そう、あれはまだ私が思春期の頃、 密かにあこがれていた人の前で、くしゃみをしたことがあった。
「百年の恋も冷めるくしゃみ」と称され、 それはもう、えらく落ち込み、 それ以来人前では極力くしゃみをしない生活を続けている。
(「へ〜っ」という序章での息の吸い込みが多いらしく、その分吐き出しの勢力が増す。 いろいろ研究は重ねてきたが、あこがれの「くしゅんっ。」には到底たどり着けないと判断し研究は断念した。)
数日前から、しばらく喉に違和感があった。 普段、お風呂や車の中で無意識に口づさむ(熱唱する?)歌に元気がない。 かといって激痛というわけでもないので、ほうっておいた。
ふとした瞬間、くしゃみを催し、家の洗面所ということもあり、おおらかにくしゃみをする。 その直後、心のわだかまりが取れたかのように、すーっと喉が楽になった。 鏡をのぞきこみ、喉の入り口にはりついた異物を取り出す。 なんと、2cmほどの魚の骨が、喉の奥から風にのってやってきた。
もしかしたら老後、もちを喉に詰まらせたとき、このワザが使えるかもしれない! これからは、自分のくしゃみを恥じることなく、技術を磨こう。 よ〜し、こうなったら、風圧パワーアップに挑戦だ!
《写真》山で咲くマユミわんさか
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