船の思い出・・・船内での娯楽・・・生活の知恵
船内には乗組員と小生とで30名ほどです。
狭い船内に何ヶ月も居れば、一寸した諍いが発生します。
そこは全員の努力でストレスを発散します。何だかんだと理由を付けパーティーを開きます。
赤道祭のような慣習やグレートブリテンの公式行事のほか、誰々の離婚記念日だとかとにかく愉しむ努力をします。
これには参加しなくてはなりません。
飲むところはメスルームという酒場兼歓談室です。オフィサー用の部屋とクルーの部屋が別々にあり、日頃は仕切りの壁を塞いでいます。緊急時の避難用通路(孔)が設けられています。
部屋に入る時には、冷蔵庫からビールなりジンジャエールなどを取り出し、個数と氏名をノートに記録します。
マナーとして、先に座っている人がいたら必ず「誰か欲しい人いない?」と聞き、「ビール一缶!」と返事があったらその分も自分の数量に加算し記録します。これはお互い様です。
大勢居た時は一寸なー?と思いますがそこは我慢。船内では税金が掛りませんから。
この費用は下船する時清算されます。したがって船内ではお金は一切必要ありませんでした。
造船所で乗船した直後、船長に全てのお金を預けます。途中の港で散髪をしたりピザを食べたりする時は、下船の報告と同時にこのくらいで間に合うだろう、と船長から現金を受け取ります。
写真ー1
テーブルの上には、札幌ビールやハイライトが見えますから日本を出て間もない頃だと思います。冷蔵庫や冷凍庫に日本の製品が未だ残っている証拠です。
右の男性はパーサーです。パーティーや一杯のみの時にと誘うと色々便宜を計らってくれます。
写真ー2
メスルームの入り口付近。バーにはボトルが色々並んでいます。
写真ー3
2ndオフィサーと歓談中。話す内容は将来の夢や家族のこと。
酔っ払ってくると給料・上司・女性のこと。何処でも共通の話題ですね。
写真ー4
それでも深酔いせず、キャビンに戻ればノートを開き、デッキクレーンのトラブルシューティングを行なうわけです。