私達には不幸だった過去があります。 坂本町長が誕生して桜美園焼却炉が止まり窓の開けられる普通の生活ができるように なりました。
あれから3年、しかしそれで桜美園問題は終わったのでしょうか?
緑が丘の健康被害を忘れないために(運動の初心を忘れないよう自戒を込めて) 私が小田原地裁に2006年2月に出した陳述書を送ります。
昨年、若くして急にガンでお亡くなりになったH婦人(52歳)、 働き盛りだったMさん(55歳)もガンでお亡くなりになっています。
因果関係を証明できていませんがガンが多いと言われて来て炉(桜美園焼却)が停まっ ても環境と健康を守る運動を続けて行かなければなりません。
長い文書ですが是非、最後まで読んでください。(この記事は2009年1月31日記事の再録です)
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神奈川県中郡二宮町緑が丘 田口謙吉
私は桜美園裁判の原告と同じ緑が丘住宅地に住むものですが ここに住む住民の置かれている状況を少しでも理解して頂きたく 貴裁判所に文書にて陳述するものです。
私は6年半ほどまえに桜美園焼却場の害を知らずにここ緑が丘に越して来ました。
私の家は緑が丘住宅北東部の山際にあり家の前の道路から桜美園が真横うえによく見えます。そしていやおう無しに毎日桜美園から住宅地に流れ落ちる煙を見ながら生活しています。特に雨の日や曇りの日は低い煙突から出る煙は真下の住宅を直撃しとても嫌な焼却臭が漂います。
私は会社勤めでここでの滞在時間はそれほど長くはありませんがここに来て3年目で飛蚊症になりました。お医者さんには老化が原因だと言われましたがここに来て2年目34歳で飛蚊症になった女性の方もいます。ゴミ焼却施設や埋立地周辺は目の異常を訴える人が多いと聞きました。50代の私はともかく34歳のその人も老化や歳のせいとされるでしょうか。
最近、子供のお風呂上りのシャンプーや整髪料の匂いがきつくてとても嫌です。町は基準値以下と申しますが私の体も微量でも少しずつむしばまれ私も化学物質過敏症の予備軍になりつつあるように思います。
私は緑が丘を隈なく歩いていて色々な人と合い住民の健康状態についても話を聞きます。喘息、ガン、アトピー、アレルギー性気管支炎など様々な症状の訴えがあります。そして体調不良で時々寝込んでいるという人の何と多い事か、40代のまだ若い女性でもそいう話はいくらでもあります。
ここに長く住んでいる人、居住時間の長い人の順で可哀想な話はいくらでもあり耳にします。 その可哀想なある家族の話です。
そのご夫婦は2人ともひどい喘息だと聞いてその人の家を尋ねた事がありました。なかなか合って貰えませんでした。そんなとき「長野大学の関口先生の調査でビックリするような写真があります。」とみかんに付着した焼却灰の拡大写真を見せに行ってようやく会う事が出来ました。
その人の奥さんはここに来て5年目で胃がんにになりそれから2年して乳がんになったそうです。検査入院とか手術の間、東海大大磯病院に2カ月ほど入院していたそうです。
そうしたら1週間ぐらいしてあれほどひどかった喘息がぴたりと止まったそうですが退院して自宅に戻ったらまたひどい喘息が出始めたと言います。「ここは空気が悪いんですかね。」と私に問いかけて来ました。
あれ以来その人は家の窓を開けなくなりました。その人の家は東と南道路のとても日当たりのいい場所の家ですが窓どころかシャッターまで全部閉め切っていて昼も暗闇の中で生活しています。唯一居間の部屋だけシャッターを開けていて窓越しの締め切ったカーテンが見えます。
この話は特殊な話ではありません。あっちにもこっちにもこれに似た話や信じられないような話がいくつもあります。そういう人に会われる希望がありましたら裁判長や裁判官、町長や執行者に是非ご案内したいと思います。そういう人の所へいつでもお連れします。
農村医学研究所の疫学調査で関口先生は緑が丘の住民の健康レベルは3と4の間
(1が健康状態で4が疾病状態5が死亡)でつまり半健康、発症直前状態で人によっては疾病状態であると言われました。
その疾病状態というのは実際にはどういう症例で表れているのか私たちはその実体を知りたいと思いました。でも関口先生も臼田先生も風評被害になるからと教えてはくれませんでした。
ですが「(かっての)所沢よりひどい。」という疫学調査結果は私があっちこっちで聞く住民の病状と見事に符号するのはただの思い過ごしでしょうか。
私たちは定年まで払いきれるかどうかのローンを組み何千万という高いお金を出していい環境を求めてこの緑が丘に越して来たはずでした。多くの人は終の住みかとして移り住んで来たのです。それなのにこの有様で桜美園の話を聞き落胆から立ち上がれずふさぎ込んだままの人もいます。
しかし私たちは希望を捨ててはいません。今、私たちは健康被害を訴ったえてのぼり旗を立て二宮町議会に2度まで請願を出し4000名以上の署名を集めました。この1月に桜美園裁判の支援カンパを訴えたらわずか1ヶ月で30万以上のお金が集まり今も振り込みが続いています。自治会、地域ぐるみで何とかしようという空気になって来つつあります。
私たちはこの桜美園裁判で住民の悲痛な叫びがしっかり届けられ住民の置かれている状況が正しく把握されそのうえで審理されるなら必ず司法の立場から救いの手が入ると確信し期待しています。
どうか裁判官の皆さん この緑が丘住宅地に650世帯2000人以上の命と健康がある事を知ってください。そして貴方達と同じように一人一人に小さな子供や親や家族がいてここの汚れた空気を吸って生きている事を忘れないで下さい。