少年詩2021

少年詩の詩集や同人誌についての紹介と作品への批評などのブログです。
 
2026/06/12 8:54:41|その他
少年詩時評『梅雨入り』
少年詩時評『梅雨入り』
     佐藤重男

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6月8日、わたしの居住する関東地方などが梅雨入りしました。
前回、梅雨空にお似合いの「あじさい」の詩編を紹介しましたが、今回は、「つゆ(梅雨)」に題材をとった少年詩について見てみようと思います。
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いつものように、わたしのデータベースから拾います。
まず、タイトルに「つゆ(梅雨)」が登場する作品です。

つゆ   黒田勲子「いのちのみちを」銀の鈴社 00.8
つゆは まだ?  宮田滋子「風がふく日の お星さま」銀の鈴社 09.5
梅雨   江間章子「水と風」銀の鈴社 1980.10
梅雨   えぐち まき「ぞうのかばん」銀の鈴社 91.2
梅雨   谷川俊太郎「地球へのピクニック」銀の鈴社 1980.9
梅雨   小泉周二『太陽へ』銀の鈴社 97.11
梅雨   間中ケイ子『猫町五十四番地』てらいんく 2007.2
梅雨   永田喜久男「はんぶんごっこ」銀の鈴社 08.7
梅雨   西田純「森は 生まれ」てらいんく 2010.3

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続いて、作品の文中に「つゆ(梅雨)」が登場する作品です(登場するシーンも引きます)。

あじさい 小島禄榔「地球がすきだ」銀の鈴社 92.11
 ながい ながい/つゆのあめ
雨 帆草とうか「空をしかくく 切りとった」銀の鈴社 19.11
 梅雨の時期に訪れる/灰色の
雨の日 村瀬保子「窓をひらいて」てらいんく 05.3
 戻り梅雨の風をまきこんだ雨
ふるん 村瀬保子「すきとおる朝」銀の鈴社 18.7
 梅雨入りまえの/雨の/あいさつ
海 三谷恵子「つくりわらい」らくだ出版 95.3
 梅雨あけを思わせる 夏空
化けてでまっせ 林佐知子「きょうという日」銀の鈴社 05.8
 で 梅雨時は/われらカエル一族の/交通安全週間にして
蛙によする抒情 吉田瑞穂「オホーツク海の月」銀の鈴社
 麦のたんぼのとなりの水田。/梅雨の朝もやのなか。
かたつむり 紀の崎茜「ちきゅうぼし」らくだ出版 12.11
 貝がらの中の梅雨空/墓碑として残らない貝
草 はたちよしこ「また すぐに会えるから」大日本図書 00.11
 梅雨あけの/まぶしい 夏空の日に
なめくじ えぐちまき「ぞうのかばん」銀の鈴社 91.2
 つゆどき めがけて/やって きた
ふるさと 藤井則行「春だから」銀の鈴社 00.4
 梅雨時分になるときまって/黄色や紫の大きな花が並んで咲いた

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では、これらの中から、次の二編を引いてみます。


 梅雨     小泉周二

ほっぺたがじめじめしていて
ぱりっと笑えない

                    『太陽へ』銀の鈴社 97.11



 梅雨     間中ケイ子

よけいなものは
なにもいらない
ミミズは
ただ
雨に
ぬれるだけ


                 『猫町五十四番地』てらいんく 2007.2


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それにしても、梅雨入りして鬱陶しい日々が続く中、スキャンダルめいた、某首相の「中傷動画」問題は靄のなかに埋もれてしまうのか、それとも、霧が晴れて視界がさっと開けるように解明されるのか、そして、殺傷武器輸出や防衛費増、「国旗損壊罪」の創設などには前のめりの一方で、進展しない中東情勢の影響による、ナフサ等の原油問題、物価高、さらには消費減税あるいは、LGBTQや「働き方改革」等の行方もまた、霧の奥へと消えてしまうのか、注視していかなければならないでしょう。 

                    ― この項 完 ―

いつものことですが、詩集名などの引用にあたっては、誤字・脱字等のないよう努めましたが、何かお気づきの点がありましたら、お知らせください。
また、全文引用した作品「梅雨」(小泉周二)、「梅雨」(間中ケイ子)については、著者・出版社等の事前承諾を得ていませんが、商業目的ではないこと、引用先を明示してあること、論考への引用であることなどから、格段のご高配のほどいただければ幸いです(文中、敬称略)。

2026.6.12





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