エスタビエン 2021オーシャンステージで演奏される曲を解説しています。今回はその10 アストル・ピアソラの 「タンゴの歴史」から 2楽章 カフェ1930
今年は、ピアソラの記念の年でもありますので、この機会に 「タンゴの歴史」全楽章の解説をさせていただきます。
アストル・ピアソラの名作「タンゴの歴史」はベルギーのリエージュ国際ギターフェスティバルの委嘱で作曲、初演されたもので日本では、1984年に、工藤重典(フルート)福田進一(ギター)によって初演された曲です。初演は音楽之友社ホールで、当時、ピアソラの存在は未だ知られていない時代で、福田進一さんは会場にいた武満徹さんから、暖かい声援をおくられたそうです。
話は1900年 ブエノスアイレスから始まります
第1楽章 ボルテル1900 酒場にて、と訳されることもありますが、実際は売春宿。世界各地から集まるお客さんは、自分の好みの女性を待つ間、ちょっとした気晴らしに音楽をもとめました。それが初期のタンゴのありかただったそうです。ここでは、ひたすら、明るい楽しい陽気な音楽でした。
第2楽章 「カフェ1930」 一転してメランコリックな旋律。世界は大きな戦争の最中、退廃的な雰囲気に満ちていました。束の間の出会い・別れを惜しむ恋人たちの間で奏でられるヴァイオリンの感傷的なメロディはその時代を見事に物語っています。
第3楽章 「ナイトクラブ1950」 ここで、ピアソラという単語の革命児がとうじょうします。アニバル・トロイロの率いる楽団を離れ、ソレマデmpキャリアを捨てて作曲家としてデビューしたピアソラはそれまであった、タンゴを壊し、2拍子系のリズムに3拍子を持ち込む、組み合わせて5拍子や7拍子のタンゴを生み出し始めました。保守的なタンゴファンの抵抗は相当なものだったようです。この楽章はその新しいタンゴの誕生を聴くことが出来ます。
第4楽章「現代のコンサート」 タンゴはクラシック音楽の作曲家たちにも影響を与え、タンゴ曳き以外の演奏家たちにも受け入れられ、広く世界に波及した音楽となりました。ここでの激しいリズムの躍動はメロディラインを感じさせない、新しい時代の音楽となりました。
エスタビエン 2021オーシャンでは 2楽章の「カフェ1930」を波多野杜邦さんがオカリーナで演奏します。私はピアノで伴奏をします。本来ギターの曲ですので、どこまで、作品の本質に迫れるかが課題です。11月にもういちどこの曲を演奏する機会があります。今回は道の途上での演奏になりますが、一生懸命追求してゆきたいと思います。 |