おやじの趣味

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2019/08/21 21:21:21|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第5-3章 : お迎え。
外伝 : 『山崎。』
第5-3章:お迎え?

 『ピンポ〜ン』
 『は〜い。どちら様ですか?』
 『“てんこ”俺だよ。』
山崎は、インターホンで典子に向かって声を掛けた。
 『俺の声を忘れたのかい、なんか冷たいよ。』
 『はやく、ドア開けておくれ。』
 『は〜い、今、開けますから。』
典子は、ドアの鍵を“ガチャリ”と開け、
 『貴方、いらっしゃい。待っていたのよ〜。』
典子は、顔に笑みを浮かべて山崎に抱きついた。
 『さ、貴方上がって。』
 『鍵を閉めてきてくださいね。』
山崎は典子に言われたとおりに施錠してから部屋に上がった。
 『“てんこ”、片付けは済んだのかい?』
 『はい、貴方。』
典子は、応えながら山崎に向かって“Vサイン”を提示した。
山崎は、典子の“Vサイン”を見て微笑みながら、部屋を確認した。
確かに典子の言う通り、部屋には家具の類(たぐい)しか残されていなかった。
山崎は、典子にことわってから、確認の意味で家具の引き出しを一段ずつ確認していた。
 『“てんこ”、凄いじゃないか。』
 『確かに、忘れ物なんかないね。』
典子は、山崎の言葉に自信をもって、
 『はい。』
と、返事を返した。
その返事に山崎は、
 『典子、引っ越しの最終確認するか。』
 『はい。お願いします。』
山崎は典子が作って有った引っ越しリストを見ながら、“破棄”と“町田行”の各荷物の確認を始めた。
 『“てんこ”、荷物完璧にできているね。』
 『はい。』
典子は、山崎の顔を見ながら、どや顔で“どうよ”と言わんばかりの顔を見せた。
山崎は、典子のどや顔を見て思わず笑ってしまった。
山崎は、典子に向かって、お土産を渡しながら、
 『“てんこ”、お茶にしないかい?』
 『あ、そうかガス止めたから火使えないんだっけか・・・・。』
 『しまったな〜。』
山崎の顔を見ながら、典子が冷蔵庫を指して、
 『貴方、ペットボトルのお茶ならここに有りますからこれで我慢して貰えます?』
 『“てんこ”、お前凄いよ。さすがに引っ越し慣れしている感が有るな。』
 『でしょ。』
 『だから、貴方言ったじゃないですか。私は引っ越し慣れしているって。』
典子は、再び山崎にどや顔を見せていた。
山崎は、典子のどや顔を見てから、一言。
 『“てんこ”様、御見それしました。わたくしの完敗です。』
そう、告げてから山崎は笑い出してしまった。

そのまま、2人は冷蔵庫に冷えているお茶と、山崎のお土産で一息着くことにした。
 『“てんこ”、引っ越しの準備1人でお疲れ様でした。』
 『今日は早めに寝て明日は早く起きてくださいね。』
 『ところで、明日引っ越し業者の方は、何時に来るんだい。』
典子は、自分のメモを確認してから、
 『ここに、朝の6時到着の予定ですね。』
 『じゃー、ここを出るのは何時ごろだい。』
 『はい、業者さんのお話では、120分程度で荷物の積み込みが終わるだろうとの事なので恐らく9時過ぎにはここを出て、町田に向かう予定との事です。』
 『あと、トラックは4tもしくは10tのどっちかな?』
 『はい、当然4tです。』
山崎は、頷きながら、
 『はい、“てんこ”さんよくできました。凄いですね。』
 『何がですか、貴方。』
 『いや〜、典子の記憶は相変わらず凄いと思ってね。』
 『だから、貴方。私は引っ越し慣れしているから引っ越し屋さんの考えが分かるんですよ。』
 
 『じゃー“てんこ”、明日俺達は、トラックを見送った後に家を出て一路、これからの“てんこ”の自宅に向かうから。』
 『業者さんより早く着くと思うけど、休憩は申し訳ないけど取らないと思ってくれないかな。』
 『貴方、トイレも駄目なの?』
山崎は、笑いながら
 『“てんこ”それは当然OKだよ。』
 『あー良かった。』
 『なんで。』
 『だって、貴方の言い方はまるでトイレも駄目っと言った感じだったもの?』
 『そうかい。ごめんね真面目に言い過ぎたよ。“てんこ”。』
山崎は、典子に頭を下げた。
 『でも、“てんこ”。』
 『本当に休憩は最低限しかとらないからね。そのつもりでいてくれよな。』
 『はい。』
山崎は、典子に向かって、
 『典子ありがとうね。明日は忙しいけど15日の日曜日からは2人だけの生活が始まるね。』
 『はい、貴方。私の事を宜しくお願いします。』
典子は山崎に向かって、姿勢を直してから三つ指をついて頭を下げた。
典子の姿を見て、山崎も慌てて姿勢を直して、
 『典子さん、こちらこそこれからも私の事を支えてください。宜しくお願いします。』
と、頭を下げた。
 『はい。』
と、典子は晋二郎に向かって力強く応えた。
 
山崎は、典子に応えるように、典子の手を握りながら、
 『“てんこ”、大事な話が有るんだけど話を聞いてくれるかな。』
 『はい。お願いします。』
山崎は、頷きながら鞄の中から、1枚の封筒を取り出して典子の前で広げて見せた。
 『貴方、これは・・・・。』
 『うん、婚姻届けだよ。』
 『そして、既に俺の名前は書いて有るから・・・・。』
 『どうか、君の名前を書き込んでくれないかな。“てんこ”。』
典子は、山崎が差し出した婚姻届けをしばらくの間、見ながら、
両方の眼からティアドロップ(涙)を流しながら、
 『烝さん、私の方こそ確認ですが私は本当に貴方のお嫁さんになっていいの。』
 『ね、本当にいいの。』
山崎は、力強く頷きながら一言、典子に向かって、
 『お願いします。僕のお嫁さんになって一緒に家族を作ってください。』
典子は、山崎の言葉を聞いてから、力強く、
 『はい。』
と、頷きながら、そしてさらに、
 『私、川上典子は山崎烝さんのお嫁さんになることを宣言と署名をします。』
そう、山崎に告げてから、鞄から、ボールペンとハンコを取り出し、婚姻届けに署名・押印をした。
 『“てんこ”、ありがとう。本当にありがとうな。』
 『あと、長い時間待たせて申し訳なかったね。でもこれからは、何時も一緒だよ。』
 『これからも、俺の事を宜しく頼むな“てんこ”。』
 『はい。こちらこそ宜しくお願いします。』
と、言いながら典子は山崎に抱きついた。
山崎は、典子を力強く抱きとめ、そのまましばらく2人は抱き合っていた。

 『グ〜・グ〜。』
典子は、その音を聴いて笑い出してしまった。
 『ごめん、“てんこ”。』
さらに、山崎が口にした“ごめん”の言葉でさらに笑ってしまった。
そんな、典子を見ながら山崎が、
 『“てんこ”、そんなに笑わなくてもいいじゃないかよ。』
 『ごめんなさい、貴方。』
 『つい、お腹の音に反応して笑ってしまったは。』
 『じゃー、貴方。今夜は早く寝るから、ご飯食べに行きましょうか。』
そう、話しながら典子は山崎の腕時計で時間を確認していた。
 『了解だよ。典子!』
 『じゃー、何処に行こうか?』
 『貴方、明日の事も有るから、ジャンボステーキに行きません?』
山崎は、典子の言葉に、
 『“てんこ”、了解。』
山崎は、典子に指で作ったOKマークを見せた。
 『じゃ、行きましょう。お店が混む前に行って早く帰って明日に備えましょう。』
2人はそのまま山崎のソアラでファミーレストランに向かって出かけた。

 『ふ〜。なんとか目途がついたか。』
 『先輩、ありがとうございます。ほんと、助かりました。』
“ちえみ”は、晋二郎に向かってお礼を言っていた。
 『“ちえみ”、腹減ったね晩御飯どうしようか。』
 『俺、疲れて食いに行きたくないよ〜。なんか、注文しようぜ“ちえみ”。』
 『そうですね、先輩。“ちえみ”も疲れましたよ〜。』
 『先輩。今夜イタリアンはどうですか?』
 『いいね〜“ちえみ”。』
 『ところで、イタリアンってなににするの?』
“ちえみ”は、フフフフと笑いながら、晋二郎を見て、
 『ピザですよ先輩。』
晋二郎は、“ちえみ”の話を聞いて、思いっきり笑い出してしまった。
 『OKだよ“ちえみ”。』
 『先輩、うけすぎ!』
“ちえみ”は晋二郎に向かって、
 『先輩。じゃーピザ注文しますから、駄目な素材って有りますか?』
 『“ちえみ”、俺、アンチョビ以外はOKだよ。』
 『はい、了解です。』
 『じゃー、注文します。』
そう、晋二郎に話してから、“ちえみ”は宅配ピザ屋に注文していた。
 
 『ガチャ。』
典子と山崎はファミーレストランで犬山での最後の晩餐から帰って来た。
2人は帰ってくるなり、
 『貴方、私、苦しくて動けません。少し休ませてください。』
 『典子、ミートゥーだよ。俺も。』
そう、お互いに話してからどちらともなく笑っていた。
山崎が、典子に向かって、
 『“てんこ”、お風呂入ろうか?』
 『はい、貴方。お風呂お願いします。』
 山崎は、典子に向かって了解と返事をしてから風呂場へと向かい湯船にお湯をためだした。
 『“てんこ”。』
 『なんですか?』
 『お前、今夜食べ過ぎだよ。明日、お腹壊さないか?』
 『多分、平気ですよ。それに、私、食べないといけないかもしれませんから・・・・。』
 『“てんこ”、なんで食べなきゃいけないの?』
 『そんなに、“てんこ”お腹空いているの?』
典子は、山崎の顔を見ながら、一言呟いていた。
 『ないの・・・・。』
 『なに、“てんこ”お金無いの?俺、少し有るから明日は心配しないでいいよ。』
典子は、山崎の鈍感さにだんだん腹が立ってきたようで、
 『貴方、ちゃんと真面目に私の話を聞いてください。』
 『だから、聞いているって“てんこ”。』
 『何が、ないって言っているの、ちゃんと話してくれないとわから・・・・ないよ。』
 『“てんこ”、“あれ”がないの・・・・。』
典子は、山崎の言葉に、小さく頷いて見せた。
 『烝さん。もし、本当にそうだったら、貴方困りますか?』
山崎は、典子に向かって、
 『馬鹿、なんで俺が困るんだよ。』
 『困る訳ないじゃないか何を言っているんだよ典子。』
典子は、山崎の台詞(セリフ)を聞いて、
 『ありがとう貴方。』
 『実は、前から少し遅れていて気になっていたの。』
 『でも、勘違いしないで貴方。確定じゃないから。もう少し様子を見てから病院に行くから私。』
山崎は、典子の台詞(セリフ)が聞こえているのか、ぶつぶつと独り言を呟いていた。
そんな、山崎に向かって典子が、
 『どうしたの、貴方?』
 『なにか、気になることでもあったの?』
山崎は典子に向かって、
 『いや、なにね、どっちかなと思ってね。』
 『どっち、何が?』
 『“てんこ”も鈍いね〜。男の子か女の子のどっちかなと思ってね。今、考えていたんだよ。』
典子は山崎に向かって、
 『貴方、まだ決定じゃないんですからね。』
 『早すぎますよ。』
 『でも、典子。早いに越したことは無いよ。』
 『貴方の言っていることは分かりますが、騒いで違ったら後が恥ずかしいじゃないですか。』
 『ですから、確定するまで他人(ひと)には話さないでいてくださいね。』
 『お願いしますよ。』
2人は、これからの事を話してからお風呂に入ってから就寝した。

翌朝、山崎のアラームの曲がいつもより2時間以上も前に流れ始めた。
 『時間だ起きるか。』
山崎は、そう呟きながらスマフォに手を伸ばしてアラームを停止させ、そのまま布団から抜け出て、風呂場へと向かいシャワーを浴び始めた。
シャワーを十分に堪能した山崎は、風呂場から出て、洗面所で歯を磨き始めた。
山崎は、タオルで顔を拭いてから、寝室でまだ寝ている典子を起こしに向かった。
 『“てんこ”、起きて〜。朝だよ。』
 『もうじき、業者さんが来ちゃいますよ。』
 『“てんこ”さ〜ん。起・き・て・く・だ・さ・い。』
 『はい、貴方。』
 『ごめんなさい。私、寝坊しちゃったみたいで。』
 『今、何時ですか?』
山崎は、腕時計で時間を確認して、
 『今は、5時15分だよ。』
 『はい。』
典子は、ベッドから出てお風呂場に向かって顔を洗い始めた。
山崎は、典子が顔を洗い終わるのを確認してからタオルを渡して、
 『はい、“てんこ”これで顔を拭いてね。』
 『貴方。ありがとうございます。』
 『私、着替えてきますから覗かないでくださいね。』
 『了解!』
 『はい。約束ですからね。』
典子は、それだけを言うと寝室に入って行った。
 
5時58分。
典子のマンションの下に引っ越し業者のトラックが停まるのを山崎はベランダで煙草を吸いながら見ていた。
引っ越し業者は良くTVのコマーシャルで見る業者であった。
山崎は、ベランダから典子に向かって、
 『“てんこ”、引っ越し業者さんが来たみたいだよ。』
 『は〜い。貴方。』
典子が返事をしてから数分のうちに部屋のインターホンが鳴った。
 『ピンポーン。』
 『川上様、“快速引っ越し者”です。お荷物引き取りに来ました。』
典子は、部屋の奥から返事をして、
 『貴方、出て貰えませんか。お願いします。』
 『はいよ。』
 『おはようございます。ご苦労様です。』
 『今日は宜しくお願いいたします。』
山崎は、玄関を開けて業者の方々に頭を下げた。
 『おはようございます。川上様』
 『今日は、こちらこそ宜しくお願いいたします。』
 『誠、申し訳ないのですが、本日から3連休ですので気持ち早く来させていただきました。』
 『早速ですが、お荷物の確認、積み込み作業を始めさせていただいてよろしいでしょうか。』
その時、奥から典子が姿を現して、山崎に代わって対応を始めた。
 『おはようございます。早速お願いできますか。』
 『はい、分かりました。』
 『では、お邪魔させていただきます。』
そう、言うなり引っ越し業者の方が、引っ越し用の道具で、手早く床・壁等に養生(ようじょう)を始めだした。

典子は、引っ越し業者の方と連携して荷物の段取りをしていた。
荷物の積み込みは、典子の下準備の良さもあり予定の120分かかるところ30分も早く、積み込みが終わった。
廃棄するものは、引っ越し業者に依頼して有るため部屋に置いておき後日引っ越し業者の方が取りに来る段取りになっていた。
典子は引っ越し業社の方と目的地の確認をしていた。
 『貴方。こっちで一緒に確認して貰えますか。』
 『はいよ。』
山崎は、典子に呼ばれ引っ越し業者の方と目的地でもある山崎の自宅について話を始めた。
 
 『じゃー、川上様。近所に到着しましたら携帯に連絡させていただきます。』
 『我々は、トラックですので先に出発させていただきます。』
 『新しいご住所に到着するのは、恐らく昼の3時頃と思っていてください。』
 『分かりました。宜しくお願いいたします。』
典子と山崎は引っ越し業者の方々に頭を下げて見送った。
典子と山崎はトラックを見送ってから、部屋に戻って自分達の出発の準備を始めた。
 『典子、忘れ物は無いか?ちゃんと確認するんだよ。』
 『はい。了解しています。』
 『“てんこ”、何かあっても簡単に戻ってこれないんだから確実に確認してな。』
 『はい。貴方了解していますから。』
 『それに、ここに戻って来ることは二度とないですから。』
そう山崎に告げてから、抱きつき耳元で、
 『貴方、今日から2人の新生活が始まります。宜しくお願いします。』
 『うん。“てんこ”分かっているよ。こちらこそよろしくお願いします。』
山崎は、そう典子の耳元で告げると、典子の手を取り、ドアに向かおうとした。
 『”てんこ”、行くよ。』
 『はい。お願いします。』
典子は、入口でスニーカーを履いてから自分の部屋を見渡して、
 『今まで、5年の間お世話になりました。色々ありがとうございました。』
と、部屋に向けて頭を下げた。
山崎も、典子の後ろから部屋に向けて頭を下げながら、
 『5年の間、典子を守ってくれてありがとうございました。』
 『では、失礼します。』
と、部屋に告げてから2人は鍵を閉めて何時ものソアラを停めてある駐車場に向かって歩き始めた。
 『“てんこ”、準備はいいかい?』
 『はい、準備完了です。』
 『じゃー行くよ。』
 『はい、お願いします。』
山崎は、典子の言葉を聞いて、ギアをローに入れてソアラをゆっくり走らせた。
典子は、山崎の優しを知って、5年間暮らしていたマンションが見えなくなるまで目で追っていた。
山崎は、マンションがルームミラーから消えた時にソアラのアクセルを踏み込んで加速させ一路、各務ヶ原ICを目指して走らせた。
 
第5-4章:大団円 に続く。





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