大磯町郷土資料館ノート Oiso Municipal Museum

24日の午前中、雪がふっていました。
庭園から見る雪化粧の旧吉田茂邸は、味があって素敵ですね。


旧吉田茂邸のオープンは29年春を予定しています。
まだしばらくご不便をおかけしますが、
来年春のオープンに向け準備を進めておりますので
引き続き皆様の御理解と御協力、宜しくお願い致します。

　2009年3月に全焼した旧吉田邸は、たくさんの方のご協力により再建工事が行われました。
　現在、庭園から全焼前とほぼ変わらない姿が見えていますが、吉田邸のオープンは29年春を予定しています。まだしばらくご不便をおかけしますが、来年春のオープンに向け準備を進めておりますので引き続き皆様の御理解と御協力、宜しくお願い致します。

 

旧吉田茂邸のお庭から見える再建中の様子をご紹介。
外装はきれいになっているので、待ち遠しさが募るばかりです。

再建工事は、平成28年春までとなっていますが施設内の準備・整備もあるため、
旧吉田茂邸のオープンは、平成29年春を予定しております。
しばらくお待ちいただきますが、ご理解ご協力よろしくお願いします。

 

(English followed after Japanese)

読売新聞・土曜日朝刊に連載中、堤清二回顧録「叙情と闘争」の今日の連載を読んだ方は、大磯町のことが書いてあることにお気づきだろう。

「連載３４　大磯吉田邸始末記」（2008年9月13日）には、吉田邸が西武によって買われた経緯が書かれている。
そこに書かれるのは、一本の電話で佐藤栄作元首相が堤氏に吉田邸購入を持ちかけ、それを堤氏は直ちに受けたという驚きの事実である。紹介のため、少し抜粋したい。

『名古屋に出張していた僕はコーヒーショップで朝食を取っている時、館内放送で呼び出された。東京の佐藤という人から電話だという。当時西武百貨店に佐藤名の役員がいたので、何だろうと気になった。（中略）訝りながら電話に出ると声が違った。佐藤総理は、「大磯の吉田邸を君のところで買わないか」と言うのである。』

ちなみに、吉田茂は、佐藤栄作が師匠と仰ぐ人物であった。吉田の葬儀が国葬になったのも当時首相だった佐藤栄作が師匠を最高の形で送り出したいという意味もあったのだろう。

それを考えると、連載３４で書かれるように「吉田さんと君の親父さんの関係を考えると、まず西武に話すべきだと思うんだよ」と吉田を偲ぶような言い方で佐藤が堤にお願いしたのもうなずける。師匠有縁の地には、師匠を理解した人物の会社に買ってもらいたいと思ったに違いない。

連載３４には、他にも大磯の吉田茂邸が売却されて資金化を一番喜んだ吉田茂の長男吉田健一氏のエピソードも描かれている。

当時の政財界の史実や裏話が載っている連載物である。今後も大磯にまつわるカラフル（多彩な）エピソードを期待し、楽しみに読んでいきたいし、薦めたい。

ちなみに、当館は、吉田邸の目の前に位置します。旧吉田茂邸は、09に年神奈川県の物になり現在一般公開していません。しかし、海の前に立ち、はるかな太平洋を見つめる吉田茂の像に会えます。館内にも吉田茂の遺品が展示してあるので、ご高覧ください。（由）

写真上　大磯町郷土資料館に展示中　吉田茂こけし
写真下　今日の連載記事

(excerpts)
One phone-call determines selling ex-PM Yoshida’s home
Yomiuri Newspaper running memoir "Strife and Lyric (Jojo to Toso)" by Seiji Tsusumi today reveals the inside story behind the acquisition of the former PM Shigeru Yoshida’s estate by Tsusumi (one of Japan’s successful business tycoon).
Ex-PM Shigeru Yoshida has famously resided in Oiso. And after his passing the family wanted to sell his home. There were many companies that wanted to buy his estate but Eisaku Sato the PM at that time (and later Nobel Peace Prize winner), who regarded Yoshida as his mentor called Tsutsumi asking him to buy it since Yoshida had close relation with Tsutsumi’s father. The deal was closed with this one telephone call alone, the call he received while he was eating breakfast at a café -a very unlikely place to receive a direct call from the PM.
This story is significant to our museum, not only because Yoshida is a colorful and prominent National leader from Oiso but because former Yoshida’s estate is located just across the street from the museum. Articles that he cherished are also on display at the museum.