富士山お中道にはまってしまった。そもそも、ハイキング地図のお中道コースがきっかけで、大沢崩れを見たところから始まる。→
富士山お中道 2012/7/16先週、手始めに東側を半周した。→
富士山お中道(その2) 今日は西側半周だ。ここには、大沢崩れ、不動沢と二つの難所がある。一方、エスケープルートは無いに等しい。天気予報は晴れだが、台風が近づいて不安定、ガスに囲まれ雨になるかも。引き返すことも考えて時間の余裕をとる。富士宮口を6:35に出発する。
ネット情報では、不動沢までは目印があるという、迷って無駄に時間を費やさないことだ。ぼんやりして目印を見落とさないように、「ペンキあり」、「赤テープあり」と、声に出しながら歩く。樹林帯に入ると多くの踏跡がある。見通し範囲に目印が見あたらないと戻って再確認すること数回。迷うことなく、不動沢左岸の通行止め立て札に到着した。その向こうは断崖である。
【写真2】不動沢底のお中道マーク
崖をのぞいても、天の浮橋らしいものが見当たらない。が、足元の岩にペンキマークがあり、すぐ先の木にロープが垂れている。階段状の岩場なので簡単に沢に降りることができた。沢底の岩にもペンキマーク発見、迷っていない、うれしかった。対岸の岩壁は登れないが、踏跡はやや上流の土に覆われた階段状の岩場に向かっている。ここは簡単に尾根に登れた。高度2400m、大沢崩れ左岸を目指して水平に進む。もはやお中道マークはどうでもいい、行くしかない。やがて深い谷に行き着く。ガスで休泊所は見えない。
【写真3】大沢崩れ堰堤直下を横断して振り向く
高度2150mあたりまで尾根を下る。あとで気付いたことだが、大沢左岸沿いに降りないと途中に小さな沢があるので、大沢崩れの工事現場から遠ざかる恐れがある。さらに、草木がじゃまして工事現場は簡単には見えないのである。
そろそろかな思って樹林の間を沢へ進むと下は崖、だがロープがあるので降りるのには困らない、対岸にはしごもが見えるが、工事現場の上流だ。落石にあうのはごめんと思い、堰堤下流へ回り込むために登り返して再び藪歩き。
まもなく、長いロープが垂れた斜面を見つけ、堰堤直下の沢底へ降りた。ガスって堰堤から上の壮大な大沢崩れは見えない、残念だ。対岸のモノレール終点はすぐそこ、無事に大沢崩れを渡った。あとは、休泊所まで急尾根を登るだけだ。振り向いて写真を撮ると、「えっ」下りたロープの少し下流には立派なパイプはしごが尾根から沢底に設置してある。上の方に赤白の測量杭がある、そうか、尾根下降中にあった赤白測量杭をたどれば、あそこに行き着けたのではといまさら気付く。
【写真4】休泊所に着いたぞ
工事現場のアルミはしごをジグザグと登る。覚悟していた300m急登だが、元は登山道かというほど整備されたきれいな尾根と、難所を越したほっとした気持ちとがあって、楽に大沢休泊所到着する。12:30。これで、お中道一周を達成した「バンザイ!」
久しぶりの達成感のある山歩きであった。お中道コースなるもの、東側はひたすら修行の道なので途中でうんざりもした。西側は違う。それも鬼ヶ沢から始まって休泊所までの「樹林帯を迷わないように」、二つの大きな沢を「どうやって越える」の緊張感の連続が楽しい。
今回のコースを歩く決断をするまでには、多くの人たちのネット情報を参考にさせて頂いた。感謝申し上げる。