最年長のお弟子Tさんが、本日からお稽古に復帰なさいました。
これまでも、眼・心臓・足・転んじゃったetc. 現在90歳オーバーのTさんですから、色々のご都合で数ヶ月間のお休みを とったことがあります。
今回のお休みは「多分厳冬期の間はおいでにならないだろうな」と思っていましたが、 「お師さん、ご都合はどう?」と、先日かかって来た電話。 稽古を打診するお声に張りがありました。
今日の午前9時半からのお稽古と10時半からのお稽古。 その狭間、お弟子さんと3人でお茶を頂きながらおしゃべりしました。
加津柳:「Tさん午後のお稽古で復帰ですよ。お声が元気だったので安心しました」 弟子1:「人間の体は『気』で出来ているからね。声も『気』。さすがTさん、素晴らしい」
Tさんは、社会人としての現役時代、会社内の会議室などに重役の皆さん複数で小唄の師匠を招き稽古を受けていたと言う、 正に小唄の最盛期を過ごされた方。
「三ご」と呼ばれ、「ゴルフ」「碁」「小唄」を嗜まなければ紳士とは言えないとされた時代を生きた方。 当時は小唄のお師匠さん方は大忙しで、銀行・証券会社・商社などを飛び回っては、重役さん達に小唄の稽古をつけていたそうです。 そして営業の社員さん達は、「三ご」を接待の道具や話題の提供の為に、 こぞって習ったそうですよ。
昭和三十年代。小唄人口が最も多かった時。 日本が活気と希望に満ちていた時。
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