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竹が歩いた!・・・・縦筒型とことこの胴体製作

穴あけの前に、後脚の回転中心(ポンチ点)から前脚の中心までの距離が均等であるかをチェックします。

写真ー1
前脚の縦の中心にコンパスの罫書き線が交わっています。(写真をクリックして拡大して見てください。)
この交点の真下に前足を取り付けます。
交点上に開けた孔は、後足の可動範囲調整用ピンを刺す孔です。

写真ー2
後脚の回転中心(ポンチ点)を、竹筒の中心から前方へ変位させる寸法が不確かな時には、ポンチを2箇所選び打ちます。筒断面にその点に相当する位置に線を引きどちらかを選ぶ目安にします。
写真では、前側のポンチを選び下穴を開けました。下穴は2mmほどのドリルを使います。

写真ー3
下孔をガイドとし3mmの孔を開けます。片側の下孔にドリルを押し込みながら竹筒を回転させ、相手の孔の中心にドリルの向きを合せます。竹筒に直接斜めの孔を開けることは、ドリルの先が滑り困難であるため下孔をガイドにします。

写真ー4
貫通した孔に竹串を通し重心点がほぼ良いことを確かめます。思ったより重心位置が前過ぎたり、後ろ過ぎたりした時には、穴埋めし再度少しずらした位置にポンチしなおします。
この段階では感が頼りです。







竹が歩いた・・・・縦筒型とことこの製作過程

縦筒型のとことこを作った事例をご覧ください。写真をクリックすれば拡大できます。

先ず、胴体の加工に入ります。
50mmの長さに切った竹筒に型板を巻きつけ前脚部分の出っ張りを罫書きます。同時に後脚の回転支点をポンチします。
竹の輪の断面が楕円形をしていることがあります。胴体の中心は楕円の長径の軸にすると重心の移動が円滑になるようです。

写真ー1
50mmの長さに切った竹筒。小型円鋸で切断しました。
ベランダで乾燥中。

写真ー2
胴体の型板。
手前の出っ張り部分が前脚になります。
前脚の中心を鉛筆でマークしておきます。足と脚をつなげる竹串を刺す穴を開けるためです。

写真ー3
前脚部分を残し、下端を切り落とします。
円鋸で8割ほど切断し、小型ののこぎりで罫書き線に沿い丁寧に切ります。
前脚の縦線に沿いニッパで切り落とします。

写真ー4
切断面のバリを落とします。
前脚の中心に黒いマークが見えます。







竹が歩いた・・・・縦筒型とことこ
丸型のとことこは、胴体部分が3枚の板で構成されています。加工が大変でしたからもっと楽に出来ないものか思案していました。国際竹とんぼ協会の会員であるからには、竹で胴体も作ることを考えました。その思案作を図で示します。

竹の直径は、30〜50mm位を選びます。直径が替わる部材に対して罫書きをするため、図のように葉書を切り型紙を作ります。
前脚に相当する部分を中心として型紙を巻付け、後脚の回転中心の孔が竹の中心よりも少し前側に位置するポンチを選びます。
水平に置いたとき後脚が胴体を支えるよう、重心位置を後方に置きます。







竹が歩いた!・・・丸型のとことこ製作図面

丸型の「とことこ坊や」の試作品の製作図を描いてみました。
現物は全て進呈したため手元にありません。記憶を頼りに描いたものです。

注意事項として失敗からの教訓です。
側板2枚と中板1枚へのΦ1.9mmの孔開けは、3枚の板を両面接着テープで固定し、一挙に開けること。
Φ1.9mmの孔は、使う串の太さにより変えて構いません。円周上の3孔はしっくり嵌まることが肝要です。

後足の可動範囲(図で※マークのすきま)を広くしすぎると、前かがみになろうとしても後足を開いたまま停止してしまいます。

脚と足のつなぎの補強に串を刺し接着面積を大きくし、足底の円弧加工の際、足がずれない対策を施します。

足底の半径は、坂道の角度を変えながら試験歩行し、円滑な動きが出来るよう調整します。半径が小さいと前倒れの危険性があります。脚の長さの約2倍くらいが良さそうです。

足底は竹の皮のまま使うと坂道で滑りやすくなります。なるべくなら皮は削り落とし少しざらざら気味が良いようです。滑りが消えないときにはテーピングテープを貼付けると解消します。100円ショップで購入しました。









竹が歩いた!・・・手探りで作る面白さ

とことこ歩くおもちゃには「一足歩行」「二足歩行」「四足歩行」などがあるようです。
まず最初に作ってみたのが図のような円型の一足歩行モノです。

歩く原理を説明するのは困難です。
本体と前脚は一体。後脚が可動式です。
平面に置いた時には後脚が着地し、前脚が浮いた状態になるよう重心位置とピン位置が微妙にずれています。
坂道に置くと、前に倒れはじめ、前足が着地すると同時に後脚がピンを中心に回転し、前足にぶつかります。
重心が後方に移動したため後足が着地すると同時に胴体が前方に傾き、前足が着地します。
この繰り返しで坂道を下っていきます。
足は足首より下の足、脚は足首より上を意味します。

写真ー1
組立図です。製作するための寸法の入った図面はありません。試行錯誤で作った結果動きましたが、寸法を記録してありませんでした。

写真ー2
円形の胴体と前脚が一体に作られ、後脚が動く範囲が三角に削り取ります。
三角の竹材が後ろ脚です。
後方の四角い竹材は足です。前脚と後脚の足になります。この足の底(着地面)の曲率の削り出しが関門の一つでした。

写真ー3
歩行試験中です。

写真ー4
イラストを貼り付け歩行中。
虫ピンは微妙な動きを調整するために差込んだもの。付加物により固有振動数が変わりゆっくり動きます。取り付ける位置や長さや大きさによりその動きは変わり大変面白いです。