有り余る時間を楽しく過す極意を知った友人らとの交流の場。 環境にやさしい趣味の世界へどうぞ。 趣味は現役の時から持つと人生が倍に楽しめます。
 
2010/02/23 23:15:43|竹とんぼとの苦闘
羽根の加工・・・ピッチの取り方・・・回り続ける羽根を夢想して
 (前回までの表現では回り階段でしたが、螺旋階段とのコメントを頂きましたので修正します。)
 
 螺旋階段のステップを竹とんぼの羽根と考え、三角形の素材から削りだす面を構成する任意の線分を表すと、図ー1の赤線となります。どの線分の位置でも一回転したときに進む距離は一定です。コンスタントピッチといわれます。

 図ー2の青線は、翼端に向かって厚さを落とし、軸心から翼端に近づくに従いピッチを小さくしている作り方で逓減ピッチといわれます。

 図ー3の青線は、翼端に向かって厚さを増し(逆に言えば、中心側の厚さを薄くし)
翼端に近づくに従いピッチを大きくしている作り方で、逓増ピッチといわれます。

 図ー4は伝統竹とんぼの大半がこのように、軸に近いところでも翼端付近でも同じ角度を保った削り方をしています。
これは、翼端に近いほうのピッチが大きくなる逓増ピッチに類するものです。
 







2010/02/09 20:38:34|竹とんぼとの苦闘
羽根材の作り方・・・・教材の調達・・・・話がそれてすみません

 教材用の材料は夜なべ仕事で厚さ調整をします。
 板の作り方は競技用も教材用も同じ工作過程を経ます。
 数が多いので少しの合間時間にぼちぼち加工します。夜中に自室にこもり一枚ずつ音を立てない様に割ります。屋外で使用する割り台とは別に、室内用の小型でゴミ受け機能を有した小道具が活躍します。
 写真は、室内用割り台、電工ナイフ、ゴムハンマー、ゴミ受けの箱です。割り台の下には吸音吸振の目的で厚さ20mmのスポンジを敷いてあります。
割り台の片隅には、素材が横滑りしないように木片を取り付け、幅決めの赤線マークをつけています。この小道具一式を膝の上に載せ飽きもせずこつこつと割り続けています。

 湘南・平塚支部を立ち上げた当初、竹とんぼ教室の依頼が多くなり準備に追われたことがありました。現役でしたから土日の時間だけでは足りなくて、夜中の閉じこもり作戦となりました。竹とんぼを作る過程で一番単純で手間が掛かるのが素材の板取です。飽きることなく出来たのは、竹をいじることや数がまとまる喜びが感じられたからでしょう。また教室用とはいえ、バランス調整をした竹とんぼを大の大人が喜んで飛ばす様を想像することがまた楽しかったからです。
次回の納涼会ではあの鬼常務に試験飛行をお願いし、好々爺の笑顔を引き出そうなどと企んでいました。
 
 先輩から竹材の購入の話が持ち上がり、90mm長さの羽材は島根県の「(有)出雲竹材工業所」さんにお願いしています。切断の方法や乾燥状態により若干の数割れが発生しますが、接着剤で補強し使用しています。教室の準備のため仲間の皆さんで外形加工を手分けしています。この材料費は支部の会計から支出しています。竹とんぼ仲間の物々交換時に、「鷹印」包装箱の角串をよく見かけますね。出雲竹材工業所さんのトレードマークです。つい最近、昨年注文した10,000枚の羽根材が届きました。次回の例会に持参します。
100mm長さの羽根材作りは夜なべ仕事で続けています。







2010/01/31 23:01:01|竹とんぼとの苦闘
羽根の加工・・・外形の仕上げ

 ニッパで外形を粗切りした後、グラインダーで外形線に沿い削り込みます。削り面が外形線の描かれた面に直角になるようハンドレストで手を支え、線の直ぐ近くまで削り込みます。ナイフやヤスリで仕上る手間を省くためにはぎりぎりまで攻めます。

 写真1は、右から「ニッパで粗切り」したもの、中は「グラインダーで削り落とした状態」のもの、左は「ナイフとヤスリで仕上たもの」です。仕上た状態では外形線は残さないよう線の内側まで削り込みます。
 
 ナイフは鍛工製の高級なものも作りましたが、一番使い易いのはOLFAのステンレス製クラフトナイフです。400円前後の値段です。このナイフは刃が柔らかいく刃先がこぼれる恐れがない感じがします。写真2のように替刃式の刃の部分にグリップを着け持ち易くしています。加工する竹材の部位や厚さ、硬さにより刃先とグリップの相対位置や形を変えています。
 切れ難く感じたらダイアモンドヤスリ(写真最下:ピンクの柄)で研磨し再度使います。ダイアモンドヤスリは釣具屋さんで購入したものです。競技用の竹とんぼを一機作るのに数回研ぐ程度です。数ヶ月に一回は「研ぎの黒幕」(セラミック砥石)のお世話になっています。

 ナイフやヤスリで外形を削るときには、万力に固定し徐々に進めます。写真3で、羽根の先端部分が茶色なのは、加工前に瞬間接着剤を染込ませたためです。
 
 写真1 外形削り出しの経緯
 
 写真2 切出しナイフとダイアモンドヤスリ
 
 写真3 万力に固定し切出し
 
 写真4 ヤスリ掛け







2010/01/26 22:34:30|竹とんぼとの苦闘
羽根の加工・・・手抜きを考えた末に・・・グラインダーの改造

 翼型の外形を粗切りした後、罫書き線に沿い外形を仕上ます。
ナイフを使いきれいに仕上る前に、またまた楽をしたい為の小道具が出てきます。
 外形線に沿い残っているニッパの歯形を先ず消します。それには市販の双頭グラインダーを一寸改造した工具を使います。特に翼端の維管束切断面をナイフで削ったり、ヤスリで削ることは労力を必要としますので電気の力を借りています。
 写真の工具を使い、翼型外形線に沿い余分な肉を削り落とします。その後、ナイフとヤスリを使い外形仕上げを行います。

 グラインダーは、ホームセンターで1,980円の大安売りをしていた時に購入しました。振動も音も少なく重宝しています。競技用の厚手の竹材を削るにも、教材用の羽根を大量に加工するにも活用しています。軸受けに竹粉が侵入したのか、若干音が大きくなった感じです。

 グラインダーのディスクは木材を丸く加工し、#60のサンドペーパーを両面接着テープで貼り付けています。サンドペーパーの接合部は斜めに結合させ、瞬間接着剤を数滴落とします。
教材用の羽根を作るのに改造したもので、羽根の長さ100mmと90mmに対応する直径としてあります。
 軸近傍のえぐり加工を行うときにはハンドレストを組み込みます。ハンドレストが無いと手首や腕が疲れ、嫌になった経験から写真のような構造としました。
 
 軸中心から両翼端までの長さを均一にしたいために「軸孔ピン」に羽根材を嵌め、翼端を削り落とします。ピンの位置がディスク面に対し同じところでは、サンドペーパーの一箇所だけが消耗します。これを防ぎペーパーの全面を有効に使うために、ピンを左右に移動させるブロックを設け、押さえボルトで固定します。ブロックはアルミ製のチャンネルの中を左右にスライドできるようにしています。
 この工具を使うときには安全対策として必ず保護めがねを掛けます。







2010/01/25 23:56:03|竹とんぼとの苦闘
羽根の加工・・・新幹線で内職・・・「ニッパ」に感謝

 ニッパを使うようになってから、小さな布袋を膝に置き、新幹線の中で教室用竹とんぼの外形粗切り作業を黙々と行いました。名古屋でわざわざ「こだま」に乗り換え、ビールを飲みながら空いた車内でバサバサ切っていても、JRさんからクレームは頂きませんでした。現役当時の思い出です。さすがに飛行機の中では遠慮しました。
 
 一機一機を工程順に丁寧に作れば良さそうなものですが、ある工作過程を一気にやり終えようとする悪い癖があります。削るときは削りのみを、切る時は何枚も大量に切るわで脈絡がありません。この為か、競技用の竹とんぼの飛翔能力はまるで向上しないまま4,5年経っています。
工作途中の板材を例会での酔いついでに仲間にあげてしまい、シマッタ!と思ったことが何度もありました。再挑戦を楽しんでいます。

 一挙に大量の羽根材を切出すのに「ニッパ」は非常に役立つ工具だと感謝しています。写真は粗切した事例です。

 写真1 教室用羽根材

 写真2 競技用、飾り用、教室用

 写真3 競技用の各種