□ウォーキングの一言 今回は「アンチエイジング」とウォークに関して記載してみたいと思います。 ウォーキングの効能、未病を治すためのウォーキング等、過去に色々と触れてきています。 今回も類似した話にはなるかと思いますが、しばらくお付き合いください。
一時期、「アンチエイジンク」という言葉がはやっていた時期があり、皆さんも言葉自体は覚えているかと思います。そもそも「アンチエイジング」とはから説明してみたいと思います。 「エイジング=年を重ねる:加齢してゆくこと:老化現象」と言われており、この現象を否定する意味で「アンチ」が頭についたものと考えられます。すなわち、「アンチエイジング=老化防止」が簡単な解釈の仕方でしょうか。 したがって、美容(化粧品)業界などでは古くからこの言葉を目標に製品開発を行っており、女性の皆様方に貢献してきているものと思われます。 肌の表面に、シミ、シワ、たるみ等が年を重ねるに伴って表れてくるため、これを目立たなくする化粧品が巷に溢れています。
「なぜ年を取ると老化してい行くのでしょうか」 老化する大きな原因は「活性酸素」です。アンチエイジングという言葉と同じ時期に一般的に使われるようになりましたので、皆さんもご存知のことと思います。 活性酸素は、普通の酸素より酸化力が強力な酸素のことです。 呼吸をしていると、一定の割合で体内に活性酸素が発生します。そのほか、ストレスや紫外線、喫煙、飲酒など、様々な原因により、活性酸素が発生します。 この、活性酸素が、体内の細胞を酸化して破壊していきます。コラーゲンやエラスチンが参加されると、しわやタルミができ、内臓の細胞が酸化されるとガン等が発生し、血液が酸化されると動脈硬化などの病気の原因になるわけです。
この活性酸素を退治する働きをするものが「抗酸化物質」と呼ばれるものです。体内で合成したり、食物から体内に取り入れたりして活性酸素を消してゆくわけです。 ビタミンC,E等は代表的な抗酸化物質を言えます。 食物から取り入れるところは、食べればよいわけですが、大きな働きをする体内で作られる抗酸化物質は40歳ころを過ぎると合成能力が激減してゆきます。 このことにより、年を重ねるにしたがって、老化現象がみられるようになるわけです。
先にも述べましたが、アンチエイジングというと、スキンケアや化粧品をイメージすると思いますが、アンチエイジングの本来の意味は、化粧品などの表面的なことを意味するのではなく、体内に発生する活性酸素といかに戦ってゆくかということなのです。 したがって、加齢に伴う体内で起こる変化に対して、対応できるように食事やライフスタイルを変えてゆき、その後にスキンケアなどを取り入れることが、効果的なアンチエイジングということになります。
「食事やライフスタイルを変える」 このことが、前述の「未病を治す」ことにつながり、ウォーキングが、ライフスタイルを変える第一歩となるわけです。 「未病を治す運動」の説明を行ったときに、三つの取り組みに関して説明させていただきました。 すべての世代における生活習慣の不適切さ(過栄養、低栄養、運動不足、閉じこもり)が、生活習慣病と、要介護のリスクとなり、健康寿命の短縮につながってゆくことが明らかになり、未病を治すためには以下の運動が大切な取り組みとなる。 ・食:栄養 ・運動:身体活動 ・社会参加
同じことがアンチエイジングにも云われています。 ・食事 日本では昔から「腹八分目に医者いらず」と言われていますが、健康長寿を目指す場合、腹七分目が目安といわれます。 しかし、粗食や欠食はNGです。栄養をバランスよく摂取し、抗酸化作用の高い食品を積極的に取ることが必要となります。 ・運動 定期的に軽い運動を行うと長寿スイッチがオンとなります。加齢により筋力が低下すると、姿勢が悪くなり、転倒しやすくなります。骨折により、寝たきりになってしまうことも多いので、適度の運動が大切となります。 ・生きがい 生きがいがある人は若々しく、喜怒哀楽やときめきといった心の反応が活発となります。長生きすることを目標とするよりは、趣味などを楽しく続けるために健康でいようということが大切となります。 すなわち、趣味などを通じて社会に出て、コミュニケーションを豊かにして、生き生きと過ごすことが大切となります。
東京都老人総合研究所では、中年期からどのようなライフスタイルで過ごすと、元気で自立した生活が送れる高齢者になれるかを、調査、研究してきました。高齢者における体力や食事、運動、生活様式などを調査してきた結果を以下の紹介します。 「動物性たんぱく質をとる」 長生きをしている人は、動物性たんぱく質を十分に取る傾向があります。 「コレステロール値を管理する」 男性は、156~182mg/dl、女性は、183~230mg/dlが理想です。 「脚を丈夫に」 遠く歩ける人ほど長生きできるというデータがあります。 「自分の健康に自信を持つ」 自分は健康だと感じている人は、長生きする傾向にあります。 「記憶力を高める」 記憶力が高い人ほど長生きをしているというデータがあります。 「中年期はちょいやせを目指す」 中年期までは「ちょい痩せ」、高齢期からは中くらいの太り方が理想と言えます。 「タバコはやめる」 喫煙者の死亡率は明らかに高いということが分かっています。 「お酒の飲みすぎはやめる」 お酒の適量は、古くから言われていますが、日本酒なら1合、ビールなら大瓶一本、ウイスキーなどはダブルで一杯が適量です。 焼酎の場合、アルコール度がウイスキーの半分程度ですので、ダブルで二杯程度ということになります。 「血圧の管理を行う」 塩分の取りすぎを控え、野菜や果物を積極的に取るようにしましょう。 「社会参加を積極的に行う」 日頃から情報収集を行い、趣味など関心のある分野の活動に参加し、社会に出てゆくことを心がけましょう。 これにより、生きがいに通じることが大切になります。
私の場合、上記9項目中当てはまりそうなものは5項目くらいでしょうか。コレステロール?、タバコ、アルコールはダメ、相変わらず太りすぎといったところでしょうか。 先に腹八分目、七分目ということを書きましたが、常日頃心がけてはいるのですが、アルコールに伴う暴飲暴食が難点というところでしょうか。 この原稿を書きながらも反省はしているのですが・・・。
常日頃ウォーキングが体に良いという話を書いていますが、上記に当てはめると「運動」と「生きがい」に関連してきます。 以前より、心拍数によるウォーキングをしましょうという話をしていますが、活性酸素を減少させるためには、有酸素運動を行う必要があり、もっとも手ごろな運動が、ウォーキングということになります。 そこで効果的な有酸素運動を行うには、最大心拍数の60%~75%が目安とされています。 最大心拍数=220-年齢 となりますので、70歳の場合、一分間に150回の心拍数が最大心拍数ですので、効果的な運動時の心拍数は、90~113/分となります。 これでは少し計算が面倒になりますので、「180の公式」を合わせて覚えておくとよいと思います。 180-年齢 これで行くと同じく70歳の人は心拍数が110の時が効果的な運動目安となります。
運動効率をさらに高めるためには、日ごろのウォーキングに、「インターバル・ウォーキング」を取り入れることにより実現できます。 これは、ゆっくり歩くことと、早く歩くことを交互に繰り返すトレーニング方法であり、高齢のスキーヤーで有名な三浦さんも取り入れているウォーキング方法です。 この方法は、同じスピードで行うウォーキングに比べて、心肺機能を効率よく高めたり、太ももの筋力アップ効果が高いのが特徴となります。 インターバル・ウォーキングは次の方法で行うのが一般的な方法となります。 ・ストレッチや軽いウォーキングで、ウォーミングアップを行う。 ・早歩きを3分間行う。 ・普通歩きを3分間行う。 ・早歩きと普通歩きを繰り返して行い、合計の歩行時間が30分以上となるようにする。 ・ウォーキングのスピードを徐々に落として終了し、ストレッチでクールダウンを行う。
もちろんウォーキングは正しいホームで行うことが、ウォーキングの全身運動につながってきます。 ・上体(顎、肩)をリラックスさせる。 ・軽く顎を引き、20~30m先を見る。 ・肘は90度に曲げ、腕の振りは前後均等に行う。 ・背筋を伸ばして胸を張る。 ・腰の位置を高く保つ。 ・内また、蟹股にならない。 ・膝を延ばして親指の付け根で地面を押すようにする。 ・つま先を上げ踵から着地する。 ・歩幅は無理のない範囲で、普段よりやや広くする。
ノルディック・ウォーキングを行うことで、更に運動効率を上げることが可能となります。 すなわち、ポールを持ったウォーキングを行うことで、ウォーキングの姿勢を正すことが容易になり、また、歩幅も自然と広がってきます。 何より、ポールで地面を突きながら歩くことになりますので、上半身の運動効率が上がり、通常のウォーキングに比べて、30~40%の運動効率が向上するといわれています。 また、姿勢を正しくするためのストレッチも開発されていますので、ノルディック・ウォーキングに合わせて別の機会に紹介したいと思います。
また、アンチエイジングを実践する上においては、脳と心の老化を防ぐことも大切になります。老化を防ぐ10か条がありますので、紹介します。 細かな説明は紙面の都合上またの機会として、項目だけ記載してみたいと思います。 ・人と交流する。直接会い話をすることにより、脳が活性化します。 ・未来日記を書く。明日の予定を具体的にイメージして書きましょう。 ・運動をする。運動により脳の血流を促すことにより、認知症の予防にも約立ちます。 ・旅行をする。目的地にいる自分を想像するとともに、道の場所を尋ねることにより脳が活性化します。 ・歯を大切にする。噛むことが脳の血流や代謝を促すことになります。よく噛むことで、唾液が出ますが、唾液には老化を予防するホルモンが含まれています。 ・嫌なことはどんどん忘れる。嫌なことはストレスとして蓄積します。長寿の人は、嫌なこと、過去の苦労話などしないといわれています。 ・芸術、音楽、自然に触れる。心の老化を防ぐためには、喜怒哀楽や、五感をまんべんなく使うことが大切です。 ・指先や顔を動かす。脳の一部分が手と顔を動かすために使われているため、指先を動かす事や、顔を動かすことが脳の活性化につながってきます。 ・本は声を出して読む。音読を行うことにより、国語の知識に加え、発語という運動機能を総動員することとなり脳の活性化につながってきます。 ・ときめきを忘れない。コミュニケーションの基本は相手と共感することです。共感することが心を細やかにし、生き生きとした生活に結び付いてゆきます。
アンチエイジングの話をさらに細かく書くと、避けて通れないのが食事ということになります。 生きる上において最も大切な食事であるため、その食べ方、内容、すなわち、アンチエイジングに適した食べ物の説明になります。 ただ云えることは、血管の老化のほとんどは、肥満、つまりは食べ過ぎから起こってきます。抗酸化を促す野菜、デトックス効果のある野菜など、書き出したらキリがなくなりますので、またの機会に紙面のスペースを取り説明したいと思います。
未病を治す、アンチエイジング共に、「食事」「運動」「社会参加:生きがい」が大切なことをご理解いただきたいと思います。
出典:長寿スイッチでアンチエイジング NHKテレビテキスト 2011年
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