☆☆〜風街ろまん〜☆☆

〜国内の日常から少し離れ、海外での風と街を軽く語る〜
 
2005/09/13 15:39:59|その他
映画【2001年 宇宙の旅】のレクイエム
アーサーCクラーク原作、スタンリー・キューブリック監督の1968年に
公開された映画「2001年 宇宙の旅」(2001:A Space Odyssey)は、
今も色褪せず、最も好きな映画の一つであるが、この映画の中で
使われている現代作曲家のジェルジ・リゲティの”レクイエム”を、
初めて聴いた時、あの おどろおどろしい感じは、芸能山城組の 
地声で歌う”恐山”に通じるところがある、と感じた人は 
いらっしゃっただろうか?

「2001年 宇宙の旅」の中で使われた代表的な曲としては、
R.シュトラウスの「ツァラトゥストラは かく語りき」
(但し、オープニングのファンファーレのみ有名?)や
「美しく青きドナウ」があるが、リゲティの曲こそは 
自分には衝撃的であった。
キューブリックが この映画で使ったのは、
当時の「前衛音楽」だった1923年生まれのハンガリーの作曲者、
ジェルジ・リゲティの作品であり、それら3曲とは、
・オーケストラと声楽のための「レクイエム」(1965)、
・無伴奏合唱のための「ルックス・エテルナ」(1966)、
・オーケストラのための「アトモスフェール」(1961)、である。
この当時の作曲業界では「トーン・クラスター」という、
沢山の楽器や声で微分音程を重ね合わせて音の塊を作る事が 
最先端技術として採用されていた。
キューブリックが これらの3曲を この映画に極めて合う!
と見つけ出し、採用した事は、映画も音楽も より完成度を高める
相乗効果を出せた、嬉しい奇跡である!とも思うのである。

さて、「レクイエム」(Requiem)は、26分41秒の大作であるが、
映画で使われているのは 2つ目の部分の「キリエ」。
これは、この映画の最も重要なモチーフである「モノリス」の
テーマとして、3度使われている。
1度目は、地球上の原始人の前に突然現れたモノリスの場面。
2度目は、月面で現代人が極秘探索を行い、
 地中からモノリスが掘り出された場面。
3度目は、当時の最高峰のコンピューターHAL 9000が反乱を起こし、
 乗組員を殺害した為、HAL 9000を壊し、一人だけ生き残った
 デイヴ・ボウマン船長が手動で操作するディスカバリー号の
 周りをモノリスが浮遊する場面である。

「ルックス・エテルナ」は、上記2度目の、月面で極秘探索が
行われ、探査機が現場へたどりつくまでの間、流れている。

「アトモスフェール」は、上記3度目の「レクイエム」の後、
約8分半 流れての、デイヴ・ボウマン船長が宇宙の始まりから
生命の誕生を体験するバーチャル・トリップとなる。

これらの曲は 「2001年 宇宙の旅」のサウンドトラックとしては、
もちろん発売されているが、元は、ドイツのWergoという
現代音楽専門のレーベルからリリースされており、
自分は「レクイエム」(Requiem)を全曲聴きたく、
ドイツからCDを直輸入しました(^o^)。





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