紅葉も一枚一枚散っていき
やがて何もない裸樹となって
春を待つことになるのである。
いろいろな残りがある。
ほとんど裸となった桜の樹の中に
3〜4枚くもの巣に掛かっている
かのように見える紅葉(写真1)
水際にて真紅になって凋みかけている
かのような紅葉(写真2)
栄養充分いまだにギラギラと脂ぎって
輝くかにみえる紅葉(写真3)
それぞれの葉が それぞれであり
いとおかし
見るべきものは何も無いと思いがちな
我が冬の土手も
それなりに趣深いものなのです。
水の中に箒を逆さまに立てたような
枯れ芒もさらなり (写真4)
その枯れ芒の向こうに佇む
一羽の白鷺なども
そこはかとなくおかしものなり
天国に
一番近き
冬の鳥
「送別」
王維
下馬飲君酒 馬を下りて 君に酒を
問君何所之 君に問う 何処へ行くか
君言不得意 君答える 意を得ざれば
帰臥南山麓 南山の麓に 帰臥せんと
但去莫復聞 去れ 復た聞こゆる莫れ
白雲無盡時 白雲 尽きる時無し
「白雲は尽きず」
(訳詩)はぐれ雲
さあ別れの酒だ 飲みたまえ
君に問う 何処へ行くや
君は答う 意を得られなかった故
南山のほとりに 隠棲しよう
それはよいことだ
二度と君の名声の 伝わらんことを願う
白雲は 永久に尽きないもの
そんな大自然の中で 棲むがよい
世を捨てて
自然の中へ
冬籠もり
この詩は「送別」とは言っても王維の
自問自答 であるという説がある。
我輩もわが身を顧みて
それに違いないと確信するのである。
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