幻塾庵 てんでんこ

大磯の山陰にひっそり佇むてんでんこじむしょ。 てんでんこじむしょのささやかな文学活動を、幻塾庵てんでんこが担っています。
 
2018/05/07 14:42:31|事務長雑記
祝! 『をどり字』


『天來の獨樂』に続く、井口時男さんの第二句集


 第一に、俳句〈俳諧〉は「俗」に徹することで、「雅」という惰性化した支配美学に対する批評を敢行したのだった。滑稽や諧謔もその批評性の実践である。
 第二に、私にとってはこちらの方が重要なのだが、五七五を単立させた「もの云えぬ詩形」としての近代俳句は、作品化に際して、つねに意志的な切断を要する。この切断が批評である。俳句は、その詩形そのものにおいて、空疎な饒舌の時代に対する反時代的な批評なのだ、と思う。
 むろん、批評性の尖端には自己批評がなければならない。だが、俳句ではその自己批評が一番難しい。どれほど緻密な自己点検につとめても、詩形が短すぎて、読者への効果を測りがたいのだ。
 しかし、幸いなことに、俳句の批評は批評で終わるのではない。「創造といふものが、常に批評の尖頂に据つている」(
小林秀雄「ランボオT」)。創造は跳躍であり賭けである。本書に収めた二四四句、私の自己批評の尖頂で、いま読者に向けて跳躍する。うまく受け止めてもらえれば幸いである。
我が俳句ーーあとがきを兼ねて より 





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