◎日時/2025年8月23日(土) ◎天気/晴れ ◎メンバー/arashi(LD)、つっちー、Masa、りょう、zama、ゆー(記録) ◎太刀岡山左岩稜の下部3ピッチのクラック練習。
秋のマルチ本番へ向けての下部3ピッチのクラック練習。駐車場からは左岸稜の岩尾根が見える。渡渉はかつての木橋が流された後に、敷石で渡れるようになっている。樹林帯に入ると思ったより涼しい。少し登ると岩壁が見えてきた。ショートルートに着いて左に進むと取り付きだ。
1ピッチ目の取り付きには、岩が剥がれて積み重なっている。尖っているので、ここで落ちると危ない。
●1p/カンテ脇のフィンガークラックからハンドクラック。20m(5.9)
下部、 #0.3、#0.2 中段 #0.75、#2 上部 #3、#3、#3
まずは、リーダーarashiさんがリードで登る。 出だし、#0.2と#0.3で固め取りして、フィンガークラックに右手を入れて、左手は奥の岩を掴んで離陸する。2段目の下部に#0.75を入れてから一段上がるが、フレークに亀裂が入っていて剥がれそうで怖い。2段目上段に#2を決めて右上する。1ピッチ目核心の上部は、ハンドサイズで#3を連続で3つ決める。ここは足ジャムをしっかり決めたい。
クラックが左向きに割れているので、右手と右足でジャミングするのを基本にして、左手でフレークを掴んていく形だと登りやすい。右手でジャミングして左手でカムセットする場合は左側に#3をラッキングすると取りやすいだろう。
上部左側にフットホールドがあるので、そこに足を上げると一息できる。抜け口は、右手縦ガバ、左がループ状の木の根があるので、そこを掴むと安心して上がれる。
2番手はMasaさんが疑似リードでいく。バックロープを引き上げて、1p目右側の凹角のピトンルートにもロープを張る。りょうさん、ゆーが登るまで時間があるので、最終メンバーのつっちーさんとzamaさんはピトンルートでアップする。
●2p/凹角内のダブルクラック。20m(5.7)
#0.4、#0.5、#0.75、#1、#2(右クラック)、左出口に#3、#4
右クラックにカムセットしながら左のワイドを登る。下部は左のワイドの中に石が詰まっていてフットホールドにできる。ヒール&ツゥーも使いながら上がっていく。裏がフレーク状で持ちやすい。私はほとんど左クラックで登ったが、Masaさんは右のクラックにも上手くジャミングしながら登っていた。
●3p/奥はハンドクラック。手前はチムニーからスラブ。20m(5.8)
奥のクラック #1、#1、 #2、#2、 #4 手前チムニー上がったところに右フェースにはボルトあり
3ピッチ目の取り付きに上がると、りょうさんが「核心は3ピッチ目だった!」と言う。ドキドキだ。一段あがり、中盤クラックは右足を張ってレイバッグ気味に上がる。まずは、手前チムニーを登ってみる。私は左向きになり、お尻を右側に押しつけながらズリ上がり、右側のフェースに上がった。
いったんランチ休憩で懸垂で取り付きまで戻る。水分補給もしてない仲間もいたので、喉を潤し、午後に向けてカロリー補給。各ピッチにはトップロープが設置されている。arashiさんの予想通り、この時期マルチに来るクライマーはなく、完全に貸し切りで練習することができた。2便目は少し落ち着いて登ることができた。
3ピッチ目の2便目は狭いチムニーを通り抜け、奥のクラックを登った。右側がワイドだったので、右腕でチキンウイングなども駆使しつつ左クラックをジャミングして登る。手前のチムニーを登るほうが楽だが、中間支点がボルト一箇所だけなのでランナウトしてしまう。リードする場合は落ちれないので、奥のクラックを登るほうがいいというのが皆の一致した意見となった。チムニーの通り抜けはかなり狭いので、ギアラックなどは先に投げたり、チョークバッグなども横に付けたりしなければならない。下部は特に狭いので、私はちょっと背伸びするようにして通り抜けた。午後になると3ピッチ目のビレイポイントは日が当たりかなり暑かった。
後続のzamaさんや、つっちーさんが登攀している中、私とりょうさんは取り付きまで下りて、1ピッチ目をもう一度疑似リードで登った。やはり、カムセットしながらのジャミングはフォローやトップロープとは違う。上段のハンドクラックの抜け口に、私とりょうさんは余裕を持ってカムをセットできなかった。それでもなんとかノーテンでトップアウトした。
フィンガーからハンドのジャミング。ダブルクラック。レイバッグやヒール&ツゥー。ワイドやチムニーと、この3ピッチのクラックは個性豊かで多くの学ぶべきことが詰まっていた。ショートルートには日がよく当たり、暑くてもちろんクライマーはゼロだったが、樹林帯の左岸稜の下部は盛夏でも練習することができた。arashiさんはこの太刀岡山下部3ピッチのクラック練習を毎年の恒例にしたいと語っていた。
あまりクラック慣れしていないzamaさんや、つっちーさんも練習の成果がありスムーズにクラックを登っていた。本番では自信を持って登ることができそうだと、つっちーさんも語っていた。この日、Masaさんは全てのパートでリード完登!。流石です。私とりょうさんはリードすることはできなかったが、反復練習することで確かな手応えを掴むことができた。arashiさん自身かつてここで滑落して怪我した経験から、安全に下部のクラックを登る技量をHALLのメンバーにつけて欲しかったようだ。初めは暑いこの時期に登れるか、ちょっと心配だったが、非常に有意義なクラック・クライミングとなった。クラックなので皆、時計を外していて気がつくと5時を過ぎていた。まさに、時間を忘れて一心不乱に練習したのだ。
さて、リードできなかった私は本番でリードできるか不安も残るが、数年前に初めてこのルートを登った時は、フォローでもカムを掴んでA0で抜けるのがやっとだった。それから比べれば少しはクラックも登ることもできるようになった。マルチピッチではどうしてもクラックのパートがでてくる。クラックは避けて通ることのできない技術だ。
今回初めてチキンウイングなども使うことができて、クラックの面白さを楽しむことができるようになったのは嬉しい。ジムに行ってもクラックのあるところでは必ず触って技術を高めていきたいと思う。arashiさんの言うように「ジャミングできればクラックはガバ!!」なのだ。そしてクラックもクライミングの基本はやはり足使いだ。手に頼らずにしっかりクラックに足をねじ込んで登ることを意識したいと改めて思いました。来週はカモシカ20%セール!新しいカム買っちゃおうかな♪
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