幻塾庵 てんでんこ

大磯の山陰にひっそり佇むてんでんこじむしょ。 てんでんこじむしょのささやかな文学活動を、幻塾庵てんでんこが担っています。
 
2023/09/03 5:26:19|雑記
『エセ物語』


『エセ物語』は、たしかに最初はとっつきにくいに違いありませんが、じっくり丁寧に味読すると、だんだん読解のコツのようなものがつかめてきますし、とにかく1冊まるごと、ジョーク連発のユーモア小説でもあります。次々と繰り出される、硬軟とりまぜたウンチクにもキリがありません。

この小説のもつ、文章編纂上の新機軸、得体の知れなさ、そして読者への奇妙な励ましのような調子を味わえることが、21世紀文学の愉しみでないとしたら何でしょう?
(雑誌「対抗言論」編集事務局のあいさつ文より)
 

「大笑いしながら読んでいる」と言ってくださった方があって、〈我が意を得たり〉顔をしていたことを思い出す。







2023/08/05 5:51:11|雑記
『エセ物語』カバー装丁



カバーデザインが姿を現わしました。
このようなものを目にできる日がこようとは!

 


いよいよ、『エセ物語』装丁の、カバーデザインが出来てきました!

画像は、仮に簡易プリントしたものを巻いたものです。
まだオビがないのに、この存在感!

『エセ物語』本文中には、繰り返し登場してくるモチーフ、室井氏が偏愛していたに違いない素材がいくつも登場しますが、ヒョウタンはその一つです。

ヒョウタンを、これまた、あたかも作中に登場する「しめ縄」のごとくに巻きつける〈十干十二支〉文字の呪術的なるデザイン。
作品を象徴しつつ、たいへんにモダンかつ田舎的!

このあと、まだデザイン微変更の可能性はありますが、ここにオビを巻くかたちで、仕上げたいと思います。

装丁は、これまで室井光広氏の本を複数手がけてこられた、林昭太さんによるものです。実際の出来上がりが楽しみです!

なお、クラウドファンディングの本文では、『エセ物語』総頁数は「736頁」としていましたが、大量のテキストを最も読みやすく、かつ最もコンパクトにとどめる組み方を考え直した結果、現状では「760頁」に落ち着きつつあります。

束幅4センチ超え、一家に1冊のインテリアとしてもGood!

秋の夜長の読書にぴったりの1冊になることでしょう!


https://camp-fire.jp/projects/view/686514?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show
​​​​​​
​「最新の活動報告」より
 







2023/08/05 5:25:30|その他
『おどるでく』文庫化記念トークイベント


川口好美さんより、動画配信のお知らせがありました。
 

10日(木)、双子のライオン堂さんで、井口時男さん、杉田俊介さん、藤田直哉さんのお三方に、文庫版『おどるでく』を中心に室井さんの文学について語っていただく会を開きます。無観客で、無料のネット配信になります。以前と同様に、YouTubeで見られるかと思います。
http://ptix.at/ZHknsb


事務長は炎暑の日向ぼっこ。さすがに早朝限定です。







2023/07/08 6:06:00|その他
クラウドファンディング


川口好美さんからお知らせが届きました。
 

『エセ物語』のクラウドファンディングがはじまりました。
ここから見ることができます。
https://camp-fire.jp/projects/view/686514?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show

 
 
ここに至る経緯を綴られた、法政大学出版局の「はじめに・ご挨拶」の熱度に圧倒されます。
このようなものを書き記していただいただけで、作者本人もモッテメイスベシ、と考えたことでしょう。







2023/06/12 6:20:53|雑記
『おどるでく 猫又伝奇集』


本人不在の3年9か月が過ぎたというのに、おそらくいくつもの奇跡が重なって生み出された文庫本一冊。
さまざまな思いが込められているように見える。

単行本二冊を超える内容が盛り込まれ、そのほとんどにはなじみがあっても、発見や感動があることに驚く。
「アンソロジストとしての経験と直覚」が組み上げた新たな世界なのだろう。
「死んでしまった人間というもの」として、少しは「はっきりとしっかりと」してきたのだろうか。

『わらしべ集』『詩記列伝序説』『多和田葉子ノートで』編集・デザインを担われた林昭太さんが、編集者のアイディアをもとに仕上げられたデザインも味わい深い。

川口好美さんの解説にも大いに感嘆させられた。

《目次》
猫又拾遺
あんにゃ
かなしがりや
おどるでく
大字哀野
和らげ
単行本あとがき
万葉仮名を論じて『フィネガンズ・ウェイク』に及ぶ
インタビュー 室井光広氏と語る   聞き手・加藤弘一
海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ  多和田葉子
解説                川口好美