早春の土手
はぐれ雲
風光る土手を歩くと
さざなみがささやいて
川面に光が反射して
さわさわきらきら
下萌えの土手を歩くと
地べたが反応して
大地のエネルギーが
どんどんがんがん
春光注ぐ土手を歩くと
はぐれ雲がついてきて
吾が腕を天へもちあげ
どひゃあふわりふわり
料峭や樹上のからすああと鳴く
(2月12日金目川土手にて)
「 子夜四時歌 春歌 」
(南朝 宋 無名氏)
自従別歓後 歓に別れてより後
歎音不絶響 たんおん響き絶えず
黄檗向春生 黄檗春に向かった生じ
苦心随日長 苦心日に随って長ず
歓(かん)huan1
@、よろこぶ A、宴会の楽しみ
B、嬉しい人の意。よって、女性が
恋人を呼んだことば。 あなた
歎(たん)tan4
なげく。よって歎音tan4yin1
は溜息。
黄檗(おうばく、きはだ)
樹皮は生薬、健胃のほか、染料にも
用いる。芯は苦い。
「子夜 春の歌」
(訳詩)はぐれ雲
あなたと別れてから
いつもためいき
きはだは春によくのびる
その苦い芯もよくのびる
わたしの苦しい心も
おなじようにつのるのです
子夜(しや)について
南北朝時代、
南朝の都 建康(今の南京)を
中心とする呉の地方に流行した歌。
子夜という女性がいて、
その歌った歌が物悲しく、人の心を
打ったので、みながそれを子夜歌と
いってもてはやし、人々真似をして
作るようになったといわれる。
1月25日 本ブログに投稿した
李白の「子夜呉歌」(子夜四時歌)
も有名 春の詩だけ再掲します。
其一 春
秦地羅敷女 秦地のらふ女
採桑緑水辺 桑を採る緑水のほとり
素手青条上 素手 青条の上
紅粧白日鮮 紅粧 白日あざやかなり
蚕飢妾欲去 蚕飢えて妾は去らんと欲す
五馬莫留連 五馬りゅうれんするなかれ
蓮の花西施の遊ぶ若耶渓
李白の「子夜呉歌」(子夜四時歌)には
春夏秋冬夫々の歌があります。
1月25日の 本ブログを参照願います。
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