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2019/08/20 21:34:56|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第5-1章 : 第302スペシャル?
外伝 : 『山崎。』
第5-1章:第302スペシャル?

『店長、聞いてもいいですか?』
 『何ですか吉田さん。』
 『店長と川上さんは何時籍を入れるんですか・・・・。』
 『“ちえみ”の話ですと、プロポーズも済んで、婚約指輪も渡されたんですよね。』
山崎は、晋二郎の質問に“はい”と応えてから、
 『実は、まだ決めてはいないんです。』
話を聞いた“ちえみ”が、山崎に向かって、
 『なんでなんですか店長。』
 『店長は、“典ちゃん”を愛していないんですか?』
山崎は、“ちえみ”に向かって、
 『そんなことは無いよ愛しているよ。』
 『じゃー、なんで籍を入れないんですか。』
 『“ちえみ”ちゃん、籍を入れないわけじゃないんだよ。勘違いしないでくださいね。』
 『籍は落ち着いてから町田で入れようと考えているんですよ。』
晋二郎と、“ちえみ”は、
 『へっ、そうなんですか。』
 『はい、そうですけど何かお2人は、おもいっきり勘違いしていませんでしたか?』
晋二郎と“ちえみ”は、恥ずかしそうに、山崎に向かって、
 『店長、失礼しました。私たち2人は勘違いをしていました。』
と、謝っていた。
山崎はそんな2人に向かって、
 『いいんですよ気にしないでください。私が、誤解を与えるような話し方をしたのがいけないんですから。』
 『それよりも店長。』
 『はい、“ちえみ”ちゃんなんでしょうか。』
 『典ちゃんは、こっちに越してきたら専業になっちゃうんですか?』
山崎は、“ちえみ”の質問に頭を左右に振ってから、
 『いいへ、ここで私と一緒に働きますよ。』
 『真面目ですか店長。』
と、突然“裕ちゃん”の声が3人の耳に飛び込んできた。
山崎は、振り返ってから、“裕ちゃん”に向かって、指を口に当てながら、
 『しっ』
と、口止めをさせた。
 『店長、真面目に“典ちゃん”ここで働くんですか?』
心配そうに、“ちえみ”が山口に聞いてみた。
『はい、本人はそのつもりでいますよ。』
 『一応3か月間見習い期間で採用し、また、担当を“まかない係り”にしました。』
晋二郎、“ちえみ”と“裕”はほぼ同時に、
 『“まかない係り”!』
と、驚いた様に声を上げていた。
 『はい、皆さんそんなに驚かないでくださいよ。“てんこ”は料理が上手ですし、これまた美味しいんですよ。今度、“てんこ”の“まかない食”の味見を企画していますので吉田さんと“ちえみ”ちゃんも参加して欲しいんですよ。お願いできますか。』
晋二郎と、“ちえみ”は山崎に向かって、はいと頷いて応えていた。
その後、山崎、晋二郎と“ちえみ”の3人は典子の話で盛り上がっていた。
晋二郎は、“ちえみ”の欠伸を見て腕時計で時間を確認してから、
 『“ちえみ”、そろそろ帰ろうか。もう、いい時間だからね。』
 『はい、先輩。』
2人は、山崎とスタッフに声を掛けながら店の外へと向かい、帰宅へと着いた。
翌週の金曜日の午後、晋二郎はここ約2週間の間、営業区からの依頼に対応していたため、連夜の残業と休日出勤で、“ちえみ”とも一緒に帰ることが出来ず、また、第302にも行く事が出来ていなかった。
たまの休みの土日でさえも、ほとんど寝て過ごしていた状態であった。
その間、“ちえみ”とは、メールでの近況報告と言った感じであったが、
 『おい、吉田。悪いが、こっちに来てくれるかな。』
 『はい、課長なんでしょうか。』
斎藤課長は、自席の横に晋二郎を呼んで、何か話していた。
 『吉田、ご苦労様。君のレポートのおかげで今回のプロジェクトが成功したよ。営業部の伊藤部長にも礼を言われたよ。』
 『本当にご苦労だったな。』
 『はい、斎藤課長ありがとうございます。』
晋二郎が礼を言ってから席を離れようとした時、不意に斎藤が晋二郎に向かって小声で、
『吉田、今日は久しぶりに仲田に会ってやれよな。』
 『いいか、絶対に今日は残業するなよ。』
 『これは、業務命令だからな。』
そう、笑いながら晋二郎に告げていた。
晋二郎も、再度、斎藤課長に“ありがとうございます”と告げてから、自席に戻って行った。
晋二郎は自席に戻ってから、早速今の斎藤課長の言葉を実行に移すことにした。
 『久しぶりに、“ちえみ”に連絡入れてみるか。あいつきっと喜ぶだろうな。』
そう、言いながら晋二郎は“ちえみ”にメールを書いて送信していた。
 『遅いな〜“ちえみ”会議かな?』
 『メールを送ってから1時間経っているのに返信来ないな〜。』
そう、呟きながら晋二郎は仕事をこなしていた。
終業時間が迫った、4時48分に“ちえみ”からの返信が晋二郎のもとへ届いた。
 『先輩、返信が遅くなってすいませんでした。
  お誘いメールありがとうございました。
  “ちえみ”は、嬉しかったです。
  じゃー、今夜は302で6時30分に会いましょう。
  それまで、“ちえみ”は少しだけお仕事していきます。
  では
  あなたの“ちえみ”より』
晋二郎は、“ちえみ”から届いたメールを読んで速攻で返信を書いていた。
それも、簡単に、
 『了解だよ“ちえみ”。
  6時30分に302で待っています。
  晋二郎』
晋二郎はメールを送ってから終業までの時間を次の業務のスケジュール作成に費やしていた。
やがて、終業の音楽が流れ晋二郎はその音楽と共に、机上の片付けを始め、片付けが終わると斎藤課長に頭を下げてから帰宅していった。
晋二郎は、まだ待ち合わせまでには時間があるため、久しぶりに駅前の電気屋に立ち寄ってみることにした。
 『久しぶりだな。ここに来るのも。』
 『流星改艦上攻撃機は入荷しているかな?』
晋二郎は、2週間ぶりに立ち寄った模型コーナーで大人げなく1人はしゃいでいた。
 『有った、流星改。』
晋二郎は、何かを警戒するように周囲を見渡してから、“流星改”に手を伸ばした。
手に取った晋二郎は“流星改”のプラモデルのキット内容を確認しながら頷き、自分のご褒美様に購入することに決め、さらにもう1箱を手に精算しに向かった。
精算所で支払いを済ませてから腕時計で時間を確認し、
 『そろそろ向かうか。』
と、1人呟きながら駅へと向かって歩き始めた。
何時ものホームの何時もの場所で1人電車を待っている間、何気に晋二郎は寂しさを感じていた。
多忙の時には、仕事の事を考えていたので特に何も感じなかったのだが、いざ、仕事が終了して時間が空いてしまうと何をして時間を過ごせばいいか頭に浮かばなかったのである。
以前なら、いつも晋二郎の横には必ずと言っていいほどに“ちえみ”が立っていたのである。
そんな時、不意に晋二郎を呼ぶ声が聞こえた。
 『せんぱ〜い。』
いや、確かにその声は晋二郎に向けられていた。
何故ならば、彼(ひと)の名前を呼ぶときには不通であれば名前を呼ぶはずであるが、声の主は確かに“先輩”と呼んでいるのである。
晋二郎は、慌てて振り返って声のする方を見た。
そこには、何時もと変わらぬ可愛い笑顔の“ちえみ”が晋二郎に向かって、駆け寄ってきていたのである。
 『せんぱ〜い』。
 『おー、“ちえみ”。仕事終わったのかい?』
 『はい。』
 『今日、“ちえみ”は頑張ってお仕事を片付けてきました。』
晋二郎は笑顔で、
 『お前、無理したんじゃないか?』
晋二郎の問いに、“ちえみ”は“エへへへ”と笑って応えてから、
 『少しだけ、無理しちゃいました。先輩。』
晋二郎は“ちえみ”の手を握って立っている場所から最後尾の車両位置に移動し“ちえみ”に向かって、
 『“ちえみ”。会いたかったよ。』
と、言いながら抱きしめていた。
晋二郎と“ちえみ”が立っている場所は周囲からは死角になっていて見えない状態であった。
“ちえみ”も晋二郎の気持ちを察していたのか、
 『先輩。私も同じ気持ちです。でも、お仕事だから我慢していたんですよ先輩。』
と、告げてから晋二郎の胸に顔をうずめていた。
そのまま2人は電車が入線してくるまで抱き合ったままでいた。
電車入線後2人は無言で車両に乗り込みそのまま町田駅まで向かった。
駅を出て第302に向かう途中、晋二郎は“ちえみ”に向かって、
 『“ちえみ”、今夜君のマンションに泊めてくれないかな。』
 『先輩。今、私の部屋引っ越しの片付けで散らかっていますが、それでもいいですか。』
晋二郎は、“ちえみ”の腰に腕を廻しながら、
 『“ちえみ”ありがとう。』
と、耳元で応えながら、耳朶にキスをした。
“ちえみ”は、晋二郎に向かって、
 『先輩、それ以上は駄目ですから他人(ひと)が見ていますから。』
晋二郎は、
 『分かっているよ“ちえみ”。続きは君のマンションだよね。』
 『やだ、先輩ったら。』
そう、返事をしながら“ちえみ”は顔を赤らめていた。
そのまま、2人は腕を組みながら第302へと向かった。
 『ガラ・ガラ』
 『いらっしゃいませ。』
山崎は何時ものように、扉が開く音を聞いて声を出してから、振り返り、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん。お疲れ様です。』
 『吉田さん、2週間ぶりですね。』
晋二郎は山崎に向かって、
 『はい、ご無沙汰していました店長。』
そう、言いながら2人は笑っていた。
山崎は、笑いながら晋二郎と“ちえみ”に向かって、何時ものオープンテラスに案内した。
晋二郎と“ちえみ”が席に座って直ぐに、“裕ちゃんが”おしぼりを持ってきてくれた。
 『“ちえみ”さん、吉田さんお久しぶりです。』
 『お2人の顔が見れなくて、店長寂しがっていましたよ。』
そう、話しながら2人に向かって、注文を聞いてきた。
 『“ちえみ”さん、何時ものでいいですか。』
“ちえみ”は“裕”に聞かれ、晋二郎の顔を見た。
晋二郎は、“ちえみ”にかわり“裕ちゃん”に向かって、
 『“裕ちゃん”、とりあえず生を2個お願いできるかな。』
 『はい。生2個ですねありがとうございます。』
 『“ちえみ”さん決まったら、呼んでくださいね。』
そう、2人に告げてから厨房に戻って行った。
晋二郎は、“ちえみ”の顔を見ながら、耳元で何かを呟いていた。話を聞いていた“ちえみ”は“うん”、“うん”と頷いて応えていた。
晋二郎は、“ちえみ”の耳元から顔を離して、山崎を呼んでいた。
 『店長。いいですか?』
 『はい、吉田さんご注文決まりましたか?』
 『はい。決まりましたよ店長。』
 『何時ものお願いします。』
 『了解ですよ。』
そう、告げてから山崎は厨房に戻って行った。
注文後、10分程してから山崎がテーブルに戻ってきて、
 『はい、お待たしましたよ。今日のは302スペシャルですから。全部食べてくださいね。』
晋二郎は、山崎の顔を見て、
 『302スペシャル・・・・ですか?』
 『はい、そうですよ。』
横から、“ちえみ”が山崎に向かって、
 『店長、302スペシャルって何ですか?』
 『“ちえみ”ちゃん、それは秘密ですよ。もしかしたら、吉田さんは分かるかもしれませんがね。』
 『では、ごゆっくり。』
そう、言ってから別のテーブルのオーダーを取りに行った。
晋二郎は、“ちえみ”に向かって、
 『食べようか。』
 『はい、先輩。』
2人は、箸を手に取り、網の上に302スペシャルホルモンを置いてしばらく様子を見ていた。
 『何しているんですか?』
たまたま後ろを通った“裕”ちゃんが、2人に声を掛けた。
 『あ、“裕ちゃん”。』
 『“裕”ちゃん、教えてくれない。』
“裕”は、“ちえみ”に声を掛けられ、
 『何ですか、“ちえみ”さん。』
 『うん、さっき店長がホルモンを持って来てくれたんだけどね今日のホルモンは302スペシャルだって言うんだけど、これって何時ものとなにか違うの?』
“ちえみ”の話を聞いた、“裕”は思わず笑いだしてしまった。
 『どうしたの“裕ちゃん”。』
 『すいません“ちえみ”さん、302スペシャルって言うのはお2人の事を指しているんですよ。』
“裕ちゃん”の話を聞いていた2人は、思わずお互いの顔を見ていた。
 『何故?』
“裕ちゃん”は、笑いを堪えるのが辛くなって思わず手で口を押えて声を殺して笑いだしてしまった。
そんな“裕ちゃん”を2人は不思議な顔で見ていた。
 『すいません、“ちえみ”さん、吉田さん。』
 『302スペシャルって言うのは、お2人がホルモンを注文される時、“おまけ”しているので、他のお客さんの注文と分かるために名前を付けたんです。』
 『その名前が、302スペシャルなんですよ。』
 『恐らく、店長はシャレで302を口にしたと思いますよ。』
そう話してから“裕ちゃんは”は2人にペコリと一礼してから厨房へと戻って行った。
 『“ちえみ”302スペシャル焼けたから食べようよ。』
 『はい、先輩。』
晋二郎は、“ちえみ”にそう言いながら自分で1つ摘まんで口に入れ、幾度か302を噛んでいると・・・・。
 『“ちえみ”、何時もと味が違うよ。』
 『ほんと、先輩?』
 『うん。食べてごらんよ。』
晋二郎に勧められて、“ちえみ”も302を口に入れ、晋二郎の様に幾度か噛んでいると、
 『先輩、ほんと何時もと違いますよ!』
 『これ、美味しいは。』
晋二郎は、“ちえみ”の言葉に大きく頷いてから、お皿に残っているホルモンを網の上に載せて、焼き始めた。
晋二郎の行為を見ていた店長が、テーブルに来て、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん、どうですか302スペシャルは?』
 『店長、美味いです。真面目に美味いですよ。な、“ちえみ”!』
“ちえみ”は、晋二郎の言葉に同意するように、
 『店長、美味しいです。何か変えたんですか?』
山崎は、“ちえみ”に向かって微笑んでから、
 『“ちえみ”ちゃん、それは企業秘密ですからね。』
山崎は、それだけを告げると厨房に戻って行った。
晋二郎と、“ちえみ”は、仲良く302スペシャルを食べながら、川上の話をしていた。
 『“ちえみ”、川上さんの引っ越しは来週の14日の土曜日だよね。』
 『はい、先輩。』
晋二郎は、少し考えるような顔をしてから、
 『どうする?』
 『何をですか?』
 『いや、引っ越しの手伝いだよ。』
“ちえみ”は頷きながら、
 『実は先輩私も気になっていたんですよ。でも店長は何も言われないのでこちらから図々しく聞く訳にはいかないでしょ。』
 『だよな。』
その時、山崎が2人のテーブルに来て、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん。今、お話をしてもいいですか?』
2人は山崎に向かって、
 『はい。いいですよ。』
 『実は、来週の土曜日なんですけど、お2人は午後お時間空いていますか?』
晋二郎と“ちえみ”は吉田の質問に頷きながら、
 『はい、俺達時間は空いていますけどなにか?』
 『実は、14日の土曜日なんですが、典子の引っ越し祝いを兼ねて、2人と夜一緒に食事でもどうかと思いましてね。』
晋二郎は“ちえみ”の顔見ながらアイコンタクトで、
 『はい、OKです。』
と、一つ返事で2人して山崎に応えていた。

第5-1章:看板娘? に続く。





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