おやじの趣味

おやじ のブログへようこそおいでくださいました。このページは「××歳おやじの完璧な趣味(「お〜とばい」・「音楽」・「旅行」・「歴史」・「飛行機」)のページです。
 
2019/08/18 23:24:25|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第4-9章 : 行こうか。
外伝 : 『山崎。』
第4-9章:行こうか。

晋二郎が、山崎に頭を下げた時に2人が化粧室から何時ものオープンテラスの席に戻って来て、
 『先輩、すいませんでした突然席を外してしまって。』
晋二郎は、“ちえみ”を見ながら、
 『どうした“ちえみ”調子悪いのか?』
 『いいえ、違いますから気にしないでくださいね。』
 『それより、先輩飲みましょう。典ちゃんに会えるのは今夜が最後ですからね。』
晋二郎は、“ちえみ”の話を聞いてから、典子を見て、
 『川上さん、明日帰っちゃうんですか?』
典子は、晋二郎に向かって、頷いて見せた。
 『そうですか、じゃー今夜は飲みましょう。』
 『じゃー、皆さんジョッキを持ってください。』
晋二郎の言葉に全員が頷いて、ジョッキを手にした。
晋二郎は、見回してから、
 『乾杯。』
と、声を上げた。
ジョッキが“ガチャ”と、ぶつかるいい音がした。
 
その後、酒宴は進み10時を過ぎた頃、“ちえみ”が晋二郎に向かって、
 『先輩、そろそろ帰りませんか。』
晋二郎は時計を見てから“ちえみ”に頷いて見せた。
 『店長、川上さん。今夜はこれで俺らは帰ります。後は、お2人で仲良く飲んでください。』
そう、言うと晋二郎は伝票を手に持ってレジへと向かおうとした。
その時、山崎が晋二郎の手を握り、
 『吉田さん、今日は私が払いますから、伝票を渡してください。』
 『店長、それは駄目ですよ。川上さんに久しぶりに会えたし今夜は俺が払いますから。』
山崎は、そんな晋二郎の言葉に応えるように晋二郎の腕から手を離した。
晋二郎は、そのまま“裕ちゃん”が待つレジで支払いを済ませてから、“ちえみ”を連れて店の外に出て、“ちえみ”の腕を掴んで駅へと向かって歩き出した。

 『先輩。痛いです。力を抜いて貰えませんか。』
晋二郎は、“ちえみ”の声を無視して駅へと向かって歩き続けた。
晋二郎と“ちえみ”は、改札を抜けホームへと向かった。
ホームで晋二郎は“ちえみ”に向かって、問いただしていた。
 『“ちえみ”さっきはどうしたんだい。何か俺君の気に障ることでも言ったかい。』
“ちえみ”は、下を向きながら頭を左右に小さく振って見せた。
 『じゃー、どうしたんだよ。理由を聞かせてくれないか?』
“ちえみ”は少し考えてから、考えが纏まったらしく、晋二郎の顔を見て、
 『先輩。確認させてください。』
 『何だい。“ちえみ”。』
 『先輩は私の事を本当に好きですか?』
晋二郎は、“ちえみ”からの突然の質問に、一瞬戸惑ったが、
 『当たり前だよ“ちえみ”。好きだよ。嫌、大好きだよ。』
 『どうした、何か不安な事でもあるのか?』
“ちえみ”は、晋二郎の言葉を聞きながら晋二郎に抱き着き、小さい声で、
 『先輩。今夜抱いてください・・・・。』
一瞬、晋二郎は戸惑ったが、“ちえみ”の顔を見て、本気だと悟り、
 『“ちえみ”今夜泊めてもらってもいいかな。』
“ちえみ”は、何も言わずに晋二郎に向かって、頷いて見せた。
そのまま、2人は入線した電車で、“ちえみ”のマンションへと向かった。

その頃、第302では閉店の準備を始めていた。
山崎は、大垣に片づけをお願いして、典子と先に店を出る事にした。
 『大垣、悪いが後を頼むな。』
 『はい、店長了解です。それに、明日はお休みですよね。』
 『悪いけど、明日も頼むな。』
 『じゃー、お先。』
そう、声を掛けてから山崎と典子は仲良く自宅へと向かった。
 『ねー貴方。“ちえみ”ちゃんと、吉田さん仲良く帰りましたかね。』
 『喧嘩していなければいいんですけど。』
山崎は、典子の言葉に対して、
 『それは、分からないね。』
 『でも、“てんこ”なんで、“ちえみ”ちゃんはさっき席を発ったんだい?理由を聞いていないかい。』
典子は、少し間をおいてから山崎に向かって、口を開いた。
 『貴方、“ちえみ”ちゃんわね、吉田さんに愛して欲しかったのよ。私が、貴方に求めたようにね。』
 『そうなんだ。』
 『うん、“ちえみ”ちゃんも女よ。学生の頃の様に、好きだけでは駄目なのよ。時には思いっきり好きな人に愛して欲しい物なの。私みたいにね。』
典子は、話が終わってから山崎の顔を何かを求めるような瞳で見た。
山崎は、典子の瞳に応えるように、唇にキスをした。

 『“てんこ”、明日何時にマンションに着ければいい?』
 『ご希望の時間はあるかい?』
典子は、山崎の質問に少し考えてから、
 『貴方。じゃーねー午後の3時ごろにお願いできますか。』
 『了解。』
山崎は、典子に応えてから、再度、典子の唇にキスをした。
そのまま、2人は山崎の自宅へと向かった。
 
 『貴方、お願いします。目覚まし止めてください。』
山崎は、眠い目を擦ってから、典子に向かって、
 『はいよ。』
そう、返事をして何時もの目覚ましの音楽を止め、再度眠りに着いた。
山崎の目覚まし時計は、何時も、朝の9時に鳴るようにセットされていたが、昨夜は典子と愛を確認しあったために、やや寝不足気味で、目覚ましで起きることができなかったのである。
二度寝してから30分が経過した時、再び目覚ましの音楽が部屋に流れた。
山崎は2回目の目覚ましでベッドから出て、典子を起こさない様に流れる音楽を止め、そのまま風呂場へと向かい、目を覚ますようにシャワーを浴びた。
 『ふ―、目が覚める。気持ちがいいシャワーだよ。』
そう、呟きながら山崎は修験者のようにシャワーを浴びていた時、不意に風呂場の扉が開く気配を感じ振り返るとそこには、典子が立っていた。
そんな、典子に向かって山崎が、
 『どうした典子。シャワーの音が煩くて起きちゃったのかな。』
典子は頭を左右に振り、山崎に向かって抱き着きながら、
 『貴方、私、このままこのお部屋に居てもいい。』
山崎は頷きながら典子の耳元で、
 『居たければいていいよ“てんこ”。』
 『ただ、犬山のマンションをちゃんと引き払ってからの話ね。』
典子は山崎の言葉に素直に頷きながら、
 『分かったは貴方。犬山のマンション直ぐにでも引き払って貴方の待つこのお部屋に戻ってくるわね。』
そう、話してから、2人はシャワーを浴びながらどちらともなく唇を合わせた。
 
山崎は風呂場を先に出て、犬山に向かう準備を始めていた。
典子の準備状況を確認すると既に用意が済まされておりいつでも出かけられる状態になっていた。
そんな時、典子がお風呂場から出てきて、
 『貴方、どしたの?何かありましたか。』
 『いいや、何でもないよ。ただ、典子は昔と変わっていないんだなと思ってね。』
典子は不思議そうな顔を山崎に見せて、
 『なにが、変わっていないんですか?』
山崎は、そんな典子に微笑みながら、
 『“てんこ”の段取りの良さだよ。昔から君はそうだったよね。』
 『そうですか。』
 『そうだよ。海外のフライトの時などは、よく時間前に僕の事を起こしに来てくれたじゃないか。』
 『覚えていないかい?』
典子は少し考えてから、山崎に向かって、
 『まー、心配性なんで事前に準備を済ませますから私。』
 『だろ。』
山崎は、典子の荷物を指差してから、
 『今回も準備OKなんだと思ったら、ふと昔の事を思い出したんだよ。』
 『ただ、それだけの事だよ。』
そう、言ってから山崎は典子に向かって、
 『典子、そろそろ行こうか。』
 『はい、貴方。』
そう、返事をしてから奥の寝室で着替えを始めた。
典子は、20分程度で寝室から着替え終わって出てきた。
 『貴方、お待たせ。』
 『どう、似合いますか?』
そう、山崎に向かって典子は渋谷で購入したスーツを山崎に見せた。
山崎は、典子の洋服姿を見て、
 『“てんこ”、似合っているよ。』
 『ほんと、凄く似合っているよ。俺、惚れ直したよ“てんこ”に。』

山崎は腕時計で時間を確認すると11時を4分程過ぎていた。
典子に向かって、
 『“てんこ”、行こうか。』
山崎は典子の荷物を持って先に玄関を出た。
典子も山崎に続いて部屋を出た。
そのまま2人はガレージに有る、フェラーリ360モデナに向かって歩いて行った。
 『“てんこ”、今日はこれで送って行くよ。』
 『貴方、フェラーリで帰るんですか。』
 『嫌かい“てんこ”は?』
典子は、頷いてから、
 『シート倒れないじゃないですか。結構疲れるんですよこの車!』
 『そうか、それはごめん。』
山崎はどの車にするか考えていると、
 『貴方、私は貴方との思い出が詰まったソアラがいいわ。』
 『分かったよ“てんこ”。俺もソアラにするか迷っていたんだよ。』
 『じゃー、丁度良かったわね。』
2人はそのままソアラに乗り込んで、典子のマンションへと向かった。

山崎は、2時過ぎに浜名湖SAで休憩と遅めの昼食を摂ることにした。
さすがに、平日の水曜日である利用客はほとんどが、一見して会社員と分かる人達であった。
山崎と典子は腕を組んでレストランへと向かった。
レストランでは、窓側の浜名湖がよく見る事の出来る席を案内された。
ふと、山崎は典子を見ながら、
 『本当に“てんこ”に出逢えてよかった。自分が彼女をこんなに愛していることを再認識出来てよかったよ。』
と、典子の屈託のない笑顔を見てしみじみ思っていた。
そんな、山崎の事を見て典子が、
 『貴方、どうしたの?私の顔に何か付いていますか?』
不意に、典子に質問をされて山崎は、慌ててしまった。
 『いや、何。“てんこ”があまりにも美人だから思わず見とれていたんだよ。』
典子は、照れながら、
 『貴方、何を昼間から言っているんですか?恥ずかしいから辞めてくださいよ。』
 『御免。“てんこ”。』
 『それより、遅くなったけどお昼決めようか。』
 『貴方、私はもう決まっているわよ。だから、後は貴方が決めるだけよ。』
 『マジかよ。“てんこ”。』
 『はい、マジですよ。』
そう、言って典子は笑っていた。
山崎は、典子の笑顔を見て自分が本当に典子を愛していると改めて感じていた。
その後、山崎も料理を決めて、呼び鈴を教えてウエィトレスを呼び、それぞれの料理を注文した。
料理が来るまでの間、2人は、これからの事を話し始めていた。
 『“てんこ”、ところで引っ越しの準備はどの程度すすんだ?』
 『そうね、だいたい6割程度終わっているは。』
山崎は、典子から引っ越しの状況を聞いて、頷いていた。
 『これから、“てんこ”のマンションに行くじゃないかそこで、俺も手伝うから引っ越しの準備を進めないか?』
典子は、何かを頭の中で考えながら、
 『ううん、貴方。準備は私がやるから平気よ。』
 『なんで、俺も手伝うよその方が早く済むじゃないか。』
 『違うのよ、貴方。』
 『私でも、貴方に見られたくない物が有るのよ。』
 『何?』
 『だから、私も女って事よ。分かってくれないかな。』
山崎は、気がついて、思わず典子に向かって手を合わせて謝っていた。
そんな時、料理が2人の前に運ばれてきた。
 『お待たせいたしました。』
そう、ウエィトレスは告げてそれぞれの料理を2人の前に置いて、奥に去って行った。
山崎は、典子の料理を見て、
 『“てんこ”、お前もカツカレーかい。』
典子は、頷いてから、
 『気が合うわね、貴方。』
そう、山崎に告げてから、スプーンを手にして、“いただきます”と言ってからカツカレーを食べ始めた。
山崎は、美味しそうにカツカレーを食べる、典子を見ながら、自然と微笑んでいた。
それから、山崎もスプーンを手にして、典子と同じように“いただきます”と告げてから食べ始めた。
2人は、カツカレーを無言で食べていたが、食事中に何度もアイコンタクトをしていた。
食事が済んで2人で浜名湖の景色を眺めていた時。
突然、典子が山崎の肩に頭を載せてきて、
 『貴方、私は本当に幸せよ。貴方は?』
山崎は、一瞬驚いたが典子の手を握ってから、一言。
 『ミートゥー。』
と、返答した。
その、返答に思わず典子は笑い出してしまった。
山崎は、その典子の笑い声をきっかけに、
 『“てんこ”、そろそろ行こうか。』
 『はい。貴方。』
山崎は、支払いを済ませ典子と一緒にレストランを後にし、お土産売り場を見て廻った。
 『“てんこ”、職場へのお土産はいいのかい。』
 『はい、退職の日にお渡しする予定です。』
山崎は、典子を見ながら頷いた。
それから、2人は喫茶コーナーでソフトクリームを2つ購入してから2人して舐めながら湖が見える場所まで歩いて移動した。
ソフトクリームを舐めている典子に向かって山崎が、
 『“てんこ”、動かないで。』
そう、告げてから典子の下顎を指でなぞってクリームを拭き取った。
 『ありがとう貴方。』
山崎は、まるで、“ううん”と言うように笑顔で頭を左右に振って見せてから、ポケットから煙草を取り出して吸い始めた。
煙草の煙を燻らせながら、典子を優しそうな眼差しで見つめていた。
山崎は、煙草を灰皿に捨ててから、口にタブレットを放り込んでから、典子に向かって、
 『“てんこ”帰ろうか。』
 『はい。』
典子は、自分の右腕を山崎の左腕に通してから、2人は仲良く車に向かって歩き出した。
山崎は、ソアラのエンジンを始動させてから車内の時計で時間を確認してから典子に向かって、
 『“てんこ”、ごめん。3時過ぎちゃった。』
典子は、笑いながら山崎に向かって、
 『もー、貴方ったら。じゃー罰として今夜は一杯私の事を愛してくださいね。』
そう、言うと典子は山崎の唇に自分の唇を重ねてきた。
しばらく2人は車内で唇を重ねていた。
典子が唇を離した時に山崎が典子に向かって、
 『“てんこ”、帰ろうか。』
 『はい。』
と、典子は山崎に向かって微笑みながら返事を返した。
山崎は、ソアラを走らせ、一路、典子のマンションへと向かった。
 
第4-10章:今夜はパスタ! に続く。





     コメントする
タイトル*
コメント*
名前*
MailAddress:
URL:
削除キー:
コメントを削除する時に必要になります
※「*」は必須入力です。