ハチの気持ちが、ちょっとだけわかった日。
知人O氏とスズメバチの巣を見つけた。 直径15cmくらいの比較的小さいって言えば小さいけど、 特徴的な巣のしましま模様に、足がすくむ。
人生経験が私より遥かに多いO氏は、 ハチさされ経験は私より遥かに少なく、 ていうか、さされたことがなく、 まさしく、怖いもの知らずの様子で、準備を始めた。 右手にマグナムジェット(ガンタイプのジェット噴射の殺ハチ剤)。 左手に竹の棒。
「え〜!!やめようよ〜!アシナガならまだしらず、スズメバチは危険だよお〜!」と弱音を吐きつつ、O氏の背中に、身を隠す私。
バシュー、バシュー、バシュー、バシ、バシ、バン、バン! (最後の方は巣を竹の棒で落として、たたいて、壊している音。)
結局、数分の戦いで、数匹の殺ハチ(ほとんどは逃げた気がするけど)と巣の破壊をO氏は完了する。
10年以上の付き合いだが、彼のそこまで頼りになる後姿を見守ったのは、初めてで、株は最高値を記録した。 「すっげー!かっけー!」
「いやあ、Oさん最高っす!尊敬します!」などと、すっかりほめまくって、二人で後始末をしているとき、事件は起きた。
バシュー!ガンタイプのスプレー缶のもち手をたたもうとしたO氏は操作を誤り、発射ボタンを押した。標的はなぜか、わたし。 至近距離のジェット噴射を顔の中心で真っ向からあびる。 「キャー!!」と叫んで、一瞬以上の時間をおいて、我に返ったO氏の噴射が止まる。
恐縮しきり、平謝りのO氏を怒るつもりは毛頭ないが、残念ながら株価急暴落。 「いやあ、大丈夫、大丈夫。」とふらつきながら私は現場を後にした。
目を洗って、うがいもして、顔も洗って、近くにおいていた残りの缶ジュースも泣く泣く捨てたけど・・・、
午後の私は、最悪でした。目がちくちく、ちかちか。喉がひりひり。生あくび、倦怠感、頭痛。 間一髪逃れたハチたちも、みんなこんな症状で苦しんでいるんだろうなあ。ちょっとだけ同情したくなるような夜でした。 |