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2019/06/13 9:30:29|その他
上田秀一の独り言(155)>>>個人主義と我が国の年金制度について
自由主義を謳う近代的社会にあっては、まず確立した個人による精神的自由に支えられた選択の自由と意思決定の自由が根源的出発点である。経済的平等が制度的に担保されなくとも教育機会の平等が保証されるとすれば、個人の経済的自治が行動原則となろう。個人は、その能力を発揮し、自己でリスクを取りその経済的自治をマネージメントしなければならない。しかし、個人の能力を超える不測の事態が生じる可能性があれば、それに備え補完する目的で公的部門によるバランスのとれた適度の社会保障システムがあっていいはずだ。

国民年金制度は、あくまで補完的なツールであることを自覚すべきであり、公的部門は補完的ツールを最小のコストで公正で透明性あり持続可能なシステムを整備維持する義務がある。個人の経済的自由を阻害する公的部門の肥大化は許容されない。

補完的制度としての我が国の年金制度における給付水準は現役世代の平均給与の概ね50%相当と言われており、他に収入がないとすれば、老後の生活水準はそれほど高くなり得ないことは自明である。しかし、健康な老夫婦が自宅を保有するという前提をおくと、吟味すべきポイントは、「個人が求める老後の生活水準の具体的内容」をどのように理解するかであろう。個人の生活水準問題は、年齢にかかわらず、個人の嗜好により多様であり、およそ平均値は意味をなさない。

自宅に課税される固定資産税は、その形式をみれば資産税であるため,年金の他に収入がなければ、固定資産税の納付は年金を源泉とする資金から流用する以外になく、老後の生活に固定資産税の負担が重くのしかかる可能性がある。このため、社会保険税に軽減策があるように地方公的部門の税収である固定資産税につても軽減策があっても良いではないか。たとえば75歳以上の夫婦が保有する一定のサイズの自宅については非課税とするか、所得に応じた固定資産税の負担上限額を設定する等の対策が不可欠であろう。

なお、国税庁の平成24年度の民間給与実態統計調査によると、1人当たりの平均給与は408万円(男女別みると、男性502万円、女性268万円)となるようだ。ここから推察される年間の年金給付額は204万円(408万円@0.5)となるが、月額1 7万強となる。残念ながら,この収入レベルは生活保護の水準を下回ることにとなろう。これは何れかに欠陥があることの証左であり、何らかの補修が不可欠である。これは政治の責任である。

上田秀一