表尾根のクサリ場を体験させようとフクを連れてきた。先々代のワン助はぴょんぴょんと上り下りしたが、さて、フクはどうかな。
戸沢林道でミックスナッツさんと、表尾根の登山道ではイガイガさんと出会う。お二人とも今を盛りのサガミジョウロウホトトギスの鑑賞とか。
◆こんなの平気だよ
「首輪だけでなく胴ベルトも付けないと落ちたらことだな」と思いながらクサリ場の上に立つ。「えぇっ!」、よけいな心配は無用だった。足下に気を付けながらスタスタと降りるではないか。これなら登りも平気だ。日頃の散歩にヤブ道を通って崖を上り下りしている成果かな。
◆政次郎ノ頭から境沢の登山道へ降りると尾根の両側は滝
尾根を降りきったところから振り返る。右側の斜面に登山道の一部が見えている。この辺は整備された表尾根からは考えられないような荒れた道だ。
フクはご機嫌で私をぐんぐん引っ張りながら尾根を降りた。問題は沢に降りたってからである。
◆やだっ!
沢を渡ろうとしてリードを引っ張るのだがびくとも動かない。フクは水の流れているのが怖いのである。田んぼの中の水路でさえ近づこうとしないくらいだ。仕方ないので抱えて渡る。
◆ああ、怖かった!
行者ヶ岳へ向かう尾根に登り返したところで下をのぞく。ここからフクはとたんに元気になって私を引っ張る。