最近、価格高いですが羽のない扇風機が赤ん坊の安全を考える人やデザインを評価する人の間で話題になっています。
知財関係のWebでは東芝が昔昔特許をとっていたから、ダイソンはパクリだなんていう記事がでています。 でも、調べてみるとその奥は結構深いですね。
ダイソンは日本で3件送風機という名前で出願しています。 みな出願審査請求書をだしていますし、優先権証明書を出しているから基本世界中に出しているようです。
良く間違えるのですが、出願=権利 ではなく、特許庁が審査して始めて登録になるのです。 今は出願して審査を待っているという段階ですね。
9 特開2010-077969 送風機 出願審査請求書 : 差出日(平21.9.25) 受付日(平21.9.25) 作成日(平21.9.26) 優先権証明書提出書 : 差出日(平21.9.25) 受付日(平21.9.28) 作成日(平21.10.20)
24 特開2009-062987 送風機 出願審査請求書 : 差出日(平20.9.4) 受付日(平20.9.4) 作成日(平20.9.5) 優先権証明書提出書 : 差出日(平20.9.4) 受付日(平20.9.5) 作成日(平20.10.4)
25 特開2009-062986 送風機 出願審査請求書 : 差出日(平20.9.4) 受付日(平20.9.4) 作成日(平20.9.5) 優先権証明書提出書 : 差出日(平20.9.4) 受付日(平20.9.5) 作成日(平20.10.4)
【発明の詳細な説明】の【背景技術】に 他形式の送風機又は循環機が、米国特許第2,488,467号明細書、同第2,433,795号明細書及び日本国特開昭56−167897号公報に記載されている。 日本国特開昭56−167897号が東芝の特許出願なので、ダイソンの出願明細書にこの特許がちゃんと記載されているという事は、ダイソンは審査官に従来技術として東芝の特許をちゃんと提示しているですから「パクリ」ではないですね。 ちゃんと事実を告げて審査をしてもらうようにしています。
上の図、左が東芝の図面、右がダイソンの図面 図面が似ているからだけで「パクリ」という判断はないですね。
また東芝の特許は審査請求しなかったので、公開された段階で誰もがつかってもいい技術(公知技術)になったので、それを改良することはなんら問題ないです。 決してダイソンはパクリではないです。 次回ダイソンは何を改良したのか読み解いてみましょう。 (Webにある情報を鵜呑みにするのはやめましょう。 特に特許はちゃんと調べてみないと、大きな誤りをします)
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