有り余る時間を楽しく過す極意を知った友人らとの交流の場。 環境にやさしい趣味の世界へどうぞ。 趣味は現役の時から持つと人生が倍に楽しめます。
 
2013/01/17 9:30:00|船の思い出
船の思い出・・・銀河丸 制御室

船の思い出・・・銀河丸 制御室
 
機関室は騒音、振動、熱気で満ち溢れています。
機関室の一画に制御室があります。空調が効き、防音が施された快適な区画です。
 
写真ー1
制御室の様子です。
手前の盤はデータロガー、コントロールスタンド
 
写真ー2
機関室補機器の監視盤、船内各機器の操作盤
 
写真ー3
エンジンコントロールスタンド
テレグラフ、エンジン操縦ハンドル、タコメータなどが並んでいます。
 
写真ー4
背中には配電盤が並んでいます。
発電機の同期投入のスイッチなどが見えます。船内の電源をこの盤から供給しています。
 
試運転当時の緊迫した雰囲気を思い出します。
スピードトライアル時、マイルポスト通過の合図と共に一斉に機関室各部に計測に散らばる社員の姿が浮かびます。







2013/01/16 9:30:00|船の思い出
船の思い出・・・銀河丸 機関室

船の思い出・・・銀河丸
 
エンジンルームの様子です。
メインエンジン(三菱UEC52/105型 6200馬力)の上部の眺めです。
熱気に包まれた騒音と振動の固まりです。
吸入・圧縮・爆発・排気を限りなく続けます。剥き出しのタペットが順番を間違わず忙しげに動いています。
左側の太いパイプは排ガス管です。過給気を回した排ガスがこの管を通り、エコノマイザーで熱回収され、煙突から大気へ放出されます。この過給気のキーンと唸る音に慣れるのには時間を要しました。
 
燃料油(FO)や潤滑油(LO)の焦げたような臭い、局部的には40度を越える熱気と耳を裂く騒音。
こんな環境の中でも眠ることが出来るようになりました。
 
左上の赤い部品は予備のピストンです。
直ぐ手前の斜めのひも状のものは、天井クレーンのチェンです。船内でピストンの引抜き作業を行なうための装置です。
エンジン一機を回すのに、シリンダージャケット冷却水、燃料噴射弁冷却水、潤滑油冷却、これらを冷やす海水冷却系等。
機関を起動させるための空気槽・空気圧縮機からなる空気系統。
燃料を船外から取りれる燃料ストレージタンク、セットリングタンク、サービスタンク、それらを加熱する蒸気系統など機器と配管がぎっしり詰まっています。







2013/01/15 9:30:00|船の思い出
船の思い出・・・銀河丸 小笠原への航海

船の思い出・・・銀河丸
 
写真ー1
航海訓練所の乗組みの方々と、小笠原諸島父島への練習航海に乗船しました。
エンジンルームの諸元の確認作業に大童でした。
絵葉書用の写真を撮影したのは、この時か試運転の時か定かではありませんが、舷側から姿を見せないようにと船内放送がありました。
近年の写真と比べると、ボートデッキが延長され、ブリッジ前面の天井の形が変わっており、おそらく何処かの時点で改造されたものと思います。
 
写真ー2
小笠原父島の姿が見え、機関室からブリッジに上がって来た時の写真です。訓練用ブリッジデッキでの姿を、ブリッジウイングから撮ったものです。
自分だけは船酔いは一切無く快適な航海でした。
頭上には円い電波装置が見えます。
足元には、船尾側 81m 船首側 34mの表示があります。
 
手に持っているのは、オリンパスのハーフカメラです。このカメラは、その後保証技師として乗船した船でも役立ったものです。
 
写真ー3
オリンパス TRIP35 皮のカバーは硬化しぼろぼろです。
机の片隅に今でも保存してあります。レンズの円形枠の一部が凹んでいます。大揺れの航海でデッキに落としたものです。







2013/01/14 19:38:55|船の思い出
船の思い出・・・銀河丸 初担当の船

船の思い出・・・・銀河丸
 
銀河丸は、機関室軸系・自動化の設計担当を初めて任された新造船でした。
進水 1972年9月30日、 竣工 1972年12月23日
全長 114.662m
メインエンジンは三菱UEC52/105型 6200馬力
 
昭和47年当時です。昭和で表わした方が歴史がよみがえり易いです。
当時発行されていた「船の科学」への寄稿の一部を添削したことも覚えています。その時の掲載写真だったように記憶しますが、駿河湾での本船の姿です。
 
その昭和40年代の三保の海水浴場です。夏は定時で退社し、泳ぎに行きビールの味を覚えたものです。
銀河丸の船尾背景に写っている山影は、海水浴場から見た山影に似ています。
 
エンジン据付ボルトと二重底のフレームとの配置を何回もチェックし、干渉や施工のやり難さの有無など、図面ミスのないことを確認したことが鮮明に思い出されます。







2013/01/13 21:08:17|船の思い出
船の思い出・・・カーフェリー 高千穂丸

船の思い出・・・・カーフェリー  高千穂丸
 
機関室に関連した区画は水密扉で区切られ、発電機室、機関室、補機室、前部軸室、後部軸室などで構成されています。浸水防御区画とし万全を期した設計となっています。
 
高千穂丸のシリーズの前に、セントポーリア、ブーゲンビリヤという船名の2隻のカーフェリーを建造しました。
一回り小さな船でした。
M社のK造船所に出張を命じられ、機関室の装置設計を行ないました。エンジンはNKKピールスティック型を搭載、狭い機関室との闘いでした。
 
進水式を見、引渡し式を終えて岸壁から離れる一隻一隻に愛着がありました。
 
当時の多くの船が譲渡されたり、廃船となっています。
船の写真や経歴を集めたブログやHPを拝見しその懐かしい姿を見て喜び、老船となり錆が発生したままの写真を見て何となく寂しさを感じています。
 
写真ー1
絵葉書の一般配置図
 
写真ー2
キャパシティープラン
 
畳一畳くらいの大きさの図面です。折目がぼろぼろで3枚ほどに千切れてしまいました。
当時はCADなどありませんから全て手書きです。
製図板はそれこそ畳一畳くらいの平板にA0(エイゼロ)の白紙を貼り付けたものでした。