電話で聞いた道順で、細い路地を入って行った。 住所をぐぐるほどのことじゃないと甘く見ていた。
ふとしたことから道を間違え、 気づくと、農道はダートに変わり、 2WDの軽トラが滑ってのぼれない傾斜に変わった。 樹は生い茂り頭上を覆い、 轍ぎりぎりの路肩は沢に切れ落ちている。 おまけにここ数日、夕方の雨が続いた。 落ち葉は濡れ、水溜りが足元をすくう。
「これはもう、あかん!」 諦めた時にはすでにUターンを許される場所はなく、 つるつる滑りながら、カーブをくねくねバックする道だけ残されていた。
「ここで、沢に車ごと落ちても、きっと誰にも気づいてもらえないよなあ〜。」 泣きべそをかき、震える足でバックすること数分。 どうにか舗装路にたどり着いた。 そこで、停めてあった軽トラのじいさんが一言。 「すごいなあ、あそこよく入っていくなあ」って思ってみてたんだよ。って。
ちょっと、ちょっと、言ってよ〜!先に、呼び止めてよ〜! 確実に寿命が縮んだ、一日でした。
《写真》目的は石釜ピザでした。 |