「清明の時節花の陰」
2017.4.4.
はぐれ雲
深酒多く 起きるに物疎し
臥したまま手を伸ばせば 積読本
眼昏くして 南山をおもい
春灯を点け 杜牧の詩開く
雨戸明ければ 日高く春昼静か
数声の鳴く鳥 花枝をふるわす
今日は「清明」雨紛紛ではなくて
晴れております。
庭の白い桃の花が咲き始めました。
鷹化して鳩と為る日のおもしろく
「 清明 」
(晩唐) 杜牧
清明時節雨紛紛 清明の時節
雨紛々
路上行人欲断魂 路上の行人
魂を断たんと欲す
借問酒家何処有 借問す 酒家は
何れの処にか有ると
牧童遥指杏花村 牧童遥かに指さす
杏花の村
「 春夜 」
(北宋)蘇軾(そしょく)
春宵一刻直千金 しゅんしょういっこく
あたい千金
花有清香月有陰 花にせいこう有り
月にかげ有り
歌管楼台声細細 かかんろうだい
声さいさい
鞦韆院落夜沈沈 しゅうせんいんらく
夜ちんちん
「不飲贈酒」
(晩唐)杜牧
細算人生事 人生のことを
細算すれば
彭殤共一籌 彭殤(ほうしょう)は
共に一籌(いっちゅう)
與愁争底事 愁いと
何事か争いて
要汝作戈矛 汝に求めんや
戈矛となるを
「酒に対して」
(訳詩)はぐれ雲
人の一生 計算すれば
長命夭折 ほぼ同じ
心の愁いと どうして争う
酒よ汝に 求めよう
戈矛(かほう)となって
愁いを破れ
彭殤(ほうしょう)
彭(ほう)は、ハ百余歳まで生きた
長寿者、列仙伝にある殷の大夫彭祖。
殤(しょう)は、成人(二十歳)する
前に死ぬ意。
一籌(いっちゅう)
籌(ちゅう)は数とり。ここでは
酒籌(敗者に罰杯を飲ませる数を
数える竹製の棒をいう)
一籌(いっちゅう)は勝ち負けが
同じすなわち同様の意味です。
人の一生おおむね一籌(いっちゅう)
長命夭折 ほぼ同じ
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