幻塾庵 てんでんこ

大磯の山陰にひっそり佇むてんでんこじむしょ。 てんでんこじむしょのささやかな文学活動を、幻塾庵てんでんこが担っています。
 
2016/10/07 12:18:12|猫牀六尺・異邦
スコットランド 4

キャンベルタウンにて
 
(カール・ツァイス、タクソナ:テッサーF.3.5/37.5)

 







2016/10/07 12:14:48|猫牀六尺・異邦
スコットランド 3

キャンベルタウンにて
 
(カール・ツァイス、タクソナ:テッサーF.3.5/37.5)

*写真をクリックして拡大して見てください*

 







2016/10/07 12:10:45|猫牀六尺・異邦
スコットランド 2
キャンベルタウンにて
 
(カール・ツァイス、タクソナ:テッサーF.3.5/37.5)

 







2016/10/03 12:31:34|猫牀六尺・異邦
スコットランド 1

キャンベルタウンにて
(カール・ツァイス、タクソナ:テッサーF.3.5/37.5)




しばらくぶりで届いた写真はスコットランド編。
引き籠りの度合いを強めている身に、嬉しい外の風。







2016/08/20 11:36:05|雑記
『歌う人』あれこれ
「現代詩手帖」の詩書月評欄より

大型新人の呼び声が即座にかかるような達成と捉えた。「凪」「夜明け」「音楽」といった詩語の駆使、複雑な字下げなどレイアウト的な美観にまずは意識がむかうが、この作者の特性はもっと混乱している。一篇の詩が多元性を孕んで長く、さらには詩行の進展が「詩行の瞬間」のみを提示することから、繙読にともなう加算的な記憶が過激に疎外されるのだ。読者は平田の資質的な優美に陶然としながら、同時にその消去力にも翻弄され、三読四読に巻きこまれる。
 

須藤岳史さんのレビューより

一読してその緩みない詩行、言葉の響きの美しさ、気品のある骨格に圧倒された。本書は平田の第一詩集であるが、ある意味すでに完成された堂々たる詩行である。

詩行は謎めいており、一見難解であるが「春」「あなた」「名付けること」などのいくつかの主要なモチーフによって美しい統一感を獲得している。詩人は遥か彼方、一なるものより意味が分かたれる汀で見つけた言葉の断片を詩のフォームとして組み立てる。言葉の汀は意味分節により言語が絶えず脱落させてしまうものがぎりぎりでその故郷へとどまりうる地点であり、また意味が瓦解してしまう危険な場所でもある。詩人は強風の吹きすさぶこの場所で、全てを聞き逃さないための完璧な静寂を手にしている。

もしかしたらこういう読み解きは不要なのかもしれない。というのも巻末にはベートーヴェンの「ミサ・ソレニムス」冒頭の言葉「Von Herzen――Möge es  wieder zu Herzen gehen!」(心より出でしものよ〜再び心へと帰れ)が引用されているからだ。そっと差し出された心のこもったものを解釈抜きに受け止めること。それこそが詩人の望む読み方なのかもしれない。
 

平田詩織さんの詩集『歌う人』(思潮社 平成15年11月刊)が、中也賞とH氏賞の両方で、最終候補にノミネートされていたというだけでビックリなのに、上記のような反響が。増刷もされたそうな。
「現代詩手帖」8月号の特集〈2010年代の詩人たち〉に作品が掲載されているというので、またまたビックリの夏です。