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2020/06/14 17:45:00|その他
上田秀一の独り言(189)>>>「持続化給付金事業」という名の事務局ビジネス

巷の噂によれば、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業などを支援する持続化給付金事業をめぐり、政府の支給事務を代行する業者として一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が769億円で政府から受託し、これを749億円で広告大手の電通に再委託したという。さらに、電通はグループ5社を経由する形で、人材派遣大手のパソナや印刷大手のDNPに外注したという。

グループで事業を行う現代経済社会にあっては、与えられた機能を最適に実施しうるプレーヤーが参加し共同することは否定されないが、重複する機能は回避されなければならない。
 
入札前後のタイムラインは下記のとおりであるが、協議会に対する事前接触はDTに対するそれを遥かに上回ると報道されている。

・支給事務の入札の公告>>>4月8日
・支給事務の入札>>>4月14日
・経産省による「協議会+電通」への事前ヒアリング>>>3月30日及び4月2
・経産省による「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」への事前ヒアリング>>>日時は不明

政府の行う経済政策は、政策の実施に係る効果とそのコストを比較評価してその合理性(当然のことながら、効果がコスト<税金の投入+その他の付随コスト>を大きく上まわる政策が優先される)が担保されなくてはならないが、採択された経済政策もその実施主体(事務局)が目的(給付のスピードや不正請求の防止等)を実現するために機能しなくては有意な経済対策も「絵に書いた餅」とならざるを得ないのは言うまでもない。

大規模なプロジェクトの管理は、計画、執行及びフィードバックという PDFサイクルとシステムを介するプロセスに組み込まれた統制ポイントの有効性が鍵となるが、全体を俯瞰する良質なマネージメントの存在も重要である。

公的部門が面倒な事務局機能を私的部門に委託するケースは極めて多数に上ると推察されるが、事務局機能のコスト(私的部門の収益)が政策コストに占める割合が多いとなると事務局機能の経済的合理性に疑義が生じる。特に、事務局機能のコストを実費精算方式で行う場合には、コストを節約するというモチベションは働かず、無駄や非効率のために税金が浪費されてしまうであろう。

競争入札が形式的に成立すためには2社以上の入札者が不可欠である。状況証拠によれば、持続化給付金の事務局案件にかかる競争入札は、「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」を当て馬とする「サービスデザイン推進協議会」ありきのでき競争入札と推察される。「サービスデザイン推進協議会」は、あくまで競争入札の表札法人であり、その実態は通産省や中小企業庁と通じた電通への事業誘導(総合評価方式の採用)であろうと推察される。

公金が充当される今般の持続化給付金に係る事務局コストの精算に際しては、持続化給付金の事務局案件にかかる入札に応じた「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」による経費の精査(単に金額的整合性のみならず、一定の効率を反映した最適コストの検証を行うためのAgreed upon procedures=合意された手続き)を実施するのが適切であると信じるのは私だけであろうか?

上田秀一