ISO9001の審査登録のお墨付きがほしいので、コンサルタントが用意した品質マニュアルを引用してシステムを構築した。あるいは、ISO 9001への適合性を最重視して、規格要求事項の箇条に答える形で品質マニュアルを制定した。そのために、組織の特徴を反映していないシステムとなり、形式的で、経営に有効な効率の良いシステムになっていないとの悩みを聞きます。このような組織では、ISO 9001規格の性格と規格の序文をよく理解して、システムの見直しのヒントを探ります。 a)この規格は、製品に適用される顧客要求事項、法令・規制要求事項、組織固有の要求事項を満たす組織の能力を評価するために使用できる。 b)この規格は製品に関する技術的な要求事項に代わるものではないが、マネジメントシステムとして、製品要求事項を補完する役割を持つ。 c)ISO9001規格を採用するか否かは組織の経営戦略としての決断によることが望ましく、採用にあたっては、その目的を明確にしていないとシステムの十分な効果を得ることが難しい。 d)認証取得を最優先する場合には、多くの労力とコストの投入に見合う成果は期待できず、他のマネジメントシステムとの乖離になりかねない。 e)IOS9001規格では、すべての組織が同じ品質マネジメントシステムを構築し、同じ内容の文書類を作成することを意図してはいない。システムは組織の状態(組織環境と組織環境の変化と関連するリスク、顧客等のニーズ、固有の目標、提供する製品、用いるプロセス、組織規模と組織構造)によって影響を受ける。したがって、あらゆる組織の画一的なシステムとはならない。 f)システムを確立し実施し、そのシステムの有効性を改善するときに、プロセスアプローチを採用することを奨励している。つまり、仕事の流れを正しく把握して、そのプロセスの効果的な運用に務めることが必要である。 g)このシステムはPDCAサイクルを適用して、継続的改善を図るような構成になっている。 |