公認会計士上田秀一はあなたのビジネスを応援します!

公認会計士上田秀一は、30年以上にわたる国内及び国外での会計監査・財務コンサルティング等の経験で得た様々なビジネスにおける専門的知見に基づき、あなたが必要とする時にあなたが必要とするサービスの提供を通じて、あなたのビジネスを応援します。 お問い合わせ等は、メールでお寄せ下さい。
 
2020/04/16 8:58:41|その他
上田秀一の独り言(182)>>>新型コロナウイルスに対する日本型アプローチ
日本と韓国がそれぞれ採用した新型コロナウイルス対策のアプローチを分析した報道に接して私が感じるのは、対策におけるアプローチの目的適合性(手段で何を実現するのか!)である。

検査はあくまで感染者を識別する手段であり、感染者が特定された後、感染者の病状により、「(1)重症者は病院で必要な治療を施す。(2)重症者以外は適切な施設にモニター付きで隔離する。」というプロセスが想定される。日本では感染者=入院措置することとされるので、検査は病床の空き数を勘案しておこなうという実務が定着するのだろう。このため、日本では「PCR検査は重症化を防ぐためにおこなわれる」という理解不能な説明が蔓延することになる。私見によれば、感染者の重症化を防ぐ手段は何か?と問われば、「検査ではなく適切な治療と治療薬」と答えるであろう。

韓国の採用したアプローチは、「適時に検査を広く行い感染者を補足したうえで適切に隔離する」というものである。感染症の経験を踏まえた、素人の私でも理解できるアプロ—チである。

他方、日本の採用したアプローチは、水際対策と発生した感染者のクラスターをフォローするというもので、その中で検査は疾病に関する研究の手段として位置付けられ、またその当時では保健所が行政手続きとして行なうものであった。やや場当たり的なアプローチとも解されるが、医療先進国を自認する日本のぬるま湯的な国民皆保険を前提とする平時の体制では機能したものが、緊急時あるいは非常時には今の体制では対応しえないという感染症後進国としての弱さを暴露していると思われる。

第二次世界大戦における日本軍の不誠実で無残な敗戦を経て日本が手にしたアメリカ流の民主憲法下の社会では「私権の制限」はタブー視され、政府の採用した感染症対策は明らかに腰が引けていると言わざるを得ない様相を呈しており、私的セクターへの自粛要請という曖昧な状況を作り出している。民主主義の本場であるアメリカでは、人的移動の禁止という「私権の制限」を伴う対策が採用されていることを勘案すれば、日本の進む方向は明らかであろう。

世帯主(家長?)という訳のわからない概念がまかり通っている日本で、世帯ベースで30万円という一見見栄えのするものの解りにくい支援金が合意されたようであるが、安倍首相とポスト安倍を狙う自民党岸田政調会長のしたり顔が胡散臭い。

与党の自民党や公明党からも国民一人当たり支援金10万円を支給せよという解りやすい政治スローガンが動き出し、酷評のアベマスクと相まって、政府のやる気の無さが見て取れる。遅ればせながら国会も歳費の微々たる20%カットに踏み切ったものの、それは到底国民の理解を得られる内容ではない。

安倍首相に比べ、存在感を増しているのが東京都知事の小池百合子である。これはポスト安部にインパクトを与える事態であろう。

既知の事実を比較勘案すれば、日本の採用した初期のアプローチは明らかに失敗であったといえるであろう。とすれば、未知の感染症という緊急事態にあっては、ITの活用に加え、限定的な「私権の制限」は不可欠であると解される。しかしながら、民主主義の我が国にあっては、例えば、与野党同数の委員会を国会に設置し、国会の関与と監視のもとで必要不可欠の範囲で限定的な「私権の制限」を伴う権限(当然ながら権限に比例する責任を伴う)を首相に与えるというアイデアは如何であろうか?その上で、徹底的な検査を行い感染者を特定し、ITを駆使した行動調査、さらに症状に応じた感染者の治療と隔離が不可欠であろう。

上田秀一