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2009/12/19 23:53:10|竹とんぼとの苦闘
竹とんぼとの苦闘 プロローグ

 他のカテゴリーでは、竹とんぼを通じての面白さをいっぱい記録していますが、作る過程での楽しさや苦しみが「見える化」されていません。
これからは「カテゴリー」に「竹とんぼとの苦闘」の有様を披露します。上手くいった事例よりも失敗事例を紹介し、これから「竹とんぼ」作りを始めようとする皆さんに回り道をしないですむ参考例となれば幸いです。
 記述する内容や表現方法はchikusuiの独断ですから鵜呑みにせず検証してください。間違っていることが在ったら是非コメントをください。
 大雑把には次の順番で記述しようと思いますが、順番が変わったり、横道にそれることもあると思いますがご容赦の程。また、投稿する次期はまるで計画的ではありませんので腰を据えてお待ちください。

 1.生竹の養生・・・・カビが生えて困った!
 2.竹の切り方、割り方・・・・乾燥した竹の切り難さ
 3.羽根材の作り方・・・・素直でない竹の繊維
 4.翼型のいろいろ・・・・デザインする愉しさ、でも飛ばず?
 5.罫書きの方法・・・・シンメトリーの美しさ
 6.翼型の切り出し・・・・思いもよらぬ道具の活用
 7.羽根の削り方・・・・ヤスリの進歩
 8.バランスの取り方
 9.軸の作り方・・・・目の精度にビックリ!
10.組み立て方
11.飛ばし方
12.飛ぶ理論(屁理屈です)
 
 写真1 孟宗竹の林

 写真2 伐採直後の日干し養生

 写真3 翼型の切出し

 写真4 出来上がり







2009/12/15 23:22:43|竹とんぼの面白さ
人を知る楽しさ・・・数値解析・・・・データ分析の鬼

 竹とんぼ仲間には色んな分野の技術屋さんが大勢います。個々人の性格にも由るのでしょうが、データを集め分析し、性能を向上させようと日夜取り組んでいる方にお会いしました。
 
 最初に驚いたことは、瞬間接着剤の接着力テストを行いその結果を例会で披露されたことです。瞬間接着剤には「使用期限の目安」が表示されています。百円ショップで購入した接着剤を無造作に使用している現状を見て、錘の剥がれによる事故を心配したものと思います。
 
 接着剤を開封してから1週間たったものを試験資料とし、引っ張り(剥がし)方向とせん断(錘が飛び出す)方向の強度について(写真1)に見るような試験をしていました。
 例会資料には、竹とんぼの飛び出すときの最高回転数(初速)から錘の飛び出す力を算出し、接着剤のせん断力とを比較する計算書が付いていました。ω2角速度の計算式でした。頂いたデータは紛失して手元にありませんが、品質的にOKとの評価だったと記憶しています。
 
 師曰く、設計者・技術者は「カタログ設計」即ち、カタログの数値を鵜呑みにした設計をしてはならない。新製品を採用する時には必ず確認テストを行い、安全性を確保(安全係数を幾つにするか)しなければならない。スーパー竹とんぼの錘の飛出し力に対する接着剤の(せん断力)安全係数は幾つにしているのか。

 翼型と飛行性能、羽根と軸の重量バランス、翼厚の逓減(だんだん減る)割合、前縁・後縁端の円の大きさと飛行性能など、船舶のプロペラ設計を経験した技術屋(chikusui)でも吃驚するほど次から次へと質問が飛び出してきました。
 自作された竹とんぼの素材重量から完成重量までの数値や飛行テストの結果をエクセル用式に記録され、メールで送られてきました。また、「竹とんぼからの発想」に記載されたあらゆる数値を図式化し、製作のたびにその整合性を比較検討していました。

 競技大会が終わるたびに折角作った竹とんぼを、酔った勢いで仲間にあげてしまう竹酔です。飛ばない点の改善をしないから進歩しないのでしょう!と女房に叱られている自分と比べる由もありません。
こっそり接着剤の本を購入し俄か勉強をしました。
 
 この方は、高速回転機器の開発設計者でした。高速回転下での羽根の飛び出し事故を何回も経験されたそうです。

 写真1 接着剤の強度試験(ご自宅書斎)

 写真2 製作データ

 写真3 「竹とんぼからの発想」数値の整合性検証データ

 写真4 今日からモノ知りシリーズ 接着の本
      三刀基郷(日刊工業新聞社 2003初版)







2009/12/13 22:06:20|競技大会の様子
競技大会秘話(2) 手作りグッズ

 全国大会の計画段階での面白さは、大会に関連する書類やグッツの作成です。参加された方々の思い出となるように、参加されなかった方々にも大会の雰囲気が届くような「見える化」を図りました。 大会終了後の通信紙「夢中人」への投稿記事を念頭に、写真写りを考慮した横断幕を用意しようとか、バス乗り場から会場までの案内板が必要だ等々、イベント屋さんのチェックリストを参考にしました。また、イベント開催時の自治体で発行しているマニュアルが、安全面、緊急連絡体制等を考える時役に立ちます。

 公式な大会として初参加した第1回関東大会、第17回全国大会(札幌)以降の開催案内書や記録写真が大変参考となり、関連する書類やグッツを準備するのに役立ちました。
 スポンサーが付かないことを前提とした大会の運営を心掛け、且つ次回の大会にも転用できる方法を模索しました。これにはパソコンの活用による電子データ化が欠かせません。例えば、白布にアイロンプリントで名を入れ横断幕を作ろうと考えましたが、コストと労力とからラミネート加工を取り入れました。回数の数字や大会開催地の名前を入れ替えるだけで次々と使えることを考えました。
 
 初めて計画される方々にとり、大会までの計画作業工程やホテルとの交渉項目など参考になろうと思い、極力電子データに残し次回大会への贈り物としました。第25回、26会大会の電子データは、第28回大会開催のスタッフに届けられました。

 ゼッケン用布の入手に手こずりました。近場のホームセンターや紙専門店を探し回りましたがフィットする材料ではありません。ゼッケン専用の不織布をネットショップで探し回り、インクジェットプリンターに適合した製品を諸富紙工鰍ウんから安く手に入れることが出来ました。ゼッケンの印刷にはプリンターがフル稼働し、100枚の不織布一枚一枚を手差入で行うため腰を傷めました。良き思い出です。

 写真1 総会の横断幕まがい
 写真2 ゼッケン
 写真3 会場案内板
 写真4 昼食券と領収書







2009/12/12 23:38:10|竹とんぼの面白さ
人を知る楽しさ・・・竹に関する最古の辞書・・・篆刻の大家

 またまた「篆刻の大家」こと「西門町阿世」さんにご登場ねがいました。大漢和辞典巻8 諸橋編(昭和60年修正版)竹冠の文字の部分のコピーをお送りいただきました。1,000文字を越える数です。相前後し、竹の文字に関するメールを頂きました。滅多に見ることは出来ない情報です。ご紹介いたします。


◆最古の部首別漢字字典である後漢の許慎が西暦100年に著した「設文解字」(写真2)には、「竹」の字について、540の部首のひとつに区分したうえで、つぎのように説明しています。

設文解字第五篇上 竹部
竹:冬生艸也。象形。下垂者,箁箬也。凡竹之屬皆从竹。

(素人なりに解釈しますと)
この字の意味は、冬にも生えている草(冬生艸也)である。
字の型は「象形」(物を象ったー竹が並び生えているさま)である。
下垂するものはホウジャクー竹のはかまである。(下垂者,箁箬也。)
およそ竹に関係があるものはみな字の部分に「竹」がついている。(凡竹之屬皆从竹)

(だいたいこんな感じです。)
これからすると、当時は「笹」の字がまだ無く、「ささ」もふくめて「たけ」と言った」ようです。

◆ 「竹」の字は、現在の隷書やそのあとの楷書、行書、草書ができるまえに、次のような字体がありました(写真3)。
左から金文(青銅器の表面に鋳出した字 B.C.1300頃〜222)小篆(始皇帝が制定した秦代の篆書 B.C.221〜206)漢(印)篆(漢代の印章・石碑の篆書 B.C.206〜A.D.220)

 
 知る喜びを益々享受しています。「篆刻の大家」ですから漢字に関する知識も生半可ではありません。知識のみならず調べようとする行動力にも恐れいります。
頂いたメールの文章の中に読めない文字や初めて目にする文字があります。文明の利器、パソコンの画面に、何千年も前の文字が竹とんぼと同じように飛び交っているのです。実生活に役立たないことを愉しむことが趣味の一面と実感しています。竹とんぼ仲間には類型の方々が多く、実に面白いのであります!!

 写真1 西門町阿世(篆刻の大家)さん

 写真2 設文解字第五篇上 竹部 (AD100 許慎)

 写真3 「竹」文字の変遷 左より金文 小篆 漢篆







2009/12/12 15:39:27|竹とんぼの面白さ
人を知る楽しさ・・・・竹とんぼの紋・・・・篆刻の大家

 またまた勉強の題材が増えました。竹とんぼの紋 のお話です。

以前紹介した「篆刻の大家」(またの名を西門町阿世)さんからメールを頂きました。竹に関する文字以外の今度は「竹とんぼの紋」に関する情報です。

 >右の図をみて、おや!と思われただろう。間違いなく竹とんぼをあしらった紋所である。紋帳の名称では、「中輪に三つ蜻蛉」とある。しかし、残念ながら何処の誰がどうして使ったかは判らない。
が、スーパー竹とんぼに似て立派な「中くびれ」である。
ほかに例がないかしらべたが、これが今のところ唯一例である。
古来「勝ち虫」として吉例に用いられた「とんぼ」をあしらった紋所は、「三つ蜻蛉」、「交わり蜻蛉」、「向い蜻蛉」など数例がある。ご参考まで。

戦後の服装の欧風化で目立たなくなったもののひとつに家紋がある。衣服や道具などに付けられて家の目印にされたものである。そのデザインは、植物、動物、」自然現象などを材料に。
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 紋にも竹とんぼが刻まれていたとは新知識の発見です。知る喜びが増えました。「逆さ茗荷」の紋柄の羽織が実家にあった記憶があります。

 第20回全国竹とんぼ競技大会 in だざいふ の参加賞に頂いたバッジがこの柄ですね。各地で開かれる大会の参加賞に「竹とんぼ紋」を織り込んだバッジが伝承され、デザイン大会を開くのも一興かもしれませんね。
 
 「篆刻の大家」がデザインされた蜻蛉に色付けをし、文言を組み合わせて「新橋倶楽部の紋」を作ってみました。未来の歴史家が発見し「紋張」に登録すること請け合いです。


 写真1 篆刻の大家 (西門町阿世さん)

 写真2 竹・竹とんぼ由来の紋所

 写真3 第20回全国大会 in だざいふ 参加賞

 写真4 新橋倶楽部 竹とんぼ紋章 試作品