仲間のF氏と仕事の打ち合わせで落ち合うことにする。 待ち合わせた場所的にも、メンツ的にも、夕方の喫茶店という選択肢はありえず、最低限会話を妨げる喧騒の少なそうなお店を選って居酒屋ののれんをくぐる。
一応、二人とも大人だし、初めに料理の注文だけ済ませると、すかさず本題に入ってテーブルに資料を広げる。口には出さないが「さっさとおわらせちゃおうぜっ!」のオーラを互いにぷんぷん漂わせながら、普段からは程遠い早口で話をすすめる。
さすがに我々が選ぶ居酒屋だけあって、1分も話さないうちに金色のジョッキが運ばれてくる。一応大人だから「ほら、いそげっ!」とさらに早口で資料をめくる。相槌を打つふりをしながらジョッキに視線を移すと、泡がしゅるしゅる減って水位がみるみる下がっていき、私の気持ちがしゅるしゅる泡立つ。
「もうだめです。Fさん、これはビールに失礼です!」先に音を上げたのは私で、同意して私より先にグラスに手を伸ばしたのはF氏だった。
それからの展開は、ほぼ予想通りで、 私の焼酎が空いた頃、F氏は半分くらい残っていて、「それじゃあ」と頼むと半周期ずれたF氏が頼むと言う悪循環で盃を重ねることになる。なんとなく、そんな気はしてました。
2日後、F氏から電話が入る。 「いやあ、飲みすぎたねえ。仕事の話、何かしたっけ?」 それから、電話で再度打ち合わせに入る2人の植木屋のお話でした。
《写真》内容とはまったく関係のない、さわやかな秋の紅葉を載せて見ました。 |