スメタナは記念碑的な作品を交響詩の連作で創作しようと考えた
そして6曲からなる、連作交響詩「我が祖国」が作曲された。 ヴィシェフラド、ヴルタヴァ、シャールカ、ボヘミアの森と草原から、ターボル、ブラニーク の6曲である。
「モルダウ」はその第2曲、ヴルタヴァ 1874年11月20日から12月8日に作曲された
スメタナはボヘミアの大きな川の一つの音を呼び起こす為にトーン・ペインティングという手法を用いた。 以下はスメタナが述べたこの曲についてである。 *トーンペインティングとは音楽(メロディ)を文字通りの模倣で書く事だが、詳しい説明はまたいつか・・・
この曲はヴルタヴァ川の流れを描写している。ヴルタヴァ川は2つの源流から流れ出し、それらが合流して一つのながれとなる。そして、森林や草原地を経て、農夫たちの結婚式の傍らを流れる。夜となり、月光の下、妖精たちが舞う。岩に潰され廃墟となった気高き城と宮殿の傍らを流れ、ヴルタヴァ川はヨハネの急流で渦を巻く。そこを抜けると、川幅は広がりながらヴィシェフラドの横をながれ、プラハへと流れて行く。長い流れを経てエルベ川へと消えてゆく。
祖国への想い、故郷への憧憬・・など彷彿とさせる。 この時代背景や、スメタナの人生を知り、改めて心境を想像したり人生観を推測したり・・・・改めて、生まれ育った地への特別な感情の中で味わってみました。日本の歌の「椰子の実」や「故郷」、また、外国曲「故郷の廃家」なども思い起こす。
今、世界では、故郷を離れざるを得ない人々がいる。そのことも含め、自分のルーツとなる土地への想いはどんな時代も越えて変わらないものだ・・・・と改めて感慨深くなった。
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