◎日時/2025.9.14。 ◎天気/曇り ◎メンバー/arashi(LD)、mikko、まちゃこむ、たま、zama、ゆー(記録) ◎馬越パスロックでフリークライミング。
稲子岳南壁左カンテの予定を天候不順で変更して、天狗山ダイレクトにしたものの、これまた雨予報のためマルチは止めてアプローチのよい馬越パスロックへ行くこととした。
途中、川上村で朝早くから作業している農家の方に白菜を分けて頂く。ずっしりと重い。広大な野菜畑からは西から東に男山から天狗山、そして御陵山(おみはかやま)へと連なる稜線が見える。南側には岩壁がそそり立っている。
どんよりと黒い雲が空には浮かんでいた。雨雲レーダーは9時には雨が降ると告げている。我々はとりあえず行くだけ行って雨が降ったら撤退することにした。馬越峠の駐車場から天狗山への登山道に入る。登山口の看板には「天狗山はチャート(たい積岩)の岩峰として知られハコネコメツヅジの分布する山として植物分布上も貴重です。」とある。チャートというと滑りやすい岩質で、さらに昨日からの雨で岩が濡れていることを考えると不安になる。登山道をすぐに外れて斜面をトラバースして辿りついた岩場は「鼻の下わいわいテラス」という名とは裏腹に威圧感があった。
岩には縦にも横にも節理が走り、岩が脆く剥がれている。そのうえ上部が張り出していて、いつ落ちてくるかわからない。整備されたゲレンデと違いアルパイン道場といった感じだ。
まずは私が@カンテづくし5.9。20m
をリードして、ロープを張ってくるようにarashi隊長から指令が下る。その時、私のお腹は天気同様下り坂だった。「スッキリしてきたほうがいいんじゃない?」という仲間の声を振り払いロープをハーネスに結ぶ。ここは気合を入れて交感神経優位にして◯意を抑え込む作戦とした。。
出だし苔で足が滑る。ギャグでは滑ってもクライミングでも滑るわけにはいかない。岩は濡れている。そして脆い。ホールドを探ってしっかりと掴んで身体を上げていく。緊張したが、マスターリードでオンサイト。
続く仲間がバックロープを引いて登り、次々とトップロープを張っていく。
A天狗山チムニー10b。12m
チムニーに入る足場が浮石があり、落とさないように注意して離陸する。背中と足を張れるほど幅が広くないので、フットホールドを探して身体を上げて奥のチョックストーンに乗り込んだ。チムニーの中にボルトが2本打ってある。チムニーを抜け隣の壁に移っていく。
B馬越ビュー2P目。10a。12m(NP)
ボルトが下部と上部に1本づつで、途中はカムで支点を取るナチュプロルート。三段になっていて、段を上がるところが思いっきりがいる。
Cチムニーおもて10d。18m(右クラックにカム)。ハンドサイズのクラックルートで、まちゃこむさん、zamaさんは買ったばかりのカムを試した。
Dチムニーおもてバリエーション5.7。 トポにはハンドサイズと書いてあるが、フィンガークラックのルートを登る。
D天狗の鼻登り11c。
朝、雨がパラつき、風もあったが午後は穏やかで日差しも出てきた。雨雲は我々のちょっと北をかすめて東へ抜けていったようだ。チムニーの左側の板条のカンテを登る。
arashiさんがテンションかけたルートを女性陣は皆、ノーテンでトップアウトする!!リーチのない、たまちゃんは細かい足を拾うのが上手い♪
天狗の鼻登りで、ノーテンで登って鼻の高くなった、まちゃこむさんは、「arashiさん、手下になります?」とのたまっていた。怖い、こわい。クライマーの世界は下剋上でグレードが序列を決めてしまうのか?w。
2便目もarashiさんはテンション。1便目はノーテンだった私も下部でよれてテンションかけてしまう。。男性陣は面目丸つぶれである。
狭いテラスで、アルパイン気分のプンプンする岩場だったが、いつしかそこは笑いの絶えない場となった。肩の痛みでクライミングは自粛したmikkoさんも動画撮影に尽力して下さり、皆でワイワイ楽しい時間を過ごしました。まさにそこは「鼻の下わいわいテラス」となりました。
下り坂だった私のお腹もなんとか持ちこたえた。奮(糞!)闘的なクライミングはこうして幕を閉じたw。 最後に支点回収のため歩いて肩から頂上に上がり、頂稜を確保して終了点まで下った。広々として開放的な空間でとても気持ちよい場所だった。私は、まちゃこむさんに、ここでタイタニックごっこやろうよ!と呼びかけたが、「やだよ!」と一蹴にされる。「ローズ!!」(ケイト・ウィンスレット)という叫びに「ジャック!」(ディカプリオ)という返答はなかった。。雨雲レーダーの降る降る詐偽に踊らされずに、不安定な天気のなか3時過ぎまでクライミングを楽しむことができた。マルチピッチ中止は残念だったが、カムセット練習や脆い岩質のクライミングで、アルパインのよい練習になった。帰りに、ナナーズのトイレに駆け込み、ようやく私の身と心はスッキリと晴れわたったのであった。
おわり。
|