殆んどの単発レシプロ機は先端にプロペラを持ちエンジンはその直後に搭載されるのが常識的なレイアウトでクルマで言えばFFである。ところがこの映画で主人公が搭乗する散花という戦闘機やそのモデルとなった震電という大戦末期の試作機はリアエンジン後端ペラのRR方式を採用した。震電の場合正確にはコクピット直後のエンジンからペラ軸で終減速機を継ぐトランスアクスル方式となる。その理由は機首がすっきりして空力に有利なのと強力な火器を集中出来る点だそうだ。同じ目的でエンジンをミッドシップにしたエアコブラと云うアメリカの機体があったがこちらのペラは先端に位置していた。震電ではペラのトルク反力に苦労した様だが映画の散花では二重反転プロペラの採用により対策済みだ。両機体の特徴はもう一つ主翼の他にノーズに前翼を持ち揚力を分散している点でこれにより運動性能の向上を図った。劇中相手戦闘機はFwの長っ鼻と見た。主人公の所属する部隊の女性指揮官はナローポルシェのタルガを足に使う。一体いつの話やら。蛇足ついでにクロラはスペルからすると履帯のクローラのこと。するとスカイ・クロラとは大空を這い徊わる者共といった ところか。 |