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2010/01/06 22:34:02|竹とんぼとの苦闘
羽根材の作り方・・・・厚さ仕上げ・・・・維管束に導かれ

 素材は次の平面仕上げ工程に移ります。鉋を上手に使いこなし平面加工を出来る皆さんが羨ましい限りです。鉋ではどうしても均一面が得られなくて、削りの始点終点が多く削られ、真ん中が厚くなる傾向が解消できません。また、鉋の刃を研ぐ修練が足りず研ぐ度に切れが悪くなります。ベルトサンダーには手が出ず未購入です。これを補うため広幅のサンドペーパーを使うことにしています。
 写真1:2×4(ツーバイフォー)の端材に両面接着テープ(薄手)によりサンドペーパー(#60)を張り、この上を滑らし素材を削る方法にたどり着きました。400mmほどの竹の端材の内面に両面接着テープ(厚手)を張り、ここに素材を貼り付け固定します。前後にスライドさせ、厚みを目視で観測しながら削り込みます。
 写真2:ここで目視の厚さ感覚と同時に繊維(維管束)の浮かび状態を良く見ます。長手方向の繊維が途中で消えず、端から端まで見える状態まで削ります。維管束は節の前後以外ではほぼ直進していますから、これを目安として平面度を推量しています。
 写真3:ノギスで両端と中央部分の厚さを測り、写真4:裏面に記録します。目視で仕上げ削りをした素材をノギスで測り、人間の目の感覚は素晴らしいと感じる瞬間です。自己満足なり!!
  
 注意点
 2×4材は表面が平らなものを選定しないといくら削っても平面度が出せません。
 サンドペーパーを2×4材に貼り付ける際、両面接着テープをケチらないで全面に張ることです。両面接着テープの有無の僅かな厚みの差が素材の仕上げに影響します。
 素材をサンドペーパーに直交する方向に置いて削ると早く削れますが、長手方向の平面度が出ないことがあります。素材の長手方向を前後に摺動させ、維管束の浮かびを調整します。
 維管束がこげ茶色で濃く、仕上面が茶色ほど密度が高いような気がします。仕上面が白っぽい素材は軽いので、純竹用から象嵌用へ切り替えます。







2010/01/05 17:33:52|竹とんぼとの苦闘
羽根材の作り方・・・・繊維は素直ではない

 幅決めを完了した素材の厚さ調整に入ります。
 素材としての板厚はどのように決めればよいのでしょう。板幅と板厚の相対関係から羽根角度が決まりますから使用目的に合うよう調整します。
 写真1と挿絵の様なイメージを描き、竹板の立体空間の中からどのような羽根を削りだすかを想像します。例えば、長さ130mm×幅30mm×厚さ6mmの立体空間に、竹とんぼの羽根を思い浮かべてください。軸近傍の角度、翼端付近の角度と厚さ、キャンバーの付け方等を念じて鉈の位置を決め、ゴムハンマーを打ち下ろします
純竹滞空用は6mm前後の板厚を確保し、加工後の翼端での板厚を想定し素材の曲率を見ながら決めます。
象嵌高度用の羽根角度は翼端で23〜26度位にしたいために、板幅16mmに対し板厚7〜8mm位に調整します。
ここでは少し厚めに材料取りをしておけば良いでしょう。

 厚さを調整割するときに、素材の両端から鉈を入れます。片側からだけでも割れないことは無いですが、竹の繊維の通り状況により内面側に歯が逃げ厚さが均一にならないことがあります。維管束の密度が高い外側には歯は逃げないで、内側の柔らかい方に反っていきます。
 両側から入れた鉈の芯がぴたっと合い、破断面の繊維が一直線に見えたときはスカッとします。合致しない時には写真3のような不整合繊維の飛出しが見られます。
若い竹や水分が抜け切っていない竹、鋭い刃物を使うほど内側に逃げます。
 
 両端の曲率が違うと中心の厚さは同じにしても、幅端の厚さが違ってきます。このような竹は、幅端の厚さを等しくなるように割り、中心の厚さを後工程で削り落とします。象嵌用の羽根材としています。

 写真1 純竹滞空用竹とんぼの材料取り概念図
 
 写真2 厚さ調整工程
  
 写真3 鉈の芯が一致しない切断面
 
 写真4 厚さ調整後の断面







2010/01/02 0:06:13|竹とんぼとの苦闘
羽根材の作り方・・・・真っ直ぐな竹材は少ない

 脂抜きを施した素材から羽根材に適した品質の良い部分を取り出す作業に掛かります。
ダンボール紙に長さと幅を案内する目盛りを入れ、これをゲージとして素材に切断線を記入します。
 写真1の黄色板は「25mm幅」、赤色板は「30mm幅」で最大「140mm長さ」を目盛りつけてます。脂抜きをした素材にゲージを当て、良質な分部をどの長さで取るかを決めながらマークします。純竹の滞空用は「30mm×120〜140mm」、純竹高度用は「30mm×100〜110mm」等と思考しながら材料に罫書き線を鉛筆で入れます。
 長手方向を切断後、幅方向の調整を行います。写真2の左側ように、割ったままの断面は両端に三角形のバリが出ます。このバリがあると竹素材の真っ直ぐ度合が判り難いので鉈で落とします。三角部分をどこまで落とすかは、かまぼこ型の板の姿を想像し、曲率と両端の厚さにより決めます。写真2の右側は幅を決めた後の断面です。

 写真3は幅決めをした素材4枚を並べ、真っ直ぐ度合いをチェックしているところです。左の2枚は板厚方向に曲がるか、繊維が直進していません。右の2枚はほぼ良好なものです。

 写真4は幅決めを完了した素材です。

 竹材がもったいないと思い、多少の曲りや膨らみのある部分を使おうとすると後々苦労します。思い切って少しでも品質的に良くないと思うものは除外したほうが無難です。除外品は教室用素材として活用できます。
 この作業を行ううちに、竹の真っ直ぐな部分の少ないことに気がつきます。節間が長い真竹の中央部分でも捩れや曲がり、板厚の変化が見られます。根に近い部分は節間での太さや厚さが違いますから除外の対象となります。この傾向は孟宗竹に顕著に見られます。
竹の表皮を残して製作する「純竹の竹とんぼ」の素材を切り出す時に特に注意が必要です。







2010/01/01 17:37:02|竹とんぼとの苦闘
脂抜きの手抜き方法

 脂抜きの作業をやらないで済む方法を学びました。
 10年ほど以前、神奈川県の山北町には前から一度行ってみたい竹材のお店(カトウ物産)があり、平塚支部のメンバーと訪ねました。
 竹串の先端を尖らす機械や割り箸を作る機械等が見られました。社長とお話しているうちに、割り箸の材料があることを知りました。長さ201mm×幅16mm×厚さ6mmのきれいな竹材でした。201mmを中心で切断し100mmの長さとし、厚さ6mmを二分割し、3mm程度の板材としました。
皮側はそのまま使い、内側の軽い部分は錘を埋め込み初歩象嵌の教材として使います。
脂抜きをする必要は無く今でも活用しています。

 建仁寺竹の利用
 建仁寺垣に使う青竹と脂抜きをしたものとが(長さ1800mm×幅40mm)ホームセンターにあります。脂抜きをした竹材を競技用の羽根素材とし使いました。一本100円から200円位で購入できます。ほとんどが孟宗竹ですが、材質的に柔らかいものもあり若竹を処理したものと思われますが、競技用の材料として十分使えます。
 
 ここでも失敗事例を紹介します。
 製品として40mmの幅を均一にするため維管束の並びは無視し、機械で長手方向に切断しています。羽根材として切り出した際、40mm幅の切断線と維管束が平行でないため、平行四辺形の材料となります。竹の維管束に平行に切断面が通っている材料を選ぶ必要があります。
また、厚さも均一にするため機械加工されています。外形曲率の中心に板の中心がない部分もありますので、材料の段階で竹の繊維の流れ、膨らみ、曲がりを十分チェックして選んでください。

 写真1 割り箸の素材
 
 写真2 長さを半分に切断
 
 写真3 内面の軽い部分には錘をはめ込み
 
 写真4 建仁寺竹(断面と外観)







2009/12/31 23:32:27|竹とんぼとの苦闘
脂抜き・・・・太物は怖い!
 太物の脂抜きは一寸苦労します。
強火であぶっても均一に熱しきれません。これも短く切断してからの火あぶりですから失敗の巻きです。
長尺の状態で、一気にあぶりたいのですが、家庭内では設備不十分ですから仕方ないです。
突っ込んだ手に熱さを感じない程度ですから、体積当たりの熱量不足かもしれません。
昨年末伐採し、4月初旬に火あぶりの刑、今日までカビも生ず、光沢も落ちずに半年以上経ちました。
 これから先、カビが生えず割れの発生もなく1年経過した暁には、鬼が笑うか、虎が笑うか分かりませんが、2010年暮の交換会に提供しようかなと思います。ご期待ください。
 桜海老の天麩羅よりも孟宗竹が大切なの!!・・・・山の神に叱られました。勇気ある方はこっそり試してください。