は世帯主の責任です。ただし世界的な不況の折、学費等負担も大きい時期ですから積極的に利用されることをお勧めします。そして本人が卒業して収入が得られるようになったら、自分で追納するのが理想です。 特に激しいスポーツをしている学生さん!未納があったら大至急納付の上、「学生納付特例」の申請をしておくことが得策ですぞ!! |