有り余る時間を楽しく過す極意を知った友人らとの交流の場。 環境にやさしい趣味の世界へどうぞ。 趣味は現役の時から持つと人生が倍に楽しめます。
 
2010/05/09 22:26:18|竹とんぼの面白さ
その道のプロに出会える愉しさ・・・謙虚な気持ちで脱帽します。

 竹とんぼの飛ばし方を楽しくを覚えてもらうために使われている「糸とんぼ練習機(飛ばし方練習機)」をご存知でしょうか。命名は勝手にしていますが。
 道糸に沿い竹とんぼが5mほど上昇し、上部にあるスイッチを叩くことによりチャイムが鳴る装置です。九州か中国方面での全国大会の前夜祭で初めてお目に掛かり、面白い仲間が居るものだなーと感心した記憶があります。この様な一寸した遊び心の付加価値を付け、自分も愉しむといった趣味にめぐり合えて良かったと思います。
 
 100円ショップのチャイムが鳴るだけでは飽き足らず、例会の折「声が出る装置ができないかなー?」と投げかけたところ、電気のプロがいました。一月後の例会には試作品を登場させてくれました。録音スイッチを押して声を録音します。スイッチが作動すると発声します。次に録音スイッチを押し別の声を入れれば上書きされて新しい発声となる装置です。
 
 上まで届いたらどんな気持ちかな?嬉しいです。大きな声で「僕できたー!うれしいなー!」と自分をほめる声を録音します・・・・こんな使い方はいかがでしょう。

 秋葉原まで部品を買いに行き、試験組立をし、手直しし完成させてくれました。掻き集めの部品や廃物利用をしているため外見が同じものは作れないとのことです。
次の宿題として、上部スイッチに届かないときに「残念でした!またどうぞ!」と発生する進歩型を期待しています。
 
 竹とんぼ仲間には色んな技術(特技)を持った人材が豊富です。ある人の構想を別の人が具現化し、皆で愉しむといった仲間との交流がシニアライフの活力の源泉です。

 写真1 糸とんぼ練習機に夢中
 写真2 糸とんぼと発声器
 写真3 上部スイッチ部分(銅線の手作りスイッチ)
 写真4 録音スイッチなど内部配線







2010/05/04 23:43:59|竹とんぼとの苦闘
軸の長さの理論武装・・・おもちゃの科学・・・絶版本の捜索
 何年も前に竹とんぼの軸の長さに関する記述がある本を見たことがあります。おぼろげながらですが、図に示すような解説図が付されて、軸の長さのある範囲ではとんぼ返りを起こし、まるで飛ばなくなることの理屈が述べられていました。経験的にはそうなることは判っていましたが、理屈を述べていたことに驚いた次第です。羽根の形は平板として仮定していましたが、なるほどと感じたものでした。

 講談社のブルーバックス(科学物の本)で「おもちゃの科学」というタイトルの本だったと思います。古本をインターネットで調べると、絶版本で4,000円強のお値段でした。昭和52年に発行された当時は500円位だったと思います。
 どなたかお持ちですかね?

 その本には、竹とんぼの戻る現象が何故起こるかの問題提起がされていたと記憶しています。読者に解答を考えさせる記述だったので鮮明に覚えています。
 ジャイロ効果の説明から始まり、おもちゃの物理解析をしている本でした。距離用の竹とんぼの設計に役立つような解析が出来ればと想い探しているのですがさっぱりです。

 ガリガリとんぼは何故回るかの解説もあったように思います。







2010/05/02 22:14:09|竹とんぼとの苦闘
挟み軸の製作・・・工具の試作・・・保護めがねの着用を厳守

最近流行の「挟み軸」の使用に挑戦してみました。                        
軸はΦ2カーボンロッド、挟み込部はΦ3カーボンパイプの組合せです。
軸と孔径の微妙な隙間は絹糸を軸に巻き調整しています。
挟み込部のスリット切り込は写真のような冶具を作り、円ショップで購入したダイヤモンドカッターを取付ました。駆動部分はミニグラインダー、切削部は揺るぎの無いように木片で固定しガイドを着けました。
スリット切り込前に、パイプ部分に竹串を差込接着し、羽根との接着面積を大きくしました。こうすることにより切り込時のパイプの損傷も防げました。
注意事項 : 作業時には必ず防塵めがねを掛けてください。
また、カッターの回転方向は切削物を押さえる方向に回転するよう注意しましょう。
作業開始前に危険予知を必ず励行しましょう。

 Φ2のカーボン軸で耐えられる伝達トルクの大きさはそれほどでもありません。あまり大きな羽根では捻り切れます。カーボン軸の補強に絹糸やマイクログラス繊維を巻いて接着剤にて補強しているメンバーもいます。象嵌の重さにもよりますが、120mm位の羽根長さが限界と考えています。

 純竹用の軸もこの工具で軸端のスリット加工をしています。ダイヤモンドカッターは薄すぎるので小型のディスクサンダーに交換しています。

 切削部分の固定木片は、鬼ナット(鬼の金棒のような突起があり下孔に打ち込むナット)六角孔付きボルト(家具結合用)を使用しています。このボルトナットは他の用途にも結構重宝しています。

 写真1 挟み軸の加工手順
 
 写真2 スリット加工工具・保護めがねの着用厳守
 
 写真3 切削部の拡大図 回転方向に留意
 
 写真4 挟み軸の使用例 皆さんから頂いた作品

 (写真をクリックすると拡大できます。)







2010/04/30 21:58:42|竹とんぼとの苦闘
軸の製作・・・根気との闘い・・・竹繊維との会話

 真直ぐで四角な軸を製作するにはどうしてもガイドとなる冶具が必要です。10年以上前に群馬のNさんから頂いた2段階削りが出来る2溝付き鉋削り台、仕上げ段階では宇和島のSさんから頂いた挟み冶具を使い分けています。
 写真1はNさんからの頂き物で、幅5mm×深4mmと幅4mm×深3mmの2つの溝が掘られています。粗割した軸材を大きな幅の溝に入れ鉋削りをします。次に小さな幅の溝に移し再度鉋削りをし、約3mm程の角材を作ります。
 仕上げの段階では、写真2の宇和島方式に挟み少しずつ削り3mm角に仕上ます。この時鉋は最小のものを使用します。写真の鉋は、歯幅40mmの購入品と、超小型鉋は頂き物です。超小型鉋は平塚支部のメンバーの手作り品で年末納会のプレゼント交換でゲットしたものです。

 羽根に合った長さの軸材を選び再度微調整加工を施します。羽根に近い部分は丸く削り、掌に当る部分は瞬間接着剤を染み込ませ角を出します。軸尻部分はテーパー仕上げをし細めにします。軸径(角の幅)は、滞空用では2.8mm位、高度用では2.6mm位がしっくりくる感じです。この段階での削りはヤスリを使います。
羽根に近い丸く加工する部分の太さはなるべく太めに残し、トルクが伝わりやすくした方が良いようです。

 軸材は、孟宗、真竹、とんきん竹といろいろです。
真直ぐで硬いものを選びたいですね。煤竹の良品は手に入れるのが困難です。頂いた煤竹は勿体無くて競技用にしか使えません。

 写真1 群馬のNさんからの頂き物の冶具と鉋
 写真2 宇和島のSさんからの頂き物の冶具
 写真3 軸材(粗割5mm位の素材)
 写真4 粗割軸材(左)と仕上げ済み軸(右)







2010/04/27 21:55:07|竹とんぼとの苦闘
軸の美しさを再発見・・・羽根より難しい

 スーパー竹とんぼに出会い、羽根の加工に「やすり」を使っていることに驚いたことは既に紹介しました。次に驚いたのは、軸の美しさです。諸先輩が飛ばした竹とんぼは空高く飛び、軸が微動だもせず真直ぐな一本線に見えます。左右にぶれている様子は全く無く、まるで空中に軸が静止しているようでした。
羽根は空の色に溶け込んで見えませんが、軸だけがピンと背筋を伸ばし空中で社交ダンスをしている貴公子の様に見えた印象は未だ消えません。
 軸の機能からすれば真直ぐなのは当たり前ですが、左右に無駄な振動(ブレ)が無く、羽根の飛行制御を軸が司っていることを目の当たりにした瞬間でした。
 竹とんぼ作りに嵌まりかけた当初、羽根作りよりも軸作りのほうが余程大変で重要なことを思い知らされました。真直ぐな材料を選び丁寧に加工しても曲がりが消えず、羽根との組合せがシックリ行かず投げ出したこともありました。
 
 諸先輩に教えられました。5mm程の角材を作り、寝かし癖を取る。真直ぐな材料を選び食用油をまぶしレンジでチンする。軸材端部から蒸気が出始めたら取り出し冷水にて急冷(焼入れ)する。水分が竹材に染み込まないうちに、取り出しタオルで水分を拭き取る。何回も失敗を繰り返し何とか自己了解出来るまで3年ほど掛かりました。
 
 写真はその方法で作り溜めた軸材です。
 羽根の美しさは軸により引き立てられます。エンタシス形状の美しさは格別ですね。特に飛行中の美しさは軸により決まります。
 
 写真1 羽根とのバランス
 写真2 軸材のいろいろ(真中の素材は竹刀です)
  写真3 焼入れ軸、ゴマ竹軸、煤竹軸
 写真4 色合いも良い軸材、挟み軸