年金関係コンサルタント

「遺族年金」「マクロ経済スライド」など年金に関する問題を解りやすく解説しております。 法改正など、年金に関する最新情報をお届けすると共に、年金に関する基礎知識を提供し、ご来場の皆さまに年金への理解を深めていただきたいと考えています。 また、社会保険労務士を目指して勉強中の皆さまにも、お役に立つ情報をお届けして参りたいと思います。 年金に関するご相談はもとより、労働問題も幅広くご相談を承っております。 どうぞ、左記「さかえ社会保険労務士事務所」宛て、お気軽にご連絡下さい。
 
2009/04/21 12:03:36|その他
今年120万円近いバイト代になる可能性があるが、「学生納付特例制度」の利用はできるか?
大学2年生の息子さんをお持ちの、お母様からのご質問です。


ご質問の内容は

今年20歳になる息子のことですが、大学生2年です。
アルバイトの関係で今年度120万円近いバイト代になる可能性があります。この場合でも「学生納付特例制度」の申請をしても大丈夫でしょうか?
妹もいますので今、一番お金のかかる時期ですので、息子が卒業してから支払いをしたいと思っていましたが…。


とのことです。

結論から申し上げますと、申請可能です。

申請に必要なのは、『昨年の所得に関わる証明書』ですから、昨年の所得が 118万円+社会保険料控除等(扶養家族なしという前提です) 以内であれば認められます。

今年の所得は来年の申請に影響しますが、給与所得118万円というのは給与(アルバイト)収入金額から経費に相当する給与所得控除額(給与収入が162.5万円までは給与所得控除額は65万円)を差し引いた額が118万円以内ということですので、アルバイト収入のみ120万円程度ということであれば十分その範囲内に納まりますので、来年も可能と思われます。

尚、今月中(4月中)であれば、前年度(20年度)の保険料納付猶予も間に合いますので、もし、20年度分で未納額があれば至急手続きされることをお勧めいたします。







2009/04/21 10:11:33|その他
学生の保険料納付猶予制度について(学生納付特例制度)
20歳になりますと、学生さんでも公的年金に加入しなければなりません(20歳の誕生日の前日が属する月から)。
通常学生さんの場合は国民年金(第1号被保険者)に加入することとなり、保険料は21年度は
14,660円を毎月々納付する必要があります。
といってもアルバイト程度で所得の少ない学生さんがほとんどですから、そうした学生さんの為に
平成12年4月からスタートしたのが、保険料納付を猶予してくれる「学生納付特例制度」です。



【制度概要】

<対象者>
下記(1)と(2)を満たす方
 (1)学校教育法に規定の大学(大学院)・短期大学・高等学校・高等専門学校・専修学校、厚生労
   働省令で定める各種学校(修業年限1年以上、私立は知事の認可を受けた学校)・海外大学の
   日本分校、その他教育施設に在学中の方(含む、夜間・定時制課程・通信課程)

 (2)所得基準(申請者本人のみ) 
   118万円+(扶養親族等の数×38万円)+社会保険料控除等 以下の方


<手続>
(1)申請場所
 a)在学する大学等(在学する大学が学生納付特例事務法人の指定を受けている必要があります)
 b)住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口(郵送でも受け付けてくれます)

(2)申請時期〜卒業する人、留年する人、夜間・定時制、通信制など学生さんはさまざまにつき、単
  純に年齢や在学年数だけでその年度が学生であるかどうか社会保険庁は判断できないため、該
  当する人は毎年度申請が必要です。
 a)年度途中の申請〜申請月の前月から、その年度の末日(3月31日)までの期間、既に納付され
  たものや前納されたものを除き、特例の対象となります。
 b)新年度分(21年度分)は別途申請が必要です。

(3)手続きに必要なもの
 a)年金手帳または基礎年金通知書(初めて国民年金の資格取得するひとは不要)
 b)在学証明書または学生証など学生であることを証明できるもの
 c)前年の所得状況を明らかにできるもの(課税証明書・源泉徴収票・確定申告書など)
 d)退職(失業)した方が申請を行うときは、退職(失業)したことを確認できる書類(雇用保険受給者
   証、雇用保険被保険者離職票等の写しなど)

<効果>
(1)老齢基礎年金を受け取るためには原則保険料の納付済期間等が25年以上必要ですが、この
  特例制度の承認を受けた期間は25年の中に含まれます。但し、老齢基礎年金の額の計算対象
  期間には含まれませんので、将来満額の老齢基礎年金を受けるためには、10年間のうちに保険
  料を追納する必要があります。

  ※保険料の追納制度〜本件「学生納付特例制度」のほか、保険料の全額免除や半額免除等の
    承認を受けた人が、老齢基礎年金を受給する時に満額またはそれに少しでも近い額を受けら
    れるよう、後日全部または一部につき納付する事ができる制度です。追納できる期間は承認を
    受けた日の属する月前10年以内の期間に限ります。
    そして、免除月が属する年度の翌年度または翌々年度中に追納すれば加算額はなく、3年度
    目以降に納付する場合は政令で定める額が加算されます。
    因みに、単なる未納の場合は納付期限から2年以内の保険料しか納付できませんのでご注意
    を!。


(2)障害や死亡といった不慮の事故が生じた場合、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給される可
  能性があるわけですが、その際保険料納付要件が問われます。それは(a)事故発生月の前々月
  までの1年間保険料の未納が無い、又は(b)事故発生月の前々月までに保険料を滞納した期間
  が3分の1以上無い場合であり、この「学生納付特例」の承認を受けている期間は保険料納付済
  期間と同様の扱いになりますので、万一の場合に安心です。


さて、今回はこんなところですが、保険料納付の基本は世帯主の責任です。ただし世界的な不況の折、学費等負担も大きい時期ですから積極的に利用されることをお勧めします。そして本人が卒業して収入が得られるようになったら、自分で追納するのが理想です。
特に激しいスポーツをしている学生さん!未納があったら大至急納付の上、「学生納付特例」の申請をしておくことが得策ですぞ!!







2007/09/01 17:43:57|その他
厚生年金未加入の会社への対処方法はあるのか?
aipi様からのご質問に対する回答です。

ご質問内容は

『夫は、本来厚生年金に加入しなければならない会社(法人)に勤務していますが、会社は加入してくれません。
社会保険事務所に連絡しても「会社さんの都合もありますから」「会社の判断を待つ」というつれない返事、それから3年経った今でも状況は変わっていません。何か良い方法はないでしょうか?』


とのことです。

結論から申し上げますと、すぐには難しいと思います。

会社(法人)は本来、年金や健康保険は強制適用事業所ですから、有無を言わさず加入しなければなりません。
ただ、手続き面で「新規適用届」というのを社会保険事務所に提出することによって加入が成立します。
現行法では未加入による罰則がありませんので、業績不振などで保険料の半額負担を嫌がる事業主は、それをよいことに知らん顔をしているところも少なくありません。
国民年金のみならず年金財政はいずこも厳しいわけですから、社会保険事務所はもっと積極的に動けばよいのですが、そもそも事業主が年金保険料の半額負担をすること自体納得できないという考え方も成り立つことから、制度そのものが問われる問題でもあります。
そんなことから、社会保険事務所も積極的に動けないところがあるものと思われます。
それでは社会保険事務所は何もやっていないのかというとそうでもなく、現在下記のことを実施しています。

1.加入奨励状の送付
2.社会保険労務士さんへの委託による、巡回説明と加入促進
3.従業員規模5名以上の事業所から優先して、社会保険事務所への呼び出しによる指導
4.戸別訪問・電話・奨励状等による繰り返し指導
5.職権指導


となっています。

最後の手段「職権指導」は立ち入り検査をするのですが、社会保険事務所の体力からして一定規模以上の事業所に限られています。
ここで初めて「新規適用届」「被保険者資格取得届」などを職権で起票し、加入手続きが完了します。
その後に保険料が納付されないなどの場合は、督促・滞納処分など国税や地方税の例によって処分することができるようになります。

というわけで、aipi様のご主人様がご勤務される会社の従業員規模がどの程度か判りませんが、従業員5人未満だとなかなか番が回ってこないかもしれません。
ましてや年金不払い問題で多忙な社会保険庁ですから、当面期待できないと思います。
とはいっても何もしなくては先に進みませんので、社会保険事務所ではなく上位組織である社会保険庁HPなどから直接訴えるなど声を大にしていく必要があると思います。

以上、お役に立てませんでしたが、ご参考になればと記述させていただきました。







2007/03/31 16:03:36|その他
「還暦母の息子」さまへ〜保険料納付25年未満で年金受給資格がない60歳以上の方への対処方法について
“還暦母の息子”さま
ご質問ありがとうございました。


ご質問の内容は

「昨年60歳になられたお母さま(昭和21年生まれ?)が、年金受給手続きに行ったところ、保険料納付済期間等が25年に満たなかったため、受給資格がないといわれた。少しでも受給できる方法はないものか」

とのことです。

方法は、「任意加入という制度を利用して保険料を納付し続け、25年の資格を満たすこと」なのですが、問題が一つあります。
それは、最長70歳に達する直前までしか任意加入できないことです。
従って70歳に達する直前まで保険料を納付し続けて、25年の資格を得られるかどうかです。
裏を返せば、今まで少なくとも15年以上保険料納付済期間等がある必要があります。

お母さまが独身OL時代等に厚生年金に加入していた期間や、昭和61年4月前のお父さま(サラリーマンでなければいけませんが…)と結婚して専業主婦だった期間など25年の中に算入できる期間を再度見直し、計算してみてください。

それでもだめですと、「残念ながら…」ということになってしまいます。

尚、任意加入につきましては65歳以上(任意加入の特例)になりますと、25年の受給資格が得られた段階で任意加入の資格は喪失します。







2006/12/26 22:20:05|その他
追納保険料の所得控除について
今回は、「大学を卒業した後、一般企業に就職し保険料を追納した場合、控除を受けられると思うのですが、その金額や注意点などを教えて下さい」という『飯田ダコツさま』のご質問にお答えさせ戴きます。

ご指摘のとおり、「学生納付特例制度」を利用された方が、国民年金保険料を追納した場合、納付保険料全額が所得から控除できます。
特例期間の承認を受けた年度から起算して3年度目以降に追納する場合、当初の保険料に加算額が上乗せされますが、その金額も控除対象になります。(税務通信No2823)

手続きは、給与所得者の場合年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」で行います。

注意する点は申告書裏面に保険料を納付した旨の『国民年金保険料控除証明書』の貼付が必要なことです。
証明書は10月2日以前に納付したものは11月上旬に社会保険庁から送付されますが、それ以降の納付の場合翌年2月上旬に送付されることとなりますので、その場合は領収書を代用して貼付すると良いでしょう。

他に注意点は思いつきませんが、何かあればお調べ致しますのでご指摘ください。