モトさんと。金鉱山跡は金山沢(桶小屋沢)下降の途中に寄る程度の計画だったが、行って見ると水が引いていて中に入ることができた、奥深く探検することができた。今日のメインイベントになった。
写真左から◆線路のような鉄製堰堤、◆金山沢の坑道入り口、◆中へ60mくらい入った所の落盤
◆詳しくは、
[地図と写真] もご覧下さい。
天王寺尾根突端からp725に登る。天王寺峠から前から気になっていた鷹ノ巣経路へ入る。変化に富んだ楽しい道である。崩れ落ちた桟道、老朽橋、鉄製や木で装った堰堤などが次々と現れて退屈しない。
弁天沢は7つの堰堤越えをすると、楽しい滝が3つほどあった。870mの3つ股では真ん中を登る計画だったが、入るとすぐに大崩壊土石で狭い沢が埋もれている。乗り越えると向こうはそそり立つ絶壁!、とても我々の手の負える所ではないと退散して左股の遡行に入る。
ひたすらゴーロ歩き、滝らしいものはなく、石に埋もれた滝の残骸がいくつか見られた。源頭近くは落ち葉がはしごの役目をして恐怖感も薄れ、かえって歩きやすい。いよいよの急斜面になると、落ち葉も滑り落ちている。靴底と地面との摩擦だけでは私の体重を支え切れず、凍結地面はドライバーも刺さらない、木のある尾根へ逃げた。モトさんはズルズル斜面をそのまま直登(これは体重の違いか?)、滑る前に次の足を踏み出しているので滑る暇が無いように見える。
金山沢の源頭はどこだかよく分からない。東南尾根の頭から左へ、傾斜のきつそうな所をめがけて、落ち葉をはね飛ばしながら駆け下りる。やがて、1050mあたりでやっと滑らずに済みそうな沢へ降りる。ゴーロ歩き、850mで大きな滝、左の尾根へ巻く。
やがて鉱山跡のある沢との分岐へ、ナメ滝がある、なんとか登れそうだがこんなところで怪我をいやなので左へ巻いて登る。数十m登ると木の根っこに小さな穴が見える。
「ははあ、これか」と思って中を覗く。はぁ?、目をこすってみる。水がいっぱいと聞いていたが、無い!、乾いている。ずっと奥まで見える。ラッキー!、ほふく前進で這いずり込む。少しかがめば立ったまま歩ける。ず〜っと入っていく。お化けが出ないように、ガイコツに出くわさない事を祈りながら。やがて足下が水になるが浅いから歩ける。しばらく行くと落盤、天井の岩が崩れ落ちて進路を遮る。が、天井が広くなっているので乗り越えて向こうに行くだけのスペースは十分にある。まだまだ坑道は続きそうだが、「やめた!」こんな所に閉じこめられたら、助かりようがない。記念に湧き水を3口ほど飲んで、臆病心=勇気ある撤退だ。出口までの長さを計った。モトさんの足で126歩、歩幅50cmとして約63mだった。
金山沢へ戻る。ここからは仕事道歩き。金山沢を左下に見ながらしばらく水平道、やがて金山沢に降りて横断、対岸の尾根を下って林道へ出たところで、今日の面白い山歩きは終わった。
後日わかったことだが、この日、我々より6時間前にイガイガさんがこの鉱山跡を訪れたそうである。